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私はどうして牛牧ジュリが好きなのか

 こんばんは、八兎と申します。総力戦は毎回Ext止まりです。
 本記事はタイトルにもある通り、どうして私がブルーアーカイブに登場する牛牧ジュリという生徒が好きなのか、その部分の言語化を行うことを目的としたものとなります。あくまで自分自身の気持ちの整理を目的としたものであるため、キャラクターの魅力を紹介するといった内容とは異なり、筆者の主観や想像が多く含まれることをご留意ください。
 なぜ言語化をしようかと思ったのか。これはジュリだけでなく他のキャラクター全般に対しても言えることなのですが、私は「自分がなぜこのキャラクターが好きなのか」という自分自身の感情を正しく理解していません。常にどんな時でも、漠然とした「好き」という気持ちだけが先行していました。
 「別に"好きなものは好き"でいいんじゃないか」という考えでこれまで過ごしてきましたが、そう思うのと同時に、いつかちゃんとこの気持ちを整理して言葉にしたいとも思っていました。だって、ちゃんと言葉で説明してる人たち格好いいじゃん…………!?
 なので今回、noteのアカウントを取得したことで、せっかくだから実行に移してみようと思い立った次第です。何事も挑戦してみなきゃ始まらねぇよな!

 言語化の方法に関してですが、先述したように作品を読んでいて漠然とした「ここ好き」と思った感触は自分の中に確かに存在しているので、ひとまずは、実際に私が印象に残っているジュリに関するコンテンツを一つずつ振り返っていくことにします。その過程で少しずつ感情整理を行い、自分がジュリのどこが好きなのかを最終的に言葉としてちゃんとまとめられればと思います。

 以下、注意点を。
 この記事は、整理した感情を読みやすく清書したものではなく、書きながら筆者の気持ちを整理していくことを目的とした、その道中文章となります。
 そのため、他の一般的なnoteと比較すると読みにくい箇所が多々あるかもしれませんが、どうかお付き合いいただければ幸いです。



◆ゲヘナ学園給食部のジュリといいます。


おかえりなさい、先生。
ロビーでの先生帰宅時会話。かわいい。

 まず初めに、ブルーアーカイブに登場する牛牧ジュリという生徒についてのおさらいとして、簡単にではありますがプロフィールの確認を行います。
 ジュリはゲヘナ学園に通う一年生で、給食部という部活に所属している少女です。この部活は文字通り、ゲヘナ学園に通う生徒のための給食を作ることを目的とした部活であり、同部活には部長としてひとつ年上である愛清フウカが在籍しています。なぜ一般生徒が他生徒の給食を作る必要が……?
 性格は朗らかで頑張り屋、献身的とゲヘナ学園の中では比較的大人しいタイプの生徒。先輩であるフウカもまた、ゲヘナでは珍しい落ち着いた性格の人物であるがゆえに馬が合っているのかもしれません。
 判明している交流関係はそこまで広くなく、同部活のフウカを除くと直接的に関わりのある描写がなされているのは同じゲヘナの美食研究会メンバーらと、給食部グループストーリーで出演した風紀委員会のイオリぐらいです。もっと他のゲヘナ一年生ズとの絡みも見せて。

 さて、そんなジュリを語る上で欠かせないポイントが彼女の料理の腕前に関してです。詳細に関しては後述しますが、あくまで事実を簡潔に述べるとその腕前は壊滅的と言えるほど酷いものです。
 作った料理の味が美味しくないのはもちろんのこと、食べた人物が意識を失ったり、幻覚を見たり、食中毒を発症するケースもあります。調理中に厨房が火の海になることもざらで、しまいには完成した料理が生命を宿して勝手に動き始め、人まで襲いだす始末
 ゲヘナの中でも穏やかな性格を獲得してるのとは裏腹に、その過激なまでにぶっ飛んだギャグ描写がもたらす被害の甚大さは、まわりまわってある意味正しくジュリをゲヘナ生徒たらしめていると言えるものがあります。
 ここまでの説明で分かるかと思われますが、一般的に分類するとすれば、ジュリはいわゆる「メシマズキャラ」に該当するのだと思われます。


ジュリの料理を食べて幻覚を見る先生の図。ハーレムか?

 以上が基本的なジュリのプロフィール確認となります。
 ……実際に整理してみて、こうした人目に付きやすい部分のプロフィールで私がジュリに惹かれた部分は実はあまりなかったな、ということに気が付きました。

 話は変わりますが、みなさんはキャラクターを好きになるきっかけとして、まずどういった部分に惹かれることが多いでしょうか?
 ストーリーの中で語られる内面であったり、美麗なグラフィックで彩られた容姿、あるいは担当されている声優さんがきっかけでそのキャラクターに興味を持つという方もいらっしゃることかと思います。私の知人にも「とにもかくにもおっ〇いだろ!!!!!!」と豪語する輩が存在するぐらいですので、その理由というのは人によって、実に多岐にわたるものなのだと実感しています。
 私はその中でも特に「容姿」で関心を持つことが断然に多いです。かわいいキャラクターが大好き。悪どく言えば顔がいい子が好き。
 キヴォトスの他生徒でいえば、ゲヘナ学園風紀委員会の空崎ヒナ委員長や、ミレニアムサイエンススクール・ゲーム開発部の才羽モモイミドリ姉妹はガッツリ顔で掴まれました。あれ、もしかして幼げな子が好きな感じ?


赤面するヒナ委員長
才羽姉妹のこのヘチョ顔好き

 一方で、初見時の私にジュリの外見や声は正直そこまで刺さりませんでした。好きになった今となってはジュリの容姿もかけがえのないほどに魅力的に感じられるのですが、やはりそれはあくまで後天的なものです。
 他の皆さんがどうかは分かりませんが、少なくとも自分は「好きになったキャラだからこそ、その内面(外見)にも魅力を感じるようになった」ということが多々あります。好きという感情が、その他の要素を押し上げるかのような感覚です。
 つまりジュリもそれと同様で、容姿で惹かれやすい私ですが、ジュリに関しては先にその内面に心を惹かれていったということになります。ではそれはどういった部分なのか? 次以降の項目で、少しずつ確かめていこうと思います。


◆「いつも頑張ってるね」


時計の針は20時。二人が普段から遅くまで頑張っていることが窺えます。

 ジュリに特別興味を持っていなくても、一定時間以上ブルアカをプレイした先生方なら一度は必ず目にしたことがあるイラストではないでしょうか。
 こちらは、画面切り替え時のローディング中に表示されるSDイラストのうちの一枚「いつも頑張ってるね」になります。
 初っ端がこれ!? と思われる人もいらっしゃることでしょうが、これです。こちらです。なぜなら、このSDイラストこそが、私が牛牧ジュリという生徒に興味をもつことになった原点とも呼べる代物だからです。

 私は初めて見たときからこのイラストが本当に大好きで、今でもプレイ中に表示されるとそれだけで嬉しくなって、どこかそわそわした気持ちになってしまいます。ではなぜ私はこれほど「いつも頑張ってるね」が好きなのでしょうか? なぜ原点と呼べるほどに強く心に残ったのでしょうか? そのポイントはおそらく「嬉しい」という感情を抱いた部分です。
 嬉しい。そう、私はこのイラストを見ると「嬉しい」気持ちになります。それは「ロード中にこのイラストを見ることが出来た喜び」ではなく、あくまでシンプルに「このイラスト自体に私を嬉しい気持ちにさせる要素がある」というものです。では私は何に対して嬉しさを、喜びを見出したのでしょうか?

