次のステップまであと10日

2022年9月29日、朝起きたら世界が回っていた。

今もまだどこかふわふわしている。こんな体験、人生でもそうないと思う。

情報局からのメールに驚いたのは今年3度目になる。
1度目は7月の推しの休養報告、2度目は8月の推しの復帰報告だった。


2022年8月13日の夜

「Travis Japan 吉澤閑也の活動再開についてお知らせがございます」

情報局から送られてきたメールを見て、一瞬目を疑った。

彼が抱えた怪我も病気も回復は簡単でないと認識していたし、相当な時間がかかるだろうと覚悟もしていた。
しかし、推しは帰ってきた。想像より圧倒的に早く。

詳細を見ると活動再開報告と併せて彼の現状について言及があったが、まだ怪我も病気も「完治に至っていない」と明言されていた。

完治していないまま復帰して本当に大丈夫なのか、と真っ先に思った。
再発してしまわないか。もしもまた悪化してしまったら、今度こそ取り返しがつかないことになるんじゃないか。
けど同時に、また推しの姿を拝めるのか、歌や踊りが見れるのかという喜びも抑えきれなかった。

閑也くんの休養が発表されて以降、どうか穏やかに過ごしていてほしいという思いと、恐れている事が起こるのではという不安が常にあった。

そんなとき、ことあるごとに閑也くんの存在を感じさせてくれた6人に私はすごく励まされてきた。

ジャにのちゃんねるにトラジャがリモート出演した時、うみくんが黄色の服を着ていた。閑也くんがいないイベント関連の告知ストーリーには、トラの絵文字と黄色のハートが必ず添えられていた。
6人で出場したWOD本戦で、ステージ上には7本の扇子が置かれた。曲には閑也くんの歌唱部分も盛り込まれ、振り付けにはバスケやカーニバルらしき動きが取り入れられていた。元太くんは閑也くんの衣装のベルトをして踊ったことを、しめちゃんは閑也くんに誕生日プレゼントで貰ったブレスレットをリハーサルからずっとつけていたことを教えてくれた。そして舞台裏や結果発表では閑也くんの団扇を持ち歩く6人の姿があり、ブログや島動画でも「7人のパフォーマンス」「7人でステージに立った」と口々に言っていた。

それから、閑也くんの誕生日である8月10日。
恒例の誕生日インライは行われなかったけど、インスタには誕生日祝いとして閑也くんのソロショットと7人の集合写真が投稿された。16時になると「黄色づくめの6人による本人不在の誕生日会動画」と「6人から閑也くんへのメッセージが書かれた渡米直後の7人の写真」がストーリーに上がった。

閑也くんは透明にされなかった。
Travis Japanは7人だと、6者6様にはっきり示してくれて私は本当に救われた。このグループを好きになって本当に良かったと思った。

ただ、どうしても寂しさは拭えなかった。

WOD本戦で、黄色の扇子は曲中ずっと床に置かれたままだった。翌日に駒を進めるごとにどんどん晴れやかな顔になっていく6人に対して、団扇の彼の表情が変わることはない。「Travis Japan」をテーマとしたあのパフォーマンスは、振付も構成も6人での合作だったと後日のインライで明かされた。
現地時間が8月10日を迎える瞬間を共にすることも、彼が黄色い服のメンバー達に囲まれて祝われる姿を見ることもなかった。

全部仕方ないことだと頭では分かっていても、推しだけが同じ空間にいないという事実に直面するたび何とも言えない気持ちになった。6人を応援しつつも、もし7人だったら、と考えては虚しくなった。

だからエゴを承知で言えば、帰ってきてくれたことが本当に本当に嬉しかった。だけど、早すぎる復帰に対しての懸念も不安も当然あった。

そんな相反する気持ちが渦巻く中で、久しぶりに更新されたしずまると、二世祭のパレードでの柔らかい笑顔を見て一気に心が軽くなるのを感じた。
リアルタイムの推しを見て、ようやく「おかえりなさい」と素直に思えた。推しからしか得られないものがあると改めて実感した瞬間だった。


2022年9月29日の朝

この日、目覚めて早々にTwitterが大変な騒ぎになっていた。

「トラジャ」「デビュー発表」「配信デビュー」

TLもトレンドもこの言葉で溢れていた。前日から多少ざわついてはいたけどその時の比じゃない状況だった。そして情報局からのメールを見て、ようやく事態を把握した。


「この度、Travis Japanは、ユニバーサルミュージック傘下の大手レコードレーベルでもあるCapitol Records(米・L.A.)と契約し、10月28日(金)に全世界配信リリースをもってメジャーデビューすることが決定いたしました。」


マジで?

