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料理とホームスクールの幸せな関係

コンセプトキッチン「ミングル」を体験してきた

 スープ作家の有賀薫さんが発明した、コンセプトキッチン「ミングル」。家事の簡略化と食の豊かさという、一見相反する2つを両立しようと実験的に作られたものです。これを体験させてもらいに、ご自宅まで伺ってきました。
 ミングルについて詳しくはこちら ↓

 こちらのサムネイルを見てわかるとおり、簡単な料理なら、食卓で調理~後片付けまで(食洗器が備え付けてある)ここで完結する素敵すぎるキッチン!

ちなみに、ミングルの名前の由来は…

やれる人がやる。やりたい人がやる。
みんなで、ぐるぐる料理する。
だから、ミングル。

私の「家庭料理」に対するこじれた思いと、有賀先生との出会い

 キッカケは、Nサロンで有賀先生の「家庭料理の『新』デザイン」という講座に参加したこと。今年2019年の2~4月に受講しました。
 ちょうど、小1娘の不登校に対応するため、前年末に仕事を辞めたばかり。子どもや学校との向き合い方の葛藤期でした。

 「料理はお母さんがやるもの」「時間をたくさんかけるのが愛情」……など、昭和から続く固定観念にとらわれず、今の時代、家族の形にあった「我が家の料理」のあり方を考えていこうよ、というメッセージ。
 これまで料理に苦手意識や義務感を持っていた私は、このメッセージに大きく心動かされたのでした。我が家なりの形を見つけていけばいいんだ、と。

 ところで余談ですがこれ、何かに似ていませんか? 
 そう、「教育」であり「育児」です。
 実は、ホームスクーラーの仲間と一緒にやっている共同運営マガジン「子育ての『再』デザイン」のネタ元は、実はこの講座なのです。。

ホームスクーラーにとっての料理は「学習」の絶好の機会

 話を戻します。
 Nサロン受講と同時期に「ホームスクール」の存在を知り、SNSを中心に少しずつ仲間が増えてきたのですが、その発信内容を見るにつれ、料理をホームスクールでの学習教材として活用している人が多いのを知りました。
 たしかに子どもの最終的な成長目標である「自立」を考えた時に、「自分で食べられる」というのはとても重要な要素。
 ウチも小1から電子レンジと電気ポットだけは使えるように、あとは時々一緒に娘の作りたいものを作ったり…ということはやっています。
 ミングルについてのnoteをはじめて読んだとき、「子どもとの料理」って、相性がよさそう!と直感的に思い、先生に今回の機会をお願いしました。

 見学にあたって、ホームスクーラーの皆さんは、実際にどんな風に学習に活かしているのかを、仲間のLINEグループで聴いてみました。
 たとえば、マガジンメンバーの小田恵さんの家庭はこんな感じ。
 お子さんの料理を作る中での「好き」「やりたい」を起点にした、マンツーマンでの実験的学びのスタイル。

 その他、ある家庭は「家族の献立を立てるところから予算管理までを、年齢に分けて」、ある家庭は「素材の収穫を楽しむところから」、面白かったのは「魚をさばくのが好き。解体後それぞれ好みの味付けでソテーし、兄弟で味を競う」などなど。自分の食べたいものを自分で作る、という自給自足スタイルも多かった。
 ホームスクール家庭では、「ちゃちゃっと作って、さっと食べる」感じの我が家とは違う価値の置き方をしていることがわかりました。特に、料理を食べる前のプロセスに、各自様々な工夫をしているようです。

 見学にあたりホームスクール仲間も誘ったのですが、今回は残念ながら都合が合わず、Nサロン「お母ちゃん部」のyotsuさんと我が家(私と娘)という非常に少人数の贅沢なメンバーで伺うことになりました。

 ちなみに、娘は興味がないと梃子でも動かない人間です。
 でも今回に関しては、講座最終回の調理実習に娘も参加させていただいていて面識があったこともあり、ノリノリ。ミングルの写真を見せ「薫先生のおうちに行く?」と聞いたら「こんなところに行けるの?すごいじゃん!」と即答。娘は工作が一番好きなのですが、料理も好き。どうもイメージしたものを、最終的な形に作り上げることが好きなようです。そして優しい先生の雰囲気も。

 そして事前に先生とやり取りする中で、「娘と実際に料理と作ってみたいです!」と恐れ多くもリクエストし、快諾いただきました。

ミングルは「プロセス(過程)を楽しむ」仕掛け

 当日は駅で買い物から一緒に。クリーム系好き、ザ・お子ちゃまな娘のためにクラムチャウダーとデザートの桃の白玉を一緒に作ることになりました。
 建築雑誌や住宅雑誌、その他もろもろ取材でひっぱりだこの「ミングル」。ですが、実はここで調理までする人はなかなかいないそうで、もちろん子どもでは初めて。光栄にも数少ない「みんなでぐるぐる」体験者となりました。 