 少し考えましたが、おそらく私は、フウカがジュリの普段からの努力を「いつも頑張っている」と認めてくれていることがイラストの様子と作品タイトルから真に感じ取れ、そこが嬉しかったのだと解釈しました。
 イラストの内容はごくシンプルなもので、疲れてソファで眠っているジュリに、先輩のフウカが毛布を掛けてあげようとしている一枚絵。ですがそれゆえに、伝わるものはダイレクトです。疲れて眠りこけてしまうジュリの頑張りも、それを労おうとするフウカの優しさも、タイトルのその言葉も。全てが本物だと感じられるイラストの純真さ、まっすぐさが私は大好きです。

 さらにもう少しだけ深堀を続けます。フウカがジュリの努力を真に認めてくれていることについて、どうして私はそこに嬉しさを見出したのでしょうか?

認められにくい「努力」

 その理由としては、一般的にジュリの努力は「頑張っている」と認められにくいものだと私は感じていたからというものが挙げられます。誤読を招きそうな表現なので先に注釈しておきますが、「ジュリの努力は努力ではない」ということを言いたい内容のものではありません。

 どういうことなのか順を追って説明します。
 例えば、どれだけ必死に試験勉強をしたとして、その人の点数が30点にも届かなければ「本当にちゃんと勉強したのか?」と疑問を抱かれるのが一般的ではないでしょうか。本人の「実のところ」は関係なく、結果から努力が逆算される感覚。結果の伴っていない努力は、努力と認められにくいものだというのが私の世間に対する認識です。

 ジュリのことに話を戻しますが、彼女の料理はいついかなる時も思ったような美味しい料理にはならず、時には中毒症状を引き起こし、食べ物の範疇を超えて人を襲います。それがどうしようもない「結果」であり、そのジュリが陰でどれだけ美味しい料理を作ろうと努力を重ねていても、周囲の人々からは「もっとちゃんと頑張りなよ」と思われても仕方がない、それが世間なのだと。

 ですが、フウカはそうは思わなかったのでしょう。

 ジュリの料理がもたらす悲惨な結果に直面し続けているのは他でもないフウカですが、それと同時に、すぐ側にいるからこそジュリの日々の努力を目にし続けているのもフウカです。
 肉を柔らかくするためにダブルバレルショットガンを取り出してきても、異形のパンケーキを生み出したとしても、フウカはその行動の裏に確かに存在するジュリの気持ちと努力を無いものとして扱ってはいないのでしょう。惨憺たる事実・結果だけをみて部長としてジュリを見限ったとしてもおかしくないのに、フウカはそれをしていません。
 どれだけ実りが悪くとも、確かにあった努力が誰に知られることもないというのは、仕方がないと思いながらも、私はやはりどこか寂しく思います。だからこそ、私はフウカがジュリの確かな頑張りを認めてくれていることが、こんなにも嬉しかったのかもしれません。


小結論

 あらためて以上のことをまとめると、

 私は、一般的には「頑張っている」と評価されにくいであろう普段のジュリの努力を、フウカが無いものとして扱わずにちゃんと認めてくれていることをとても嬉しいと感じた。このイラストからはそれらを感じ取ることが出来、だからこそ私はこのイラストに強く心を惹かれた。

 ということになるのだと思います。
 え、短っ……びっくりしちゃった……。


 さて、ここまでの記事を読まれて「これがきっかけならどちらかと言えば興味を抱くのはフウカの方じゃないか?」と思われる方もいるかもしれません。わかりますその気持ち。私自身、今この記事を書きながら同じことを思いました。
 ですが、結果として私はジュリの方に強く関心を抱くことになります。それはいったいどうしてなのでしょうか?

 勿体ぶりましたが、いやまぁ早い話、当時の私は「給食部」そのものに興味を持ったってだけの話なんですけどね。給食部の関係がなんか好きだな……もっと見たいな……と思った当時の私はまずグループストーリーへと飛び、それらのお話を堪能しました。
 ブルアカの各部活を中心としたグループストーリーは、残念ながらどの部活も話数自体が平均2話程度と短く、あっさりと読めてしまいます。
 これでは足りない……! もっと読みたい……!
 
飢えが胸を焦がしますが、ないものはないです。どうしようもありません。ですがこういった時、ブルアカには大変ありがたいモードが存在します。

 そう、絆ストーリーモモトークです。というわけで飢えに飢えた私はフウカとジュリの絆ストーリーに喜んで飛びつくことになりました。そうして知ることになったのです、ジュリの料理に関するある種の異能に。


◆絆ストーリー(第1話~第3話)


現時点でのジュリの絆ストーリー一覧。愛用品の追加を心待ちにしています。

 ※ 注意 ※
 この項目ではジュリの絆ストーリーのうち、1話~3話までの内容を取り扱います。メモリアルロビーの実装と共に追加された4話に関しては、時期的な隔たりがあるため分けて後述します。

 次に、ジュリの絆ストーリーについてのまとめを行いたいと思います。
 ブルアカにおける絆ストーリーはいわゆる各生徒ごとに用意された「個別ストーリー」のことであり、いずれもその生徒の個性が前面に押し出された、特色の強いものになります。
 そんなジュリの絆ストーリーは、給食部らしく「料理」に関する話題で構成されており、特に前項目でも取り上げた「ジュリの料理の腕前」に関しては、この絆ストーリーでより掘り下げられることとなります。

ジュリの料理について知る第1話
そんなジュリの調理風景が分かる第2話

 中でも特筆すべきは第3話の「克服したい気持ち」でしょう。

 このエピソードでは、ジュリから「なぜ自分が料理をすると色々なことが起きてしまうのか」と相談を受けた先生の提案で、条件を揃えたり実験してみることでその根本となる原因を突き止めようとするお話が描かれます。
 これまで美味しい料理を作ろうと一人でもがいてきたジュリですが、ここまで明確なアプローチはしたことがなかったようで緊張気味。早速取り掛かろうとしますが、それを先生はいったん制止して、一つの確認を行います。

「"待って、料理に入る前に確認しておこう。"」
「確認、ですか?」
「"レシピに書いていない道具を使わない。"」
「"レシピに書いていない材料を使わない。"」
「"レシピに書いてない調理法も試さない、OK?"」

 以前ジュリの調理風景を見た先生だからこそ、彼女の失敗理由として過度なアレンジがあるのではないかと推測したからなのでしょう。ジュリ一人だと何がいけないのかが分からない為、事前にこれらを制止する先生のナイス采配が個人的に結構好きです。


