TAC公認会計士短答勉強法



経歴

TAC2年L本科コース 2022年12月短答合格76.2%→2023年8月論文合格
総勉強時間約4800h (短答2600h+論文2200h)
受験期間は2年間です。

【答練成績 財務/管理/監査/企業→総合点】
基礎答練①144/49/85/100→378/500 B
基礎答練②176/62/85/95→418/500 A
直前答練①88/42/70/80 →280/500 D
直前答練②128/54/80/95 →357/500 A
TAC模試     120/54/95/85  →354/500 A
直前答練③ 144/62/80/90 →376/500 B
12月短答 164/67/85/65 →381/500 76.2%(ボーダー71%)

 基本的に理論が得意だったので、計算のビハインドを理論で補う作戦を取っていました。それでも財務計算は配点が大きいため、直前まで財計には時間を割いて強化していました。

短答受験において心掛けていたこと

1.勉強を楽しむ心を持つこと
 幼稚な話ですが、勉強を楽しむ心のあるなしで知識の定着度と勉強能率が格段に変わると思います。そのため、自分の成長を見える化して、ゲーム感覚で勉強できるようにして楽しめるようにしていました。
 例えばテキスト・問題集等を解く際に一周読み終わるまでの時間でタイムアタックをして前回の自分より短時間で解けるようにしていました。特にアクセス答練は手軽にテスト形式で解けて毎回の点数も記録できるため、モチベ維持のために優秀でした。

2.回転教材の回転速度を短答前2週間までに極力高めておくこと
 
短答は短期記憶でしか暗記できないような理解を伴わない細かい知識が多いです。そのため、短答前の2週間において抑えたい教材を高速で何度も回転して知識を漏れなく全て抑えれるように、6月から11月末までにテキストや答練等を加工すると共に、何度も回転させることで効率的かつ素早く回転できるようにしていました。

 具体的には、テキスト等の暗記事項について①答えを導くための理屈のない短期記憶部分②理解で解ける長期記憶部分に分別して、①短期記憶部分については答練前の回転時のみ目を通し、②長期記憶部分については何度も目を通して答えを導くまでの理屈が素早くスムーズに思い浮かべられるようにしていました。また、②長期記憶部分について既にスムーズに理屈が思い浮かぶ部分があるならそこは回転数を減らすなどして、重点的に回転させたい知識とその他の知識の濃淡をつけて回転していました。

 「ああ、この知識知ってたのに間違えちゃった。」という場合は割とあると思うんですけど、極論言えばその問題を解く直前に一度確認できていれば防げていたと思います。そのため、僕の体感では、長期記憶は2週間、短期記憶は3日間を超えると記憶から抜け落ち始めるイメージなので、短答実施日3日前に全ての教材の①短期記憶部分+②理解に不安のある長期記憶部分を最低一周は出来ることを理想として回転速度を上げていました。

 ちなみに問題を解く直前に知識を確認しても不正解を防げないような場合は、アウトプット不足なのかなと思います。そもそも当該知識を知らなかった場合を省くと、おそらく既に知っている知識を今までと違う方向から問う問題だから間違えたのだと思いますが、これは同じような問題を解いたことがないことが問題だと思います(脳筋失礼します)。というのも、「既存の知識を違う方向から問われた時に間違えるのは理解不足」なのは間違いないですが、「理解している」とは様々な角度から知識を説明出来る状態だと思っていて、優秀層以外はアウトプットして何度も間違えていく中で新たな視点を蓄え様々な角度から知識を説明できるようにしていくことでしか達せないのかなと。そのため、私は沢山アウトプットして間違えまくって、間違えた問題によって得た新たな視点を短答直前に確認できるようテキストに一元化+間違えた問題を直前2週間以内に解くことにしていました。直前2週間くらいでもう成績変わんないからという意見をたまに見かけましたが、私としては超絶ゴールデンタイムです。

企業法

成績65点
 
得意科目で稼ぐつもりだったのに、知らない問題多すぎて禿げそうだったの覚えてます。過去一レベルの難しさと聞いて安心してました。

使用教材
・TACテキスト
・TAC問題集
・TAC答練全て
・アクセス

勉強法
 
問題集のやり込みとテキストの精読を中心にやっていました。
やり方としては、

①問題集1周する。2色の付箋を使って1色を間違えた問題に貼り、もう1色を自分が不安な問題に貼る。

②問題集のうち付箋のある問題をもう一周。時と場合に合わせて1色のみをやるか2色ともやるかは決める。

③問題集や答練で間違えた問題についてテキストに一元化したのち、テキストを精読(問題集等で解いた知識を再度補強のため確認しつつ、テキストのみの記載も抑えるイメージ)。特に間違えやすい部分は付箋を貼って強調する。

