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ジョージ・オーウェル「1984」

こんにちは!!

あなたは常識って
信じていますか?

もっと言うならば
社会的規範って信じていますか?

例えば、、、
そうですね。

赤信号では渡らない。

服は着なければならない。

手ではご飯を食べない。

もっと細かく解釈していきましょう。

もっと常識的なもの。

カラスは黒い。

リンゴは赤い。

お金は金属と紙。

もっと自明に思えることは
どうでしょうか?

2+2=4

とか。


ジョージ・オーウェルは
著書「1984」で、実に奇妙な
世界を描き出しています。

この作品は(僕は著書というより作品だと思う)
1948年に書かれたために下二桁を
入れ替えたといわれています。

この時期を思い出してみましょう。

ちょうど、第二次世界大戦という
歴史上もっとも壮大な戦争のうちの一つが
終結して間もない時期ですよね。

この戦争はドイツ、ヒトラー率いる
ナチ党がファシズム(全体主義)を掲げ
資本主義に挑戦した大事件です。

そう。面白いのはここからです。

実はこの「1984」ではこのファシズムが
オセアニアを支配したらという世界観の下で
描かれています。

オセアニアはビッグブラザー率いる
党に完全に支配されています。

支配においては町のいたるところに
BIG BROTHER IS WATCHING YOUという
張り紙があります。

それだけでなく、
テレスクリーンという監視カメラのようなものが
街のいたるところにあり、プライベートは存在しません。

この世界では、反政府運動を徹底的に
起こさないために、思考犯罪というものが
存在します。

つまり、言葉が存在すると
支配を揺るがす思想が生まれてしまうということです。

その意図から、語彙が極めて少ない
ニュースピーク」という新言語体系も
実際に導入されています。

実に面白いですよね。

しかし僕があなたに考えてほしいのは
さらにもう一つ先です。

「1984」では主人公のウィンストンが
党に隠れていろいろと党を疑うアクションに沿って
物語が進行していきます。

そして、その運動が党にばれるのです。

そこでウィンストンが受ける
拷問の内容が本当に興味深い。

そこでは思想の自由を徹底的に
消すために拷問が行われます。

それは2+2=5といわせるというものです。

それも心の底から言うまで
拷問が続くのです。

考えられないと思いませんか?

でも少しずつ、言葉を忘れていき、
言葉を失うことで思考力を失い、
思考力を失うことで党の信者に
なっていく姿がつらつらと描かれています。

最終的には今まで反発していた党の支配に対して
私は今、ビッグブラザーを愛している
というセリフとともに後味の悪い終り方をします。

これを読んで僕が思ったことは
常識ってどうなんだろうってことです。

常識とは実にもろく不完全なもの
なのではないか?
と思ったのです。

常識は時代や文化、地域によってすら
大きく異なってくるものだと思います。

常識は確かに人々に
潜在意識レベルでしみこむものです。

日本での常識は日本人からしたら
当たり前で疑う余地のないものです。

だからこそそれを客観的に見たら
どう見えるのか?と少し怖くなりました。

おそらく「1984」の世界に行って
2+2=4だと主張したら、冷めた目で見られ
党に処刑されてしまうでしょう。

つまり向こうの世界からしたら
何言ってんの?」なわけです。

海外の人が変だと思う日本の文化、などという
テレビ番組があったとしたらネタはたくさんあるでしょう。

しかし、僕たちがそれを変だと
感じることはありません。

骨と血にしみこんでいるからです。

もしかしたら、僕は変な常識に
とらわれているんじゃないか?

そんな漠然とした不安を感じながらも
2+2=4だと思い込むのでした。

あなたの貴重なお時間で、僕の稚拙な文章をお読みいただき本当にありがとうございました。何か改善点、ご意見などおありでしたらお気軽にコメントいただければ幸いです。