 少し余談になりますが、この時にジュリがこれまでの奇抜アレンジ調理をしていた理由として「効率重視」であったからというものが本人の口から明かされました。この理由としては、おそらく給食部の圧倒的人数不足が挙げられます。
 フウカとジュリ、たった二人で約四千人分の給食を作らなければならない都合上、あまり長々と時間をかけてはいられません。結果的にはかえって負担を増やしてしまうやり方ではありましたが、私は彼女のその気持ち自体は尊重したいと思います。


 さて、実験のルールを定めた後、ジュリはいよいよ調理に取り掛かります。きちんとレシピに書いてある通りの手順でジュリは料理を完成させますが、それでも何故か完成させた料理は変な味になってしまいました。
 その後も二人は色々と条件を変え、試行錯誤を繰り返します。ジュリの選んだ食材ではなく先生が用意したものを使ってみたり、途中で先生が味見をしながら作ってみたり……ですが、それでも変わらずに毎回変な味になってしまいます。

極め付けの一枚。先生曰く、"もはや神の御業"

 今日こそきちんと料理を作れる姿を見せたかったとうなだれるジュリ。
 ですが、そんな彼女に先生は言葉を掛けます。

「"ううん。まだ諦めるのは早いよ。"」
「"初めからもう一度、ゆっくりやってみよう。"」
「"大丈夫、失敗したらまた作ろう。"」
「"何かが間違ってるなら、また別のことを試してみる。"」
「"ジュリがずっとそうしてきたのを、私は知ってるから。"」

ジュリ絆ストーリー第3話より 先生

 この先生の言葉がとても温かくて私は大好きです。
 「失敗したらまた作ろう」という言葉には、「失敗」自体への抵抗を薄れさせつつ、立ち上がれるように手を差し伸べている感じが嬉しくなります。
 さらに、ジュリがこれまでしてきたアレンジ調理に関しても、先生はそれがもたらした結果のみに注視せず、「美味しい料理を作るために試行錯誤してきた」という行動の裏にある本質の部分を認めています。この部分に、私はとても愛おしい気持ちになりました。「いつも頑張ってるね」の項目でも述べたことですが、私はやはり、確かにある努力を誰かがちゃんと見ていてくれることに非常に強い喜びを覚えるのでしょう。


 先生から励ましの言葉を受けて再起したジュリは、感動のあまり先生の手を握りしめます。戸惑う先生にジュリは次の言葉を返し、本エピソードは幕を閉じます。

「思った通り、先生の手……」
「すごく温かいです」
「先生、もう少しだけ、こうして手を握っていてくれませんか?」
「こうして元気を頂いて、あらためて最初から……今回は包丁の持ち方から、しっかり見直してみようと思います」
「もう少し、私のわがままに付き合ってくださいね!」

ジュリ絆ストーリー第3話より ジュリ


「事実」 それでも前へ

 私がこの絆ストーリーを読んで最も印象的なのは、良くも悪くも下記の通りに述べられた、ジュリにとって過酷な「事実」です。

("全てレシピ通りに作ってから、一番最後の段階でジュリにお玉を差し込んでもらっただけでも、味はとんでもないものに変わった")

 心がしんどい。

 これはジュリと先生の原因追及実験の最中の一コマですが、これまでのジュリの失敗とはいささか次元が異なります。これまではジュリの間違った知識やそれを基にした調理風景が描かれてきたため、逆にいえばそこをまともに、正しく行えば、ちゃんと美味しい料理が作れるのではないかという希望がありました。
 ですが、調理の手順やチョイスした食材らのどこかに失敗の原因があるのではないかと探っていった終着点がコレです。ほぼ全て先生が作った料理にジュリがお玉を一度突っ込んだだけでゲテモノグルメに変貌するというのなら、もうどうすればいいのでしょうか。とはいえこの過剰なまでの異能描写はここぐらいにしかないので、単なるギャグ描写の可能性も捨てきれないが、それはそれでかなりモニョる。

 この謎の力は、明らかに努力でどうにかできる範疇を超えています。
 確かにジュリにはまだまだ改善しなければいけない部分が多いのも事実です。過度な自己流を抑えたり、料理に必要な正しい知識を身に着ける必要性があるのは重々承知です。ですが「異能」とも呼べるこの力を何とかしない限り、この先ジュリは美味しい料理を作ることなんて出来ないんじゃないのか
 そう感じてしまうくらいに、私にとっても、ジュリのこの状況は絶望的に思えました。

 ですが、だからこそ私は、先生がジュリに差し伸べた手とその言葉にとても嬉しくなったのだと思います。
 挫けそうなときに「まだ諦めるのは早い」と差し伸べてくれる手。自分のこれまでの頑張りを認めてくれる言葉。それらにジュリがどれだけ勇気づけられたことか。というか私も勇気づけられました。

 え、すみませんここだけ完全に自分主体フリースタイル感想嘔吐になるんですけど、ここ自分だったらめちゃめちゃ嬉しくありませんか!?!?!?
 どうしようもなさに打ちのめされてるところに「これまでと同じように少しずつ確実にやっていこう」って励ましを入れてくれる先生がいるんですよ!? それって同時に「君がこれまでやってきたやり方は間違ってないよ」ということの後押しでもあるし、その頑張りを見てくれてる知ってくれてる人がいるっていうの、どんだけ心強いかって話じゃないですか!?!?(無推敲原文掲載)

 すみません、邪念が洩れました。話を戻します。

 そうした先生の励ましを受けてジュリが再び立ち上がってくれたこともまた、私の胸を打ちました。困難な現実は立ちはだかったままですが、それでもジュリはそれに向き合うことを選びました。それはとても強いことなのだと私は考えます。
 「事実」が提示されて以降、私は今現在でもジュリが美味しい料理を完成させるというハッキリとしたビジョンを掴み切れずにいます。そうあってほしいとは願いつつも、「やはり"それ"がある以上厳しいのではないか……」という不安が陰り、絶対を信じ切れずにいるのです。それほどまでに私の中ではその「事実」がもたらしたインパクトは絶大でした。
 ですが、その先の見えない真っ暗闇の中をジュリは今も進み続けています。今の自分が出来ることから、本当に少しずつーー包丁の握り方一つから見直しながら、未来を信じて一歩ずつ。
 出来ない私だからこそ、私にはそれがとてつもない強さに思えるのです。

 そしてその強さの根幹は、ジュリ一人で成しえたものではないのだろうと思える部分もまた愛おしく感じます。
 「先生の為にもまだまだいけます!」という言葉からは、自分を信頼してくれた先生の気持ちに応えたいというジュリの心情が見られます。他の人が信じてくれたこと、その気持ちに報いたいということ。それら全てがジュリの強さを形作っていることが、私はとても嬉しく思います。

