見出し画像

りんごを継続して食べるべきか迷ってるので検討している件         サブテーマ             最近のプロシアニジン研究

最近NHKの「あしたが変わるトリセツショー」でチョコレートがありました。そこで取り上げられたココアポリフェノールの中心もプロシアニジンです。「それって実際どうなの課!?」でも昔、チョコで痩せるのがありました。

さて前回およそ40年前にキッコーマンさんが、プロシアニジンは多くの機能があることを初めて明らかにしたことを話しました。
今回は現代に戻り、プロシアニジンの現状を見てみました。
最近の研究では、腸内フローラや免疫細胞との関係が明らかになりつつあるようです。

1.庄司俊彦さんの研究

事実1

りんごのプロシアニジンは15個のカテキンが重合した15量体プロシアニジンまで存在する。

事実2

4量体プロシアニジンまでは血液中に観察されたが、5量体以上のプロシアニジンは観察されなかった。

そこで、 4量体までのプロシアニジン(OP)と5量体以上のプロシアニジン(PP)とに分けて、マウスに与えてみた。

事実3

すると、PPを与えた場合のみ、良いとされる腸内フローラ環境になった。

事実4

さらに腸管バリア機能が改善されることで、腸管から血中に漏れるLPS濃度が減少した。

事実5

炎症性サイトカインTNF-αやIL-6が減少していた。

結論

5量体以上のプロシアニジンは腸内フローラに良い影響を及ぼすことが分かった。
腸内フローラに良い影響を与えるのは、食物繊維だけじゃないことが分かった。
りんごが体に良いと言われる理由の1つに腸内フローラ改善効果があるようです。
今後研究が進めば、腸内フローラ改善効果がより具体的に分かることでしょう。
庄司さんの研究 コレ↓
リンゴ由来プロシアニジン類の機能評価と機能性表示食品の開発

また、プロシアニジンは動脈硬化も抑制することが判明したと言っています。
キッコーマンの動脈硬化抑制実験を詳細に追試確認した模様です。
コレ↓
23500996 研究成果報告書


免疫細胞への影響

信州大学の田中沙智さんは、プロシアニジンが免疫細胞に与える影響を研究しています。
ただし、プロシアニジン2量体のプロシアニジンB2(PCB2)にガレート基なるものを付加したガレート型PCB2を用いた研究になります。
カテキンもガレート型の方が強力なんで、ガレート型にしたのでしょう。
しかし、それは天然にあるのか?
りんごには無さそうだが。

彼女によると、PCB2はCD4+T細胞に次のような影響を与えるそうです。
1)炎症性サイトカインTNF-α、IFN-γの産生を抑制する。
2)解糖系酵素mTOR/HIF-1αの働きを抑制し、乳酸産生量を低下させる。
3)1)と2)は関係していることがわかった。
つまり解糖系を抑制することで炎症性サイトカインTNF-α、IFN-γの産生を抑制する。

CD4+T細胞、樹状細胞、Th17細胞がいれば、PCB2はCD4+T細胞のTNF-α産生を抑制することで、樹状細胞のIL-1β産生を抑制し、更にTh17細胞のIL-17産生を抑制するそうです。
まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」の式です。

がん細胞の解糖系を抑制するのか?

この研究で気になるのが、 CD4+T細胞の解糖系を抑制するってとこです。
となると、がん細胞はどうなの?ってことですわ。

がん細胞は正常細胞よりも解糖系が活発に活動するそうなんで、抑え込めたら良いですよね。

ちなみにがんが甘いものを好む特徴を利用したのがPET検査です。
さらにグルタミンも好きだなんて。

話がそれましたが、ガレート型プロシアニジンPCB2が、がん細胞の解糖系を抑制し活動が低下している内に免疫細胞に働いてもらえばがん縮小だわ。

ですが、このシナリオが成立するかどうか?
つまりがん細胞の解糖系を抑制するかはまだ誰も検証していないみたいです。誰かやってるかも?
それとガレート型プロシアニジンPCB2での結果ですので、ガレート型でないプロシアニジンでは効果がどうなのか?気になります。
りんごが持っているプロシアニジンはガレート型では無いみたいなので。

田中沙智さんの研究室コレ↓
https://tanakasa.wixsite.com/website/プロシアニジン

他にも野沢菜やカロリー制限など面白そうな研究をされています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?