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「雲古せんべい」作ってみた

やあ、涼しいというか寒いな。
今日の東京は断続的に強い雨が降って、昼の気温も15度だ。
それでもオレはアルジに向かって朝晩の散歩(いやトレーニングだ)を要求する。

オレのお散歩キットは、ビニール袋と散水ボトル、それから少々のオヤツだ。雨の中、俺はレインコートなど着ずに、アルジの前を背筋を伸ばしてトコトコ歩く。

途中、道々オシッコをするが、アルジは雨の中では必要ないと思ったのか水をかけない。しかし、人の目が気になる場合はペットボトル水鉄砲を少量打つ「振り」をする。この辺、アルジは凡夫だな、本当に。

エヘン、問題は大きい方だ。本日は10月に入って一番健康的で立派なのを木の根元に「産んだ」。

「育児を終えても、またコイツの後始末か・・」とブツクサ言いながら、アルジはこれを要領よく専用ビニール袋で回収して散歩用バッグのポケットに放り込んだ。

家に帰る前、雨が急に強くなった。横断歩道を渡っていたオレとアルジだがオレがぐいぐい引っ張るので、点滅を始めた信号を見て急いで走り出した。

あれ、なんだかカバンが軽い?

アルジはもしやと思って横断歩道を振り返ると、道の真ん中にオレの落とし物が落ちているではないか! そればかりではなく、青になるのを待っている人が10人ぐらいいて、糾弾するような目で道反対側のオレ達をじっと見ている。

信号が変わり、無情にも、その青いビニール袋はその上を通過する何台ものクルマに轢かれ、引き伸ばされ、白い横断歩道の上の茶色い円盤となって広がっていった。・・

アルジは衆目の中、引き返すと親指と人差し指で「O」を作り、かつてはビニール袋であったボロボロの残骸をつまみ、オレと一緒に自宅まで500mを歩いて帰った。

(業務連絡:家を離れているママさんへ)
えー、原因を作ったのはオレなんだが、三連休をオレの「雲古せんべい」の始末で締めくくったアルジをほめてやってくれ。

今晩の夕食は何かな? あ、ちゃんと手を洗ってね。




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