 これらのことから、私はこの絆ストーリーを通して、牛牧ジュリという生徒を心の底から「応援したい」と強く思うようになりました。


小結論

 あらためて、本項目での事柄をまとめます。

 私は、ジュリの料理に関するどうしようもない「事実」を受けて、ジュリがこの先どれだけ頑張ろうとも美味しい料理を作ることが出来るようにはなれないのではないかと思ってしまった。
 そんな状況でも、先生はこれまでのジュリの努力を肯定した上で、まだ諦めるのは早いと手を差し伸べた。その事が私は嬉しく、同時に勇気づけられた。
 先生の言葉を受けて立ち上がり、少しずつでも前に進み続けようとするジュリに、私は「強さ」を感じた。またその強さを形作るのは、先生からの信頼やそれに応えようとするジュリの想いなど、彼女一人から全て生じたものではないことが私は嬉しかった。

 以上のことを踏まえて、私は美味しい料理を作れるようになろうと頑張り続けるジュリを「応援したい」と強く思うようになった。

 なんか今度は長くなった気がする……。

 これは今回この文章を書き始めてから気が付いたことですが、私の「ジュリが好き」という漠然とした感情の中枢には、上記したように「ジュリを応援したい」という気持ちがありました。
 今はまだ書いている途中ですが、その気持ちに気が付けただけでも、この感情整理を始めてよかったと思います。なかなか書き進められないけど。


◆ジュリインパクト


バレンタイン個別ストーリー・ジュリ編タイトル

 季節は巡り、時は2月14日のバレンタインデー
 ブルアカでは一周年の時にバレンタインイベントが開催されており、その際の小イベントとして各生徒からチョコレートを貰う特別ストーリーが用意されていました。
 このイベント、ブルアカの中では結構力の入れ方がすごく、本当にアイテムとしてチョコレートを貰うことが出来ます。しかもアイテム欄でのフレーバーテキスト付き。さらに消費するすべがないので永遠に残り続けます。食べろ。
 ここからは、その中の一つであるジュリのバレンタイン個別ストーリーに関して触れたいと思います。

 さて、このバレンタイン個別ストーリーですが、これまでのジュリと比べると一点、明確に彼女の中で変化した部分が存在します。それは、ジュリが自分の料理の味について自覚し、なおかつ気にしているという点です。
 絆ストーリー第1話では、自分の料理を食べたことが原因で先生が保健室に運ばれる事態になったのにも関わらず、「シャーレのお仕事が大変なんですね……ご飯の最中に眠っちゃうなんて……」とか言うくらい無自覚だったのに……!

 とはいえ、この変化を「やった! わずかとはいえ明確な成長じゃん!」と喜んでばかりもいられません。というのも、この時のジュリは「自分が作ったチョコを食べた相手が体調を崩す」という事実を知ったがゆえに、先生に手作りのチョコレートを渡すのをためらってしまいます
 美味しい料理を作れるようになることが目的の少女が、自らの料理がもたらす味の被害を自覚した結果、食べてもらいたくて作ったチョコを渡すのを思い悩んでしまう……というのは、とても物悲しいものがあります。
 手製のチョコレートは渡したいが、それで先生の体調を崩させるわけにはいかないと言うジュリに、先生は次のように言葉を述べます。

「"それは気にしないで。"」
「"ジュリが今日呼んでくれて嬉しかった。"」
「"ジュリのチョコレートを貰えるっていうのもすごく嬉しい。"」

ジュリ・バレンタイン個別ストーリーより 先生

 アンタ、漢だよ…………。

 私が今回の個別ストーリーで特に印象的だったのは、やはりこの場面になります。それはやはりプレイヤーとしての私の感情が、キヴォトスにいる先生の言葉にスッと重なったからだと思います。
 これまでのジュリを見てきたことで、私の中には「ジュリを応援したい」という気持ちが芽生えていることは先述した通りです。そんな私としては、ジュリからチョコレートを貰えるのはやはり嬉しいですし、自分を気遣って遠慮するのなら、そこは気にしないでほしいと思いました。そうした感情を先生が言葉としてジュリに伝えてくれたことは、とても印象的なストーリー体験になりました。
 ……とはいえ、実際に貰い食すのは画面の向こうの先生自身であり、私はあくまで画面をまたいだ存在でしかないので、ノータイムでそう答えて実食し、GoTo保健室なされた先生には心から敬意を示すものであります。アーメン。

 また、先述した通り、僅かながらとはいえジュリの成長が見られたのも好印象でした。「"自分が作った料理を食べたら人は体調を崩す"ということを知った」と、実際に文字にしてみると「普通に分かるだろ」という意見も出てきそうではありますが、それでも前進は前進です。今回のように思い悩むことも多々あるとは思いますが、それでも一歩ずつ確実に歩み続けていってほしいです。
 ジュリ関連でもう一点付け加えると、チョコレートを先生に渡したいと思っているジュリが「先生の体調を崩させるわけにいきませんので」と相手を慮る優しさで自身の行動に歯止めをかけるのがとてもジュリらしくて私は好きでした。行動の節々に見え隠れするジュリの優しさに、私はとても愛おしい気持ちになります。

 今回は小結論と呼べるほどの感情はありませんが、簡単にまとめると以下のようになります。

 チョコレートを渡したいという気持ちがあるにも関わらず、相手のことを気遣って遠慮しようとするジュリの優しさが私は好きだと感じた。
 だがそれとは別に、私はジュリのチョコレートを貰うのは嬉しいから気にしないでほしいと思っていた。すると、先生がジュリに同様の言葉を話してくれたので、プレイヤーとしての私の気持ちがその言葉に重なったようで嬉しかった。
 また、僅かではあるがジュリの進歩を感じられた一面があったのでよかった。

  なんかだんだん纏まらなくなってきてない……?


◆おまけ:ハロウィンのロビー会話


 ちょっと余談。そこまでガッツリまとめる内容でもありませんし、少しばかり"負の面"に関するものなので手短にまとめます。ハロウィンのロビー会話で胸が痛くなったよというお話です。
 ブルアカではシャーレの当番として任命した生徒をロビーに設置することが可能で、各生徒ごとのロビーボイスを聞くことが出来るのは周知の事実です。そして、それには常時聴くことが出来るものとは別に、バレンタインやお正月シーズンなど行事限定のボイスもいくつか存在します。その中にはハロウィンシーズン限定のロビーボイスも存在するのですが、ではここでジュリのハロウィンボイスを見てみましょう。

「ハロウィーンになると、なぜか私の作ったお菓子が人気なんです」
「いたずらにぴったり……?だとか」

ハロウィンシーズン限定ロビーボイスより ジュリ

 クルシイ……………………。

 私は初めてこの会話を見たとき、あまりにも切ない気持ちになりました。
 ジュリの作ったお菓子がイタズラ目的で使われているのも当然心苦しいものがあるのですが、何よりも胸に来るのは、この時のジュリの話し方です。

 これはボイス付きの方が顕著……というより、分かりやすいのでぜひ皆さんにも聞いてもらいたいのですが、この時のジュリは「いたずらにぴったり」ということに割と本気で困惑しているような声を出しています。
 いや、ここは本当に声優さんの戸惑い演技の具合が絶妙なのでマジでみんな聞いてくれ………………!

