あなたは「悪役」かもしれない

あなたは
悪役」と聞いて
どんなイメージがありますか?

国民的なところだと、
バイキンマンや桃太郎の鬼、
マリオシリーズのクッパなどが
想像できるでしょうか?

現実だと、犯罪を犯した人、
独裁者、戦犯などでしょうか。

ヒトラーなども
」の象徴として
語られることが多いですよね。

まぁ、彼の「」には前例がなく
相対化してはいけない絶対悪、
として通っているのでむやみに
議論はできませんが。


少なくとも「」というのは
ルール」もしくは「物語
の中で生まれます。


ルールを破ったものとしての悪。

物語を盛り上げ、ドラマティックで
感動的な仕上がりにするための
仕掛けとしての悪。


後者は今回の本題ではないので、
本質を突いた僕のお気に入りの
コピー」をもって今回は
保留させてください。

あなたがみている世界」は
あくまで一つの見方にすぎない
ということを痛感させられます。


さて、前者の場合の
」に関して興味深い
ある報告書があるので
ここで紹介させてください。


あなたは「アイヒマン」という
とても有名な人物をご存知でしょうか?

この人物は、
エルサレムで行われた
アイヒマン裁判で世界の
注目を集めた人物です。


簡単にいうと
ヒトラー政権下で
ユダヤ人虐殺(ホロコースト)
を指揮した人物です。


とんでもない
大罪人と言えるでしょうし、
世界もどんな人物なのか、
と固唾をのんで裁判を待ちました。

人々は筋肉質で高身長の
迫力のあるゲルマン人が
裁判所に姿を現すものだろう
と思い込んでいました。


そしてそこに現れたのは
なんと中肉中背のひ弱そうな
おじさんだったのです。


世界はさぞかし驚きました。


どうしてこんなにも
ふつうの人がこんなに
大きな犯罪を成し遂げられる
ものだろうかと。


そしてその疑問に
向き合ったのが

エルサレムのアイヒマン
の著者のハンナ・アーレントです。


この本には奇妙な副題が
添えられています。


悪の陳腐さについての報告書

です。


陳腐、というのは
ありふれているとか、
つまらないという意味です。


」という極端な
表現とは矛盾している
ようにも思えます。


そしてこの
なぜアイヒマンがここまで
大きな罪を犯”せ”たか
」は
私たちにも大きな学びを与えます。


ハンナはこの報告書の中で
アイヒマンがいかにして
ナチスで成り上がったかを
説明しています。



するとアイヒマンは世界征服とか
ユダヤ人は全員いなくなれ!という
熱量に突き動かされていたわけでは
必ずしもないとわかってきます。


出世したい


これがアイヒマンを強く
動機付けていた感情でした。


彼はいわば大企業で
ひたすら昇進を目指して
努力する中年男性と
何ら変わらなかったのです。


ただひたすらに
その大きな仕組みの中で
努力する真面目な人物でした。


ではなぜ彼と、
世の中の普通に仕事をしている人
がこんなにも違う結果になったのか。


それは組み込まれていた
仕組みが良いことをしていなかった
からです。


そうですよね。

ナチスは組織体として
悪行を行っていました。


その仕組みの中で、
ただ努力したにすぎません。


ハンナによると、
彼は悪いことをしている感覚より
目の前のことに頑張っている
という感覚のほうが強かったようです。


仕組みを無批判的に取り入れる、
それ自体が悪を招くという危険性を
アイヒマンは教えてくれます。


悪というのは、
そんなたいそうなことではなく、
仕組みに対して思考停止する
ことなのだ。


ハンナはそう締めくくります。


これはかなり示唆的です。


この事件を招いた構造的な
ポイントとして分業体制が
挙げられます。


分業体制の中では、
その仕組みの一部を担うもの
にとって全体像は分かりません。


各々が目の前のことを
淡々とこなせば
大きな「」がなされます。

ユダヤ人虐殺も
運ぶ」「監視」「審問」「殺害
などと分業だったからこそ、
罪悪感が生じづらかったのです。

それはひとえに、
仕組みに対して無批判的に
なっていたからにほかなりません。


最近の事例だと、
麻薬やお金の運び屋が
後を絶たないのも
同じ原因でしょう。

全体像も良くわからないし、
大金がそんなことでもらえるなら、
というのは思考停止でしかありません。



あなたは無批判的に
仕組みを受け入れていませんか?



知らず知らずのうちに、
大きな悪事の一端を担っている
かもしれませんね。



最後まで読んでくださり
本当に有難う御座います。

あなたにより深く
記事内容をインプット
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送ってみてください。

それが「思考力」の
基盤となりますので
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電車なり、トイレなりの
「空き時間」でいいので
毎日継続して習慣化しましょう。

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