ホールドアウト法と交差検証法

疑問:交差検証法はテストデータ以外のデータセットをランダムに分割し、分割したうちの1個を検証データ、残りのデータを学習データとして用いる方法であり、ホールドアウト法において問題となる偏りのあるデータセットに対して比較的良い性能評価を行うことができる。 とのことですが、ランダムに分割して学習を繰り返すことは交差検証法において必須ですか? ランダムに分割して学習することを1回しかやらなくても交差検証法といえますか?

解答:交差検証法における「ランダムに分割する」というプロセスは、データに対する偏りを避け、モデルの汎用性をより確かなものにするための手法の一つです。ただし、交差検証法の本質的な部分は、データセットを複数の部分集合に分割し、それぞれの部分集合を検証データとして使用することであり、ランダムに分割すること自体は必ずしも必須ではありません。

特定の状況下では、例えば時系列データの分析のように、データがある特定の順序を持っている場合には、ランダムに分割するとデータの構造が失われてしまい、モデル評価に悪影響を与える可能性があります。そのため、このような場合には時系列に沿った方法でデータを分割します。

また、「1回のみの分割」に関しては、それは厳密には「交差検証法」とは呼びません。もしデータを分割して学習と評価を1回のみ行うのであれば、それは「ホールドアウト法」と呼ばれる評価方法に該当します。交差検証法では、複数回にわたって分割と評価を行うことが特徴であり、各イテレーションで異なるデータが検証用に使われることによって、より信頼性の高い性能評価が可能となります。

要するに、交差検証法は複数の異なる検証データセットを用いてモデルを評価するプロセスを指し、ランダムに分割することは必須ではなく、データの性質に応じて適切な分割方法が選択されるべきです。また、1回の分割と評価は交差検証法ではなくホールドアウト法とされます。

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