 すみません、煩悩が洩れました。

 普段料理を失敗してパンケーキのパンちゃんを無数に量産してもあまり戸惑ったりしないジュリが、この時は本当に困惑しているのです。
 ですが、それは当然ともいえます。ジュリにとって料理とは、たとえどれだけ失敗したとしても、生命を宿して動き出したとしても、相手に食べてもらうことを想って作ったものだからです。それをイタズラにぴったりと言われては、流石に心のどこかで引っかかるものがあったのではないかと思いました。

 実際のところ、ジュリはこれまでに数えきれないほど料理を失敗してきており、時には命を宿した料理が人々を襲ってさえいます。ゆえに、こう思われても仕方がない一面は確かにあるかもしれません。ですが、ごめんこれはもう完全に私的感情最優先事項なんですけど、それを仕方がないことだって私は言いたくないんですよ。これまでの積み重ねがあるから悪く思われても仕方がないのを是としたくないんですよ。だってこれらの事象はジュリの本意ではないですし、そうならないように努力してるところを私は知っているわけなので、知っている以上はその真意を無視したくはないんですよ。美味しい料理を作れるようになりたいと思って頑張ってるジュリの努力を見たうえで、ゲテモノ料理ばっかり生み出してる結果があるんだからそう扱われてもしかたないにしたくないんですよ私は。ごめんなんかメッチャ洩れてますね!! おまけだからいっか!! うひょ~ぐっちゃぐちゃの感情スパゲッティだぜ!!

 正直、これを書いている今も「流石にジュリに肩入れしすぎている穿った見方ではないか?」と思わなくもないのですが、やはりそれにしたって戸惑いが強烈に印象に残ってしまうのです。
 普段のジュリなら、

 「ハロウィーンには私が作ったお菓子が人気なんですよ!
  ですが、どうしてハロウィーンだけなのでしょうか……?」

 ぐらいのあっけらかんとした物言いをしそうな印象はあるのですが、本当にこの時だけはガチ戸惑いなのです。いや本当にみんな聞いてくれ。

 「いたずらにぴったり……? えぇ……?」

 みたいな声だけでしか伝わらない文字外のニュアンスが存在してるから!! 次回のハロウィンはジュリを要チェックや!!!!!!!!!!!!!!!!!

 いつか、ジュリのお菓子がこういった扱いを受けないほど美味しいものになり、みんなから素直に喜ばれるようになる日を、心から祈っています。


◆セカンドジュリインパクト


2022年開催 お正月イベントタイトル

 2022年12月28日。
 それは生放送で発表されたお正月イベント「喰積の前にいささか 一番勝負」が開催された日であり、そしてジュリに念願のメモリアルロビーが追加された日である。私はこの荘厳なる一日を「セカンドジュリインパクト」と名付けるものとする。
 ※バレンタイン項目でタイトルに「ジュリインパクト」と名付けましたが、その題名理由を記載するのを忘れました。詳しくは、ジュリのバレンタイン個別ストーリーをご覧ください。

 
 本項目では上記した通り、
 ・追加されたジュリの絆ストーリー第4話とメモリアルロビー
 ・お正月イベント「喰積の前にいささか 一番勝負」
 に関して書いていきたいと思います。ですがその前に、これらの情報が発表されるまでのことについて、少しだけお話させてください。

 2周年以降に始められた先生方の中にはご存じでない方もいらっしゃるかもしれませんが、初期ブルアカにおいて、☆1~2の低レアリティ生徒の中にはメモリアルロビーが実装されていない生徒が多く、徐々にアップデートで絆ストーリーと共に追加追加されたという経緯がありました。今でいうトークモーションの追加のような感覚といえばわかりやすいかもしれません。
 特に☆1生徒に関しては全員メモロビが存在しておらず、それはC&Cのアスナやゲヘナ風紀委員会のチナツといった、メインストーリーで登場して人気もある生徒も例にもれずといった具合でした。

 そして、その追加メモリアルロビーの最後を飾った生徒こそがジュリでした。

 当時の私はもう本当に心からその日を待ち望んでいました。メモロビの追加自体に関して待ち望んでいたのは当然ですが、私が何より切望していたのは「新規絆ストーリー」の方でした。
 ジュリはメインストーリーでの出演はほぼないと言えるほど出番に乏しく、それ故に彼女についてもっと知りたいと思っても絶望的にテキスト総量が少ないのです。そんな状況ゆえに、確定で新規のストーリーを読むことが出来るメモロビの追加はもう本当に喉から手が出るほど欲しいものでした。私は確実に飢えていました……が、なかなか追加されない実情。飢え切った状況で「待て」をされ続けるというのはあまりにも苦行でした。

 また、イベントに関しても似たようなことが言えるかもしれません。
 2022年はブルーアーカイブのサービスが始まって2年目のことになりますが、この年は期間限定季節イベントが3rdPVによって支配されているという感覚が蔓延していた時期でした。

 ブルアカのサービス開始1周年を記念して公式から上げられたこちらの3rdPVは、短い動画時間に魅力的なスチルをこれでもかと詰め込んで怒涛のボリューム感に仕上げているブルアカらしいPVです。後半では季節ごとに切り取られた生徒たちの日常が描写され、世界観を広げてより鮮やかなものへと魅せています。
 その後半部分では、水着を着たアビドス対策員会や合同体育祭(晄輪大祭)といった知らない記憶も描かれており、当時は「今年行われる新規ベント」の前振りとして先生方の中で大きな盛り上がりをみせました。さらに、切り取られた日常風景に登場した生徒らが実装・もしくは新規イベントのメインとして抜擢されることも多いのも特徴的です。公開されて日数が経つにつれて、3rdPVは今年一年のイベントを予告したものだとか、アロナちゃんねると合わせて神託といった風に捉えられることが意外と多くあったように思います。
 当時、私もその説に大きく影響を受けていた先生のうちの一人でした。そんな私が注視していたのは、当然冬の給食部のスチルです。

ブルアカ3rdPVより抜粋。かわいい、危ない。

 いいのか……? 期待してもいいのか……!?

 同じ冬のスチルには、給食部との絡みも多い美食研究会のジュンコが肉まんをほおばっているものも存在していたため、ワンチャン合同イベントでもいいから頼む……! と天に祈るかのような心持で日々を過ごしていました。やはり私は飢えていました。

 
 メモロビと絆ストーリーの追加も、給食部のイベント開催告知もされないまま、一周年の月日はごりごりと過ぎていきます。唯一の希望は3rdPVでの「冬のスチル」という点。その僅かに残った可能性を捨てきれず、どうか、どうかと祈る日々。いやまぁ冬服っぽかったエンジニア部が秋の晄輪大祭で季節衣装実装されてたから、この時点で季節はそこまで重要じゃないのかなあとは思い始めていたり。
 そんな私の祈りは、12月22日のブルアカらいぶにてついに叶うこととなります。

 情報が!!!!! 情報が多い!!!!!!!!!!

