地方クラブの生きる道


全てのスポーツに通ずると思うが、チーム力を上げる方法は3つあって

1. 戦術練度を高める
2. 選手を育てる
3. 札束で選手を買う

今季のFC琉球は少し違うが、リ・ジェファがGMに就任以降は大卒中心が主な補強ルートで、時間が掛かるが1番と2番の方法で着実にチーム力をあげていきキム・ジョンソン監督3年目の昨季、J3を制覇した。

現在3連勝の琉球のベースはこの3年の積み上げであり、この貯金を札束で刈り取られるのは正直言ってキツイ。キツイけどルール上は有りなのでしょうがない。

地方クラブの生きる道

サッカークラブを乱暴にカテゴライズすれば、育成型クラブとビッグクラブに二分できる。

琉球に限らず、予算に限りがある多くのクラブは自前で選手を育てて戦力として起用する。
今回の様に時が来れば都市部のビッククラブに売却する事もある。
ヨーロッパに目を向ければアヤックスやウェストハム、FCポルトが育成型クラブとして有名(日本だと山口あたりでしょうか)。選手としてはキャリアアップに繋がり、クラブ側は高額な移籍金を元にクラブの未来に投資が出来る。

FC琉球は育成型クラブにカテゴリーされると思う(というかそうせざるを得ない)。

J2昇格を果たした今季は既に、パギ、富樫、枝本、瀧澤に加えて中川が移籍していった。全ての移籍に対して金銭が発生しているわけではないと思うが、今回の中川の移籍はシーズン途中なので間違いなく移籍金が生じている。推測にはなるが、短期的な営業面でみれば決して悪くないディールだったに違いない。

地方クラブの琉球にとって、主力流出は今後も避けては通れない道である。

中川風希

昨季の活躍から横浜サポーターはインサイドハーフの選手と認識しているかもしれないが、正しくはFWである。
確かに昨シーズンは4-1-4-1の中盤2列目であったが、3センターの一角というよりは、むしろトップ下であった。

相手の重心の逆を取るドリブルに、相手を背負ってくさびを受ける事も出来る。機をみては中盤に下がりビルドアップでも貢献出来る。左右両足からは強烈なシュートを放つし、ヘディングのゴールだって多く見てきた。インザーギの様にワンタッチスコアラーでもある。

琉球サポーターもいつかは引き抜かれる事を覚悟していたし問題はタイミングだった。遅くとも今季終了後の退団は覚悟していたし、早くとも夏だと思っていた。あまりにも早い引き抜きはサポーターを戸惑わせた。
ただ、シティ・フットボール・グループから認められた選手がFC琉球から出た、という事実はもっと誇って良いと思う。


悲観的に取られたかも知れないが個人的には嬉しい。
最高峰の舞台で活躍する姿が早く観たい。そして、万が一に出場機会に恵まれない様で有ればまた戻ってきて琉球に力を貸して欲しい。
そうならない事がベストだが。

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