明らかに従来のデビューと様子が違う。情報量に理解が追いつかなかった。
メンバーからのメッセージ動画を見てもまだ信じられなかった。

彼らの努力と実力が実を結ぶ日はいつか絶対に来ると信じていた。
ただ、こういう形での発表となることはさすがに想像してなかった。

確かに9月以降の彼らの活動予定についてはずっと気になっていた。AGTセミファイナルが厳しい結果に終わってからまた勉強とレッスンの日々に戻ったようだったけど、最近はなにか未発表の仕事がありそうな気配がしていた。でも何かのイベントとか、また何かしらのコンテストに参加するのかなというくらいにしか考えていなかった。

様々な媒体から出た記事を読み、AGT出演でレコード会社の目に留まって今回のデビューが決まったこと、8月の時点で社長がデビュー曲の選定に入っていたことを知った。スケールとスピード感がすごすぎて夢かと思った。
渡米直後のWODで入賞したことがAGTに繋がったように、AGTが何か新しい仕事に繋がっていたらいいなあとは勝手に思っていた。けどまさかこんなにどでかいご縁を獲得していたとは思わなかった。

ジャニオタに足を踏み入れて日が浅い私でも、今回の形式が異例中の異例なのはさすがにわかった。パブサするまでもなく賛否両論が目に入った。所によっては阿鼻叫喚の地獄になっていたけど、前例がなさすぎる事態だから波紋を呼ぶのはよくわかる。

人には人の推し方があるし、それぞれに色んな思いがあると思う。それこそこれまでの先輩方が辿ったデビューの軌跡に感銘を受けて、それに倣う形を楽しみにしていた人にとっては、その思い入れが強ければ強いほど心の立て直しは難しいだろうなと思った。

私は彼らの敬意と感謝が飛び交う穏やかな空気感が好きで、卓越したパフォーマンススキルに魅了された。7人が作り出す世界をいつまでも見ていたくて応援することを決めたから、驚きはしたけど彼らが彼らでいられることを認められる日がやってきたのは私としてはやっぱり嬉しい。

彼らがデビューを知らされたのは9月19日とのことだった。

サプライズでデビューを知った時、泣き崩れたり、唖然としたり、立ち尽くしたりと反応はさまざまだったと言ってたけど、その様子は今現在まだ公開されていない。いつになくちゃんとしたカメラが家に来たとのことだったから、いつか全世界に「その時」が放たれる日を楽しみにしている。

最近になってデビュー曲が徐々に解禁され、ジャケ写と衣装が解禁され、ようやく少しずつデビューの実感が湧いてきている。「デビュー曲は今までにない感じ」「ドライブしながら聞きたくなる」の言葉通りの楽曲で、まだこれからMV公開もダンスの解禁も控えていると思うと楽しみで仕方ない。

ただ、推しの心身についてはやはり心配になってしまう。体調が不安定だと本人が言っている状況で、激変する環境にもプレッシャーにもうまく対応しなきゃいけないのは相当大変だと思う。こればかりは、「無理をせず自分のペースで」という本人の言葉を信じることしかできない。

「こんなに早く仕事に戻れるのは凄い」とお医者さんが言うくらいの早さで彼が表舞台に帰ってきてくれたのは、ひとえにアイドルとしての使命感ゆえだろうと私は受け取っている。

本音を言うと、日常を素直に伝えてくれるしずまるが日々の楽しみだったから更新が完全に止まった休養期間は正直堪えるものがあった。だから我儘だけど、少しずつでも更新が復活したのはやっぱり嬉しい。言葉が上手くない自覚があるところも、たまに予想外の面白さが発生したりするところも、良かったことの話も良くなかったことの話も含めて、彼の綴る不器用で素朴な言葉がやはり好きだなあと思う。

でもまだ体調が安定していない現状では、ブログの更新そのものが負担になっているんじゃないかと感じることもある。私情はともかく自分を大事にする方が重視されるべきだと思うし、ネガティブなことであっても正直に言葉にする方が今の彼にとって回復の近道になるのであれば遠慮なく発信してほしいと個人的には思っている。

「支えてくださるファンの方達やメンバーが居れば頑張れる」
「自分は自分らしく生きていきます」
「こう思えたのもファンの皆さんの声やメンバーの温かさ、先輩や後輩からのメッセージのおかげです」

「愛してくれてありがとうございます。」

8月14日、復帰して最初のしずまるでこの言葉が綴られたことが私は本当に嬉しかった。

色んなことがあったし、色んな言葉を投げる人がこれからもいると思う。
でも、周りが温かいのはきっとあなたがそうであるからだと、彼自身が思えるようになってくれたら私は嬉しい。パフォーマンスは勿論として、閑也くんがふとした時に見せるさりげない優しさとかわいさが好きで、もっと自信を持っていい人だと思うからこそ私は彼を推すと決めた。その日から今まで、この気持ちは変わっていない。



あと10日後に、彼らは次のステップに進む。

「寅年デビュー」と「デビュー会見はハリウッド」を彼らは実現した。

私は一介のオタクでしかないけど、新たな道を切り開いていく彼らにささやかながら力添えができていれば嬉しく思う。

2022年10月28日。五黄の寅年の寅の日。前代未聞のルートで門出を迎える7人に、36年に一度という運気が追い風となることを祈っている。

願わくば、彼ら7人が世界中から愛されますように。


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