 あまりにも突然の供給過多です! これまで飢えに飢えていた人間にこれだけ一気に食事を取らせるやつがありますか!! なんで美食研はそのままなのに給食部という一括りにせずジュリだけ抜いた? 以前よりも可愛らしいジュリの表情ってなんですか!? ありがとうございます!!!!
 というわけで前置きが大変長くなってしまいましたが、次からは追加されたイベントや絆ストーリーの内容とその感想について触れていきたいと思います。もう少しお付き合いください。

 ぶっちゃけここ書くのメッチャ楽しかった。それだけこの時は感無量だったし興奮パラメーターが限界突破してた。伝われ、この胸のトキメキ。


◆未熟な私にできること


ジュリ絆ストーリー第4話タイトル

 未熟なんて言うな………………(泣)

 さて、念願叶ってついに実装されたジュリのメモロビ獲得の絆ストーリーですが、先に結論を述べるととても素晴らしい内容だったと私は感じました。これまでに描いてきた牛牧ジュリという生徒をきちんと補完する、とても良い絆ストーリーだったと心から思います。

 本エピソードで先生はジュリから誘いを受けて、給食部が管理する畑で農作業のお手伝いをすることになります。そこで先生は、畑の話をするジュリの表情がとても生き生きとしていることに気が付きます。先生からの指摘を受け、ジュリは次のように言葉を綴りました。

「実は私、料理も好きなのですが……こうして食材を育てるのも好きでして」
「私はまだ料理の腕が未熟なので、みんなが喜んでくれるようなものは作れませんが……」
「であれば、料理の腕の研鑽はもちろんですが、食材にも拘ってみたらどうだろう、と思いまして」
「ほら、素敵な食材って、何も調理しなくてもすごく美味しかったりするじゃないですか?」
「もちろん料理の方を諦めたわけではありませんが、美味しい食材を作ることができれば、最終的にはもっともっと皆さんに喜んでもらえるんじゃないかなと思いまして」

ジュリ 絆スト―リー第四話「未熟な私にできること」より ジュリ

 
 私はこのジュリの一連の言葉が本当に愛おしくて、初読時には感極まりすぎてガチ泣きしました。

 まず第一に、料理の一環として、「野菜作り」というジュリが出来ることが増えている事実が、私は純粋に嬉しかったです。
 絆ストーリーの第三話で、包丁の持ち方一つから意識して料理に取り組もうと心構えを新たにしたジュリ。先生の励ましの言葉を受け、些細なことから一歩ずつ、確実にこなしていくことに決めたジュリ。
 これは、そんな彼女が出来ることを増やそうと模索し、頑張り続けた成果であるように思えました。だから私は、この事実そのものにたまらない喜びを感じたのだと思います。少しでも報われたようで本当に良かった。
 作った野菜自体にポイズンクッキング判定が出ていなさそうなのも本当に良かった……。

 また、ジュリの料理に関して「みんなに喜んでもらう」という明確かつ大きな目的が彼女の口から語られたのも、非常に嬉しいことでした。
 「まだ料理の腕が未熟だから、みんなが喜ぶようなものは作れない」
 「美味しい食材を作ることができれば、最終的にはもっとみんなに喜んでもらえるんじゃないか」
 この短い会話のなかで繰り返し示されていることからも、料理において「みんなに喜んでもらう」ことがジュリにとって大切なことであることが窺えます。これまでにも雰囲気では分かりそうですが、今回あらためてちゃんとジュリ本人の口から語られたことが良かったです。
 これまでの描写からも分かるように、ジュリはとても優しい子です。そんな彼女だからこそ、その目的はとても彼女らしさを感じさせますし、同時にこれまで描かれてきたジュリの優しさをより補強するものに感じられて私は好きです。
 「美味しい料理でみんなに喜んでもらいたい」と考えているジュリが、本当に素敵な子だとあらためて思いました。

 「料理を諦めたわけではない」とジュリが言ってくれたことも、私にとっては嬉しいポイントの一つです。どれだけ美味しい野菜を作れるようになろうとも、じゃあそこで「料理は頑張っても美味しく作れないので、野菜作りなど確かに出来る方のみに注力します!」とはならないのがジュリなんですよね。
 ……少し邪な話になりますが、もしも自分がジュリなら、私は野菜作りに依存してしまうかもなぁと思いました。「出来ない・うまくいかない」が無限に続く過程で降ってわいた「今、出来ること」には、それほど抗いがたい魅力があるのではないでしょうか。そう感じてしまう私だからこそ、再び「料理」に向き合っていくジュリを、素敵だと強く思いました。

小結論

 今回のことを簡単にまとめると、以下のようになります。

 ジュリが、自分に出来ることを増やそうと模索し続けた結果として、「野菜作り」という一つの成果を得ている姿を見れたことが純粋に嬉しかった。私はその努力を本当に凄いことだと思う。
 また、ジュリが料理において「みんなに喜んでもらう」のを重視しているという事実は、優しい性格のジュリらしくもあり、これまでに描かれてきたジュリの優しさを裏付けるものでもあり、私は好きだと感じた。


◆喰積の 前にいささか ~ 一番勝負 ~


 これが本文最終項目になります。
 もう少しだけ、お付き合いください。

 本項目では、2022年お正月イベント「喰積の 前にいささか ~ 一番勝負 ~」のジュリに関する部分についてお話させていただきます。(以下、イベントタイトルを「喰積」と記載)
 本イベントはゲヘナ学園の美食研究会と給食部を中心としたイベントとなっており、閉店を余儀なくされた老舗のご飯処「スズメ亭」を救うべく立ち上がったフウカ・ハルナらの頑張りを描くストーリーが展開されます。
 作中でも時期が大晦日前後ということもあり、本イベントでは生徒たちの晴れ着姿を多く拝むことが出来ました。ジュンコはイベント配布生徒として実装され、フウカとハルナに至っては限定ピックアップでの実装と相成りました。また、既に水着衣装が実装されているイズミも新たに晴れ着verの立ち絵を獲得し、アカリも生徒実装にこそなりませんでしたが専用の晴れ着衣装を獲得しています。アカリに関しては復刻の折に生徒実装の可能性もあるかもしれませんね。期待して待ちましょう。

 で、何でジュリは立ち絵差分さえも貰えていないんですか。


 いや…………さすがにおかしくない!?!?!?
 二つ部活あって! 生徒が六人もいて! 一人だけ差分衣装さえ貰えずに通常制服立ち絵なのどう考えてもおかしいでしょうよ!??!!?!?!?
 すみません唐突に愚痴になってしまいました。ですが、この部分に関してはジュリが好きな先生方全員が引っかかった部分だと思いますので、どうしても明言しておきたかった……!! どうか復刻時に突然晴れ着ジュリの衣装差分だけでも変更・追加がされていますように……わりぃ、やっぱ生徒としても実装してほしいわ。