様子はこんな感じ。↓

超ダイジェストですが、雰囲気わかりますでしょうか。。
あんまり全景は写っていませんが、ミングルは最大4人が向かい合って同時に調理できます。この楽しさったら!! 誰も手持ち無沙汰や「一人だけでキッチンであくせく」するようなことがありません。

娘はアサリの砂抜き、ジャガイモの切り方(先生は、定規をそばにおいて厚さをそろえるのに使うそう)からごぼうの洗い方、白玉の硬さまで、先生に丁寧に教えてもらい、おしゃべりしながらも真剣に学ぶ、贅沢な時間。

娘よ。先生に直接教えを乞うことのできる小学2年生はまずいないぞ…。

私とyotsuさんは娘と一緒に作業したり、別のことをやったり……。
もちろん、そのための先生のディレクションも素晴らしく、あっという間に完成しました。

美味しかったのは言うまでもないのですが、娘の感想は
「シアワセだね~」でした。
そう、体験してみてわかった。ミングルは「プロセス(過程)」の楽しさを増幅し、幸せを生み出す装置なのです。

プロから学ぶ価値

今回は、プロから学ぶ価値、というのも感じました。
全然親の言うことはきかない娘。だいたい自分が正しいと思っています。

デザートタイムには完全に打ち解けてきた娘。

だいぶおしゃべりになり、先生に大好きなYoutubeの話をしはじめました。自分もYoutubeを作っていること(今は非公開ですが…)。そして「人気のYoutuberになるためには、流行をいち早く取り入れるんだよー」と自分なりの見解を述べ始めました。

そこにすかさず突っ込む先生「それは違うわよ」。
「えっ…」となる娘。

有「流行に乗ってもすぐ真似されてしまう。流行は『つくる』ものなのよ」
娘「でも何が流行るかわかんないのに、どうするの?」
有「流行るかわからないけど、好きなこと、面白いと思うことをずっとやり続けるのよ」

まさに、スープを作り続けた有賀先生の納得度150%の金言!
娘はいつになく真剣に聞いていました。
私、このこと知ったの、大人になってしばらく経ってからだよ!うらやましい。そしてyotsuさんも一緒に、娘のYoutuberとしての生き筋(?)を一緒に考えてくださいました。

 ホームスクール、親以外の人から学ぶって大事だよなー、と改めて。
 我が子の場合は、私たち親は娘がやりたいことを実現する手助けや予応的な働きかけはできるけど、軌道修正は失敗してからじゃないと受け入れられないので。

 でも、素敵なおうちで素敵なスープを作る、憧れの有賀先生から言われたら、心に残るよねえ。素直な聞きっぷりに驚きました。もしかしてプロじゃなくてもいいのかもしれないけど、「リスペクト」は娘にとって重要な気がします。

我が家にとっての「ミングル2号」は?

 先生は、訪問前日のTweetで、こんなつぶやきを。

すっかりミングルのファンになった娘は「ウチにもミングルほしい!」。
私も欲しいです……。リフォームに思いをはせる私。
でも、先生の言わんとすることは、機能的な「2号」ではなくて、下の目的を考えた時に、我が家にとっての「ミングル」って……?を家族で考えつくっていくこと。

作業そのものは極限まで簡略化しながらも、生活の中で手作りの食事を中心に据え、健康的で幸福感の多い暮らしに変えることが目的です。

 作業は簡単だけど、「シアワセ~」と感じられるような食生活。私もそんな生活をしてみたいと思いました。
 それぞれの家庭やお子さんによって大事にする起点が違うから、体現する「ミングル」の形もきっとそれぞれ違うんだろうな、とも。

 じゃあ、我が家のミングル2号は……?
 
 今はまだわからないので、一緒にやりながら見つけていこうと思いました。まずはミングルに似た正方形のダイニングテーブルがあるので、娘と料理する時はそこでやろう、とまな板をもう1枚購入。そして娘は企画することが好きなので、何を作るか決めるホワイトボードを近くに置くことにしました。
 きっと、状況によって進化していくのも、ミングルらしいのではないでしょうか…。

 貴重な機会を、本当にありがとうございました!

↓ 有賀先生ご本人も、なんと当日のことを書いてくださいました。
私の思いを受け止めてくださった上で、娘に教えるにあたってのきめ細かなやさしさや、娘とのやりとりをミングルにフィードバックさせていく様子がyotsuさん撮影の美しい写真と共に描かれています。

↓ ホームスクーラーの仲間と共同運営マガジン、やっています!


娘との共通の趣味「銭湯めぐり」に使わせていただきます!