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〈12〉回転寿司屋さんの市場規模は?

回転寿司屋さんの市場規模は「6000億円」です。

具体的にどうやって計算したか?というと、素直に
[回転寿司屋さんの店舗数]×[回転寿司屋さん1店舗の年間売上]
で計算しています。
他の方法では、
回転寿司屋を利用する需要側から考える方法もありましたが、比較の上、こちらを選択しました。
それぞれの数字がどれくらいか?というと
「1000店舗」「6億円」
です。
単純計算するとどうなるか?というと
「6000億円」
となります。

[回転寿司屋さんの店舗数]はもう少し分解して考えており、
どうやって計算したか?というと、
[駅の数]×[1駅あたりの回転寿司屋さんの店舗数]
で計算しています。

駅をベースにして回転寿司屋さんの店舗数を考える理由は、
回転寿司屋の店舗開発長の立場から考えたときに、回転寿司屋を
【ファミリーが利用する休日のレジャー施設】
として捉えられるからです。

大型ショッピングモールもまた多くの【ファミリーが利用する休日のレジャー施設】ですが、こちらは人が集まるところに建設され、まさに駅直結での立地が多く駅ベースで店舗数を計算できます。回転寿司屋がこうした施設を車で訪れたファミリーが休日にエンタメとしての食事を楽しむ場所だと考えると、回転寿司屋の店舗数もまた駅ベースで考えることができます。

それぞれの数字がどれくらいか?というと
「5000駅」「0.2店舗」
です。
単純計算するとどうなるか?というと
「1000店舗」
となります。

[1駅あたりの回転寿司屋さんの店舗数]はもう少し分解して考えており、
どうやって計算したか?というと、
「都会・地方」×「住宅街・オフィス街」の2軸で4つに分類して、加重平均をとっています。

この軸で切り分けた理由には、回転寿司屋のビジネスモデルがあります。
【回転寿司屋】VS【高級鮨屋】のコアユーザーを比較したとき、
・【高級鮨屋】のコアユーザーが交渉(仕事上の接待や恋人との逢引)を目的とした社会人であるのに対し、
・【回転寿司屋】のコアユーザーがマイカーで来店するファミリー層となります。
ファミリーカーを所有する子供がいる家族が最も存在する地域は、都会の住宅街であることから、「都会・地方」×「住宅街・オフィス街」の2軸で切り分けています。

・都会かつ住宅街   =3駅に1店舗(40%)
・都会かつオフィス街 =5駅に1店舗(10%)
・地方かつ住宅街   =7駅に1店舗(40%)
・地方かつオフィス街 =10駅に1店舗(10%)

加重平均した[1駅あたりの回転寿司屋さんの店舗数]
=「1/3」×「40%」+「1/5」×「10%」+「1/7」×「40%」+「1/10」×「10%」
=「0.22店舗/駅」
≒「0.2店舗/駅」
となります。

[回転寿司屋さん1店舗の年間売上]はもう少し分解して考えており、
どうやって計算したか?というと、
[回転寿司屋1店舗にあるレーンの数]×[1レーンの片側にあるテーブルの数]×「2(レーンの両側分)」×[1つのテーブルに座れる人数]×[回転数/週]×[客1人が食べる皿の枚数]×[1皿あたりの値段]×[52週]
で計算しています。
それぞれの数字がどれくらいか?というと
「4レーン」「5テーブル」「2つ」「4人」「50回転」「10枚」「150円」「52週」
です。
土日に回転寿司屋を利用するファミリーが多いことから、週単位で因数分解しています。
単純計算するとどうなるか?というと
「6.24億円」
となります。
[回転寿司屋さん1店舗の年間売上]はこの数字を丸めて、「6億円」です。

[回転数/週]はもう少し分解して考えており、
「土日・平日」×「昼または夜(11時~15時、18時~22時)・夕方(15時~18時)」の2軸で4つに分類し、加重平均をとって計算しています。

・土日かつ昼夜 =10回転(25%)
・平日かつ昼夜 =7回転(50%)
・土日かつ夕方 =4回転(10%)
・平日かつ夕方 =1回転(15%)

加重平均した[回転数/週]
=(「10回転」×「25%」+「7回転」×「50%」+「4回転」×「10%」+「1回転」×「15%」)×「7日間」
=「6.55回転」×「7日間」
=「45.88回転」
≒「50回転」
となります。

計算式をまとめると以下のようになります。

[回転寿司屋さんの市場規模]
=[回転寿司屋さんの店舗数]×[回転寿司屋さん1店舗の年間売上]

=([駅の数]×[1駅あたりの回転寿司屋さんの店舗数])
×([席数]×[回転数/週]×[客単価]×[営業週数])

=([駅の数]×[1駅あたりの回転寿司屋さんの店舗数])
×{([回転寿司屋1店舗にあるレーンの数]×[1レーンの片側にあるテーブルの数]×「2(レーンの両側分)」)×[1つのテーブルに座れる人数])×[回転数/週]
×[客1人が食べる皿の枚数]×[1皿あたりの値段]
×[52週]}

=「5000駅」×「0.2店舗/駅」×「4レーン」×「5テーブル」×「2」×「4人」×「50回転」×「10皿」×「150円」×「52週」

=「6240億円」
≒「6000億円」

今回は自分ではロジックがうまくつながっていないように感じました。
特に、店舗数を駅ベースで考えるあたりがうまく説明出来てない気がしています。
駅ベースで考えること自体は良いと思っていますが、言葉にしてその理由を説明するあたりが、「?」が頭に浮かんでいます。
幹線道路沿いに回転寿司屋が多い印象もあるので、そこをロジックに組み込めると、より良かったかもしれません。

車での商圏ベースで店舗数を考える方法もあったかもしれません。
リアリティチェックをしてみます。
車で片道20分が回転寿司屋の商圏なら商圏面積は半径10キロの円となり、

[回転寿司屋1店舗の商圏人口]
=[回転寿司屋1店舗の商圏面積]×[日本の人口密度]
=「300km2」×「300人」
=「9万人」
≒「10万人」

[回転寿司屋の店舗数]
=[日本の人口]÷[回転寿司屋1店舗あたりの商圏人口]
=「1億人」÷「10万人」
=「1000店舗」
あ、すげぇ。
駅ベースで考えたときとほぼ一緒じゃん。。。
やっぱリアリティチェック大事だなぁ。

今回は1皿150円で計算しましたが、回転寿司屋は元々薄利多売の商売で、原価率が高く、数年前は1皿100円が当たり前でした。
原料高の高騰で値上げされていて、消費者の立場としても、回転寿司屋に行きづらくなっています。

国内回転寿司市場の情報をネットで調べると、
2011年は4336億円、2021年は6738億円で、10年間で1.5倍になっています。
これは1皿の値段が100円から150円に1.5倍になったことと相関していて、市場として成長した感じよりも単に1皿分が市場規模に上乗せされただけなのではないか?と思われて、
市場の飽和感とこれまでの薄利多売型のビジネスの限界がありそうです。
高付加価値化などのビジネスモデル転換が必要そうですね。

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