 さて、そんな感じで先行き不安で始まった「喰積」イベントの紹介ですが、実は意外にもストーリー中でのジュリの扱いは悪くありません。むしろ、私はとても良い描写がなされているとさえ感じました。


続・私にできること

 「未熟な私にできること」の項目でもお話しましたが、やはり私はジュリが努力の果てに新しく出来ることを増やしている、という描写にとても心打たれます。そして本イベント「喰積」でも、それらジュリの成長の様子を見ることが出来ます。

 まず一つは「食材選び」。ストーリー中、近辺のフランチャイズ店に対抗するため、一行は低価格路線用の食材を調達することになります。その際に、フウカは買い物担当としてジュリを指名しました。普段の惨状を知っているジュンコはこれに驚愕しますが、フウカは「ジュリの食材を見る目は確か」だと念を押しました。実際のところその言葉は正しく、アカリやイズミと共に商店街へ買い出しに出たジュリは、その選別眼を発揮している姿を見せることとなります。

 次に「料理の下ごしらえ」に関して。作中、フウカとジュリは厨房担当として、スズメ亭の女将さんと共に調理を行う場面がいくつか存在します。その際に、フウカはジュリに「下ごしらえだけしてくれる?」と指示を出し、ジュリもまたそれに対して「お任せください先輩!」と返す一幕がありました。また、些細な描写ではありますが、ジュリが任されたであろうニンジンの処理を終えてそれをフウカに報告する場面もありました。かわいい。

 確認できたのは以上の二点となりますが……これらメッチャ良くないですか? なんていうか、私が思う「こういう給食部がみたい」が全てここに詰まっている感じがします。

 これは取り上げた両方に共通することですが、ジュリに対するフウカの信頼が感じられるのがとても嬉しいポイントでした。
 フウカが「これならジュリは出来る」と判断して仕事を任せてくれること。自らの料理の腕に関して自覚があり、自身をダメダメと卑下することもあるジュリが「任せてください!」と自信をもって返せていること。それらの事実に、私は大変愛おしい気持ちになりました。

 フウカがジュリの全てを肯定しているわけではないというのも、その気持ちを大きくさせている要因に思えます。食材選び担当としてジュリを抜擢した際、フウカは「他のことはさておき」と前置きを入れています。また、調理時も「下ごしらえ"だけ"してくれる?」と、それ以外に関しての手付けをやんわりと断る言い方をしていました。
 給食部の部長である愛清フウカは、すぐ側で見てきたことで、牛牧ジュリの多くの"出来ない"を知っています。ですがその一方で、彼女の数少ない"出来る"も知っています。出来ないことは出来ないことだと認める。その上で、今ジュリが確かに出来る仕事を適切に割り振るフウカに、私はとても愛おしさを感じました。

 また、ここからは少しばかり妄想と強めの思想が混じったお話になりますが、食材選びをしているジュリの様子が、絆ストーリーにおけるフウカの買い出しの様子と似通っているように感じたのも心ときめくポイントでした。

以上二点・お正月イベント「喰積」より
以上二点・フウカ絆ストーリー第1話より

 立ち位置が似通っているだけ? うん……そうかもしれん……。
 けどやっぱどこか似てないですか……? ほら、見るべきポイントを押さえているところとか……。

 特に明言はされていませんが、ジュリの「食材選び」のイロハはやはりフウカから教わったものではないかな、と私は妄想しています。給食部の日々の仕事としてフウカに付き添ったり、実際に先輩が吟味しているのを隣で見ていたのではないかと。だから仕草が、判断しているときの物言いが似ているように見えたのかもしれません。
 これは今しがたお話した「フウカはすぐ側でジュリを見てきた」にも関わることなのですが。逆もまた然りで、ジュリもすぐ側でフウカを見ていたんですよね。実際、本イベントストーリー中に、ジュリは日々の給食部の仕事に関して以下のように述べています。

「先輩の腕前を見ていると、いつも感心することばかりで、惚れ惚れするというか……」
「私まで嬉しくなってくるんです」

喰積の 前にいささか ~ 一番勝負 ~ より ジュリ

 共に相手のことをよく見ているというのは、なんだか「素敵な似た者通し」なようで、私は好きだなと思います。


いつか私も。だから……

 本イベントにおいて、私が最も推しているシーン。それはやはり、第4話「愚民どもには分からないだろう!」の中で諦めかけている女将さんに言葉をかけるジュリの一幕だと言えるでしょう。
 あくまで個人的な感想ですが、このシーンはこれまでに描かれてきた「牛牧ジュリ」という生徒のある種の総決算ではないかとさえ思えました。

 グルメヘルメット団の背後にある大企業ニャオフードに対する勝機の薄さ、何よりフウカやハルナといった手を貸してくれる人たちへの申し訳なさから、スズメ亭のフランチャイズ化を受け入れようとする女将さん。
 決して心から納得しての行為ではない。受け入れがたい「どうしようもなさ」を前に屈する女将さんに、ジュリは言葉をかけました。
 

「……諦めてはいけません」
『はい……?』※女将さん台詞
「私は料理が下手で、いつも失敗ばかりしています」
「手伝おうとしても余計な被害を生んでしまうし、結果は散々です」
「ちょっと間違えたと思ったら食材が生き返って、暴れて人を襲うこともあります」
「……それ、間違ったって言えるレベルなの? 怪現象でも起きてるんじゃない?」※ジュンコ台詞
「でも、私は諦めていません!」
「フウカ先輩が付き添ってくれて、先生が励ましてくれて、何より私は料理が好きなんです
「まだまだ上手に出来ませんが、それでも料理をするのって楽しいんです!
「自分が作った料理を食べてくれる瞬間を想像するだけで、とっても嬉しい気持ちになるじゃないですか」
「ここで諦めたら……何も残りません」
「いつか私も本当に美味しい料理を作ってみせます!」
「だから女将さんも諦めないでほしいです!」

「私がこんな話をするなんて、出過ぎた真似かもしれませんが……」

喰積 第4話「愚民どもには分からないだろう!」より ジュリ

 感無量。

 まず、ジュリが「料理を諦めていない」「いつか本当に美味しい料理を作ってみせる」と宣言してくれたこと。私はこの言葉自体に強く、本当に強く胸を打たれました。
 「未熟な~」の項目でも触れましたが、あの時はジュリの言葉から伝わる"諦めていない"というニュアンスを噛みしめたのに対して、今回はジュリ本人の口から宣言されたことで、言葉の力強さ・重みが段違いです。それが他の誰かを激励するためのものというのも大きい。
 先生と一緒に実験をしたあの日、「どうしようもなさ」を前にジュリは弱音を吐きました。そんな彼女が励まされ、再び立ち上がり、学び、歩みを止めなかったことで、まさに今、前を向いたままこの言葉を吐き出せること。私はそこに確かなジュリの成長をみました。私は、彼女をとても強くて綺麗な、尊い人物だと思います。