④もう一度テキストの付箋を貼った部分を中心としてサッと1周して、弱い部分を固める。
 
 これを一セットとしてやっていました。答練前には必ずこれを一セットやって、問題集の問題は絶対に間違えないようにしていました。そして答練後はこの①②のサイクルにその答練の問題を含めて回転させていました。なので全ての答練が終わった後は、全ての答練+問題集を①②のサイクルにおいて解く感じです。また、③テキスト精読は気づいたらぼーっと見ちゃいがちなので、ページをめくった後に前ページの内容を見ずに全て思い出せるか想起して頭に入っているか確認していました。その日になかなか想起できなかった内容は、電車に乗ってる時とか風呂場とかで何度も思い出すようにしていました。④においては③の約1/4の時間くらいで、弱い部分をザーッと見直して確認していました。これでテキストや問題集等はそれぞれ約50周はしてるのかなと思います。多いように思うかもですが、1回転にかかる時間は次第に短くなっていくので大丈夫だと思います。ちなみにテキストも問題集等も何度回転させても新しい気付きが毎回のようにあるので、沼を感じることができます。
 とにかく理論は努力で稼げる科目なので、TACの教材は本番当日には完璧にして、TAC生が解ける問題は全て解ける状態にして挑みました。65点でしたが。。。

監査論

成績85点
 
過去問の肢からかなりの割合で出ると聞いていたため過去問もやりこんで当日を迎えましたが、見たことない肢が多かったです。けど既存の知識で十分解ける問題だったので、消去法でポンポン絞れて稼げました。

使用教材
・TACテキスト
・TAC問題集
・TACアドバンス問題(市販)
・過去問5年分

 問題集の問題が少なすぎて、TACアドバンス+過去問5年分も回していました。2024年目標では改善されてるのかな?

勉強法
 
勉強法は企業法と同じです。ただ、前述した通り過去問と同じ肢が出る傾向にあるので、過去問もしっかりやっておけたらなおよいと思います。TAC模試が終わった後、力試しでざっと5年分解いて間違えた肢を回転教材として含めていました。
 ちなみに理論の問題集はABC関係なく全て抑えました。短答の勉強量と近年の難易度の上昇を考えると時間の許す限りCでも抑えた方がいいと個人的に思います….!

財務会計論

成績164点 財務理論64 財務計算100
 
計算は毎年C問題があるため、まずは2,3問捨て問を選択したのち、残りの計算問題を丁寧に確実にとる戦略を取りました。結果、連結が比較的簡単で時間が余ったため、全部解くことができましたね。

使用教材
・TACテキスト
・小テスト
・TAC計算トレーニング
・TAC理論問題集
・アクセス
・パワーアップ答練
・TAC答練
 
 TAC理論問題集に関しては問題数が少なく、心もとなかったのが正直な感想です。CPAの問題集を11月に友達から貰いましたが、そちらの方が問題ごとの重要度がはっきりしており、かつ問題収録数が多く優秀でした。入手したタイミングが遅かったためTAC理論問題集と心中しましたが、CPA理論問題集を使う余裕があればそれでいいかもです。

勉強法(財務理論)
 
勉強法は企業と同じです。ただ、財計と結び付けて財理を抑えることで財計の復習も兼ねることが出来る上に財計応用問題にも対応できる場合があるため、しっかり抑えていました。財計の復習時にも、復習している論点の財理の暗記事項を想起して結び付けられる所は結び付けることで財理の理解を深めていました。

勉強法(財務計算)
 
