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チューダー ペラゴスFXDの雑感

 ペラゴスFXDチューダーから発表された。

 前にペラゴスLHDが気になっているという記事を上げていることもあり、このペラゴスFXDも気になったので、現物は見ていないが、ウェブで確認できる情報に基づいて雑感を書く。


 元々のぺラゴスはケースとブレスレットにチタンを使い、500メートル防水を備えた本格的なダイバーズウォッチである。2018年にチューダーが日本に正式に参入した際に、東京駅の大丸で初めて試着したのを覚えている。

 元々は汎用ムーブメントが使用されていたが、自社(ケニッシ)製ムーブメントのMT5612に切り替わり、COSC認定70時間パワーリザーブと性能が向上してから、じわじわと人気が出てきているのではないだろうか。

 ケース厚は14.2mmとダイバーズウォッチらしく分厚いのだが、ケースとブレスレットがチタンでできているため、見た目よりも重さは感じないだろう。

 特筆すべきはチタンブレスレットのクラスプ部分で、通常のダイバーズウォッチと同様に、長さ調節機能やダイバーズエクステンションを備えつつ、バネによる自動調節機能を備えている。
 本来はダイビング時にかかる水圧に対応するためのものだが、夕方に腕が浮腫んだ際の装着感向上にも寄与するだろう。(以下の動画を見ると分かりやすい)


 そんなぺラゴスだが、新作のぺラゴスFXDはフランス海軍とのコラボレーションモデルとのことで、デザインも性能も大きな変更がなされている

 以下に特徴を挙げていきたい。


① デイトからノンデイトに変更
 デイトが付いていた従来のペラゴスであるが、ぺラゴスFXDはノンデイトに変更されている

② ベゼルが両回転になり、カウントダウン式に
 ダイバーズウォッチは片側回転で、かつカウントアップ式のベゼルが基本だと思うが、ぺラゴスFXDのベゼルは両回転でカウントダウン式になっている。
 ドイツ特殊部隊に採用されているSinnのEZMにも、両回転でカウントダウン式のモデルがある。軍用によくある仕様なのだろうか。

③ 防水性が500メートルから200メートルに変更
 防水性能が従来の500メートルから200メートルに変更されている。スペックダウンではあるが、本当にダイビングをしない限りは200メートルで十分であろう。

④ ヘリウムエスケープバルブを省略
 200メートル防水ということもあり、飽和潜水用のヘリウムエスケープバルブは省略されている。

⑤ バネ棒が無く、ベルトを通す穴が空いたケース形状
 何と言えばよいか表現が難しいのだが、バネ棒がなく、ベルトを要れる穴が一体成型されたケースになっている。

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(https://www.tudorwatch.com/ja/watches/pelagos/m25707b-0001から引用)

⑥ ファブリックストラップとラバーストラップが付属し、チタンブレスレットは付けられない
 ぺラゴスFXDにはファブリックストラップとラバーバンドの2種類が付属している。上記のケースにどのように装着するかまだ分からないが、ファブリックストラップはマジックテープで留めるようだ。
 ケース形状の関係でブレスレットは装着できないだろう。従来のぺラゴスに付属していたチタンブレスレットが使えないのは残念である。

⑦ ケース厚が薄くなっている
 従来品の厚みは規格されていないものの、実測値で14.2mmであるが、ぺラゴスFXDは12.75mmに抑えられている。防水性を抑えたことにより薄くできたと思われる。

⑧ 価格が521,400円から443,300円に
 これも防水性を抑えたことと、ブレスレットからストラップにしたことによる効果であろう。


 総評としては、本格的なダイバーズウォッチから日常使いのスペックに寄せつつ、結果として価格も抑えられていると言える。

 残念だったのは、ぺラゴスに特徴的なチタンブレスレットが装着できないことだろうか。構造的に使えないので仕方ないのだが、あのチタンブレスレットとクラスプの機能は唯一無二なので、個人的には使えた方が良いと思う。

 また、マスタークロノメーター化を個人的に期待していたのだが、されていなかったので勝手に残念だと思っている。
 確かに、マスタークロノメーター化したブラックベイセラミックはノンデイトなので、デイト付きのぺラゴスにそのまま置き換えはできないのは分かる。
 今後デイト付きのマスタークロノメータームーブメントが開発され、通常ぺラゴスのムーブメントがマスタークロノメーターに置き換わっていくことを期待している。そうしたら買う。

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