 ジュリが手を「差し伸べられる側」から「差し伸べる側」になったことも印象深いポイントです。挫けていたところを誰かに励まされて立ち上がった人が、今度は別の挫折している人を励ます……というのはとても美しく素敵な循環ではないでしょうか。
 また、ジュリが女将さんに対して差し伸べたその手は、決して「安全な場所」からの救いの一助ではない、とも私は思いました。先生がジュリに差し伸べた手にマイナスを言いつけたいわけではなく、ジュリと女将さんの立場はもっと近しいものであったのではないかと私は考えています。

 「美味しい料理を作る」ことが目的のジュリ。
 「代々続いてきたスズメ亭を手放したくない」ことが目的の女将さん。

 最終的な目的の形に違いはあれど、両者とも共通して「理不尽・どうしようもなさ」が大きな壁として立ちはだかっています。であればこそ、ジュリの言葉は同じ荒波に揉まれながらも戦う仲間に向けられた激励だったのではないでしょうか。
 ジュリは言葉を綴ります。
 「いつか私も美味しい料理を作ってみせる」「だから貴女も諦めないでほしい」
 どうしようもないものに立ち向かうこと。その過酷さ、困難を知っているジュリだからこそ、諦めない自分のことを伝えることで女将さんの励みにしたかったのではないかと私は思いました。一人よりも二人。その心強さを、先生やフウカの存在を通して、きっとジュリは知っているのでしょうから。
 

小結論

 本項目、振り返ってみればかなり長くなってしまいました。
 簡単にですが、本イベントで好きだと感じた部分についてのまとめを行います。

 「食材の目利き」や「簡単な下ごしらえ」など、今の段階でジュリが出来ることが新たに明示されたことで彼女の成長を感じられたこと、および、それらを指示するフウカの言葉の節々から、ジュリに対する信頼を感じられたことが嬉しかった。
 また、ジュリが「いつか美味しい料理を作ってみせる」と明言してくれたことは殊更に嬉しく、なおかつそれが自身と同じような「好きなことをどうしようもなさに阻まれている人」に向けた激励の言葉として用いられていることが、とても尊いと感じた。
 かつて挫けているところに手を差し伸べられた子が、今度は同じように挫折している人に手を差し伸べる姿。それはとても優しい循環で、努力を惜しまず歩み続けた「牛牧ジュリ」の一つの総決算だったと私は思った。


◆感情整理

 まずは、ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
 ここからは、これまでの項目で整理した内容を参照しながら、あらためて自分の中でのジュリに対する気持ちに整理をつけたいと思います。


 まず初めに、これは今回の感情整理を始めて私が一番驚いたことなのですが、私の「ジュリ好き」という感情の半分くらいは、実はジュリだけが好きなわけではないんですよね。
 そもそも私がジュリに興味を抱くキッカケとなった「いつも頑張ってるね」の時点で既にそうなのですが、私はジュリに対するフウカの優しさにも心救われている感じがします。その様子は、「喰積」イベントの項目でも見受けられました。

 私はおそらくジュリ個人だけでなく、「ジュリと彼女を取り巻く人々の環境の温かさ」も好きなのでしょう。
 料理という「好きだけど出来ないこと」に向き合うジュリ。そんな彼女の側にはいつも、見守ってくれる存在がいます。挫けたとき、勇気が出ない時に励ましてくれる先生。失敗の損害を被ろうとも、付き添って料理を先導してくれるフウカ先輩。その人々の甲斐もあって、ジュリは本当に少しずつではありますが、出来ることを増やしています。

 今はまだ出来なくても、それでも見守ってくれる人たちの存在。
 それに応えて、一歩ずつ成長していくジュリ。
 私はその関係に、とても大きなぬくもりを感じます。だから私は彼女の周りの温かい関係が大好きです。


 次に、ジュリ個人について焦点を当てて考えてみます。今回の振り返りで私が特に心惹かれているなと感じたのは、やはり「大好きな料理を諦めない」「努力を積み重ねるのを絶やさない」という部分でしょうか。
 再三取り上げますが、ジュリは超常的な何かの影響で美味しい料理を作ることが困難な現状にあります。フウカ指導の下、その他の無茶な調理方法や過度なアレンジに関しては鳴りを潜めつつあるかと思いますが、その根本の「仮称:神秘」については未だメスが入れられていません。
 その果てが見えない現状で、それでもジュリは歩み続け、少しずつでも自分が出来ることを増やしてきています。その努力の痕跡は、いまさら語るまでもないかと思われます。挫けることはあれど、周囲からの励ましを受けて立ち上がり、進み続けるその力強さはとてもカッコいいと思います。

 すみません、今、今本当にこれを書きながら気が付きました。
 ジュリはとてもカッコいいんです。
 大好きな料理を諦めない姿勢がカッコいい。出来るかどうかも分からない暗闇の中を歩き続ける姿がカッコいい。その過程で少しずつでも成果を残していく姿がカッコいい。
 それはきっと私では真似できないことだから、それが出来るジュリを、私は本当にカッコいいと思います。頑張る彼女の姿を、輝かしく思います。


 不確かな「どうしようもなさ」に阻まれながらも、努力を絶やすことなく歩み続け、少しずつでも結果を残していくカッコいいジュリ。
 そして、そんなジュリを励まし、指導し、見守り続ける。優しくも温かな先生と先輩という環境が、彼女の側に確かに存在する事実に感じる幸福と安心感。

 きっと、だから私は牛牧ジュリが好きなのでしょう。
 ジュリと、その周囲の人々のことが好きなのだと私は結論します。


◆終わりに

 最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。私はここまで長い文章を書いたことはほとんどなく、ちゃんとした形になっているかと不安でいっぱいです。私の気持ちは、少しでも皆さんにご理解いただけたでしょうか?

 さて、一通りジュリに関するエピソードの振り返りは終わりましたが、まだこれがすべてではありません。今回の記事では省略しましたが、公式日本版・グロ版四コマ漫画や、2023年ゴールデンウィーク動画などでジュリが出演しているシーンはまだまだあります。ごゆるりとお楽しみください。


 ……などとタイピングしている今まさに2023年11月30日19時00分、あおはるレコードでジュリがメインの回が投稿されました!!!!! こんなことってありゅ!?!?!?!??!?!?!?


 また、時期的にそろそろ本記事でも紹介した2022年お正月イベント「喰積の 前にいささか ~一番勝負~」が復刻される頃合いだと思います。もしイベントストーリーを読まれる際は、よろしければ一度、事前にジュリの絆ストーリーをご覧いただければと思います。
 物語とは積み重ねです。ジュリに関する物語の記述はまだまだ少ないですが、それでも、私はあのイベントでこれまでに紡がれてきたジュリの一つの括りが描かれたと感じています。この感情を、少しでも皆さんと共有したいと願います。

 では、以上をもちまして本記事を終了します。ジュリが好きな先生方には少しでも頷ける部分があったなら、ジュリをまだよく知らない先生方には少しでも彼女のことを知っていただけたなら幸いです。
 お付き合いいただき、本当にありがとうございました。

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