短答一番の要ですね。まず守備範囲についてですが、被結合企業の株主に関わる処理は上級講義に含まれていましたが、コスパが悪いと判断して捨てました。連結キャッシュはいずれ論文で確実に抑える必要があると思いますし、個別キャッシュを理解していればそこまで大変ではないことからそれなりに固めていました。その他補論の細かい論点以外はやりました。
 財務計算において私が重要だと思うことは、ある論点を解く時に「①その論点の解答を導くための計算プロセス②その計算プロセスにおいて有りうるひっかけや注意点」を能動的に瞬時に思い出せることだと思います。ここを受動的になんとなく問題を解いてしまうと①計算プロセスのどこかでエラーを起こしたり、②細かいひっかけや年度ミスなどの注意点を見逃して不正解になったりしてしまうので、答練等で出会ったひっかけや注意点をテキストに付箋でメモして復習出来る状態にして、本番で能動的に瞬時に①②が思い出せるようにしておくことが大事だと思います。
 アクセスが始まる前~アクセス実施時には、トレーニングはもちろんですが財計の小テストを利用していました。全講義受講後においても、テキスト例題とトレーニングを解いた後、小テストを自分の習熟度を試すために有用だったため3回程度解き直しました。また、パワーアップ問題も3回程度解きましたが、特に企業結合・事業分離の回が網羅的にほぼ全てのパターンの企業結合・事業分離が復習できる問題であったため、アクセスが始まる前に時間があれば解くのをお勧めします。ちなパワーアップは初回20/100点とかしか取れなかったので点数気にしなくて大丈夫だと思います。
 アクセスは神教材なので最終的に完璧にするのマストです。数多くのひっかけが含まれた問題なので難しいですが、その分かなりチカラがつきます。初回は必ず復習をした上で受講するようにしていましたが、E~C判定がほとんどでした。かなり高得点争いなので判定は気にしすぎなくていいかと。回転時、1~7回転目くらいは大体毎朝1アクセスを全問解いて、それ以降はよく間違える問題のみを解いたり、下書きをアクセス問題用紙に書き込んで電卓を打ち込むのみで解いたりして時間短縮の工夫をして毎朝2アクセスくらい解いて、最終的に20回転弱くらいはしたのかなと思います。テキストも定期的に見直していました。
 答練に関しては、アクセスでのマンネリ化を防ぐためにたまに捻られた問題や間違えた問題を解き直すようにしていました。特に直前答練は少し変わったひっかけが多くいい刺激になった記憶があります。
 TACの過去問集は6~8月あたりに2回程度解いて、直前の11月あたりに1回解きました。本試験特有の細かい指示や問題文の書き方のクセなどがあるので、初見対応力を磨くことも含めてやった方がいいと思います。

管理会計論

成績67点
 
訳わからんくらい苦手で難化にビクビクしていましたが、計算の簡単な問題は確実にとって守ることができました。戦略としては理論で確実に稼ぎ、計算は8問中4問だけ選んで確実に正答させ、残りの4問はロトシックスで1問正答させる戦略でした。なのであんま参考にならないかもです。

使用教材
・TACテキスト
・TAC計算問題集
・アクセス
・TAC答練

勉強法(管理理論)
 
まず、原価計算分野についてです。原価計算基準の原文は意味が読み取りづらい内容が多いのですが、安達先生の授業で原文の解説をしてくれるので理解が捗り、また、覚えなくていい原文を把握できて暗記の負担が減りました。テキストの最後のページにある原文に、今までの答練での間違いを書き込んで、原文全部覚えるつもりでひたすら読み込んでました。理解をしてても、原文の表現を知らずに原文そのままの表現で肢が出たら割と気になって×つけちゃうような変わった表現が多かったりするので、原文そのままで覚えることも重要だと思います。
 管理会計分野の理論についてですが、私は理論補講講義を受けなかったことを受験直前に後悔していたことを覚えています。補講だから受けなくていいっしょ(笑)と思ってすっ飛ばしてたら答練でバコバコ出てくるし、今考えても重要な内容だと思うので、ちゃんと補講の範囲まで抑えた方がいいと思います。

勉強法(管理計算)
 
アクセスまでにはトレーニングを固めて、それ以降はアクセスを何度も回転させていました。分量もそこまでないので、かなり回転させていたと思います。
 個人的に管理は戦略ゲーだと思っています。計算を解く時間は足りないことに加え、計算プロセスが複雑なため途中でエラーを起こして間違えやすいです。そのため、私は解く計算問題を4問/8問に絞り一問に10分かけて確実に取る戦略を取っていました。結果的に時間が余れば解く問題を増やしますが、手をつけても最高6問までと決めていました。ここまで確実に取れる問題を取りにいくのには他にも理由があって、もし絞った計算4問が正解しておりかつ理論も高得点なら、捨てた4問には全て同じ一番振られていないマーク番号を振ると、大抵解答のマーク番号はそれぞれ均等に割り振られてるので1~2問は合います。僕だけ管理の時間はギャンブルでした。あまり参考にしない方がいいかもです。



何か質問ありましたらDM等どうぞ~。このnoteが誰かの合格の一助となれば幸いです。

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