見出し画像

229、風がはこぶ場所

はぁーっと、息を吸い込んだ。
帰り道、少し強い風が吹いた。追い風だった。なんだか、最近、追い風がよく吹く。いっそう、その風にまたがって、未来へひとっとび!といきたいところだが、そう上手くもいくまい。
ぼくには、まだ、たくさん残された仕事がある。
若い頃から、子どもを育てたい!そう考えていた!だから、結婚はしなければいけないんだ、と自分に言い聞かせてきた。
子ども。男の子でも、女の子でもどちらでもいい。子どもと一緒になって道を歩いて、風に吹かれてドキドキしたい!などと考えている。
自分のことも、ろくに世話できない愚か者。だから、パートナーを見つけて、一緒に生きていく。そのひとと、子どもを育てていく。そんなことを若い頃から、考えていた。
それは、きっと大変なこと。自分の身を削って、夢を子どもにたくし、子どもに夢を持たせる。よく、子どもは!親の思ったとおりには育ってくれない、とヒトが言うので、自分にどこまでできるか不安になる。
ただ、いまは風が吹いている。なんだか、その風に身をまかせたくなった。
このまま、風に吹かれていよう。風の吹く方向へすすんでいこう。そこには、誰かが待っているかも知れない。
そんな期待をよせて、明日を生きていこう。

季節は、巡る。

つらかった日々も、楽しかった日々も、また、何度でもやってくる。つらい日々も、当然、過ぎていくし、楽しいことも、次から次へと、また、やってくる。そんな季節もある。

風が吹く。

また、その風に乗っかる。
そして、どこかへぼくは運ばれて、季節ごとに咲いた花を楽しむ。

人生、そんな風でいいのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?