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「MVで、ピーマン食ってる小室哲哉は衝撃!」田中伊作さん②

⑧一番好きな曲を教えてください。
(
第1話からの続き)

金谷:
「KISS YOU」はいろんなアレンジがありますけど、どれが好きですか?

田中:みんな良いと思いますけど、やっぱり「humansystem」のアルバムバージョンが良いですね。「DEVOTION」のライブのアレンジもすごくカッコいいですね。「よくやった!」と思います。褒め言葉はあまり言わないんですが。哲哉に関して僕は厳しいので(笑)。

彼は90年代の呪縛から解き放たれないですね。あの90年代の呪縛から解き放たれて、新しいオリジナルで勝負してくれると良いんだけど。周りがそれを許さないのか。小室哲哉っていうと、80年代、90年代(のイメージ)でしょ?TMよりも、TRFとかglobeとかの人も多いし。だからFANKSの人たちは、その辺りでいろいろと思うところがあるんじゃないですかね。

新曲で勝負できるっていうのが「現役の証」だと思うんです。新曲を期待されているかどうかっていうのは一つのバロメータです。新曲を期待されないで、ただ昔のヒット曲だけのライブをやっている人は、はっきり言って落ち目だと思います。全盛期が過ぎて、新しいファンはもう増えないので、昔のファンだけを相手にして商売をしている。

僕らが好きなアーティストって結構そういうのが多いじゃないですか。若い人たちを相手にしないで、40~60代の既存のファンだけを相手にしている。海外の場合でもそうなんです。でも、やっぱり音楽好きとしては、新しい音楽が聴きたいです。

金谷:(その辺は)ビジネスとの兼ね合いを考えると、(バランスが)難しいですよね。(レコード会社さん等から)セールスを要求されると。

田中:洋楽でもそうなんですよ。やっぱり30年40年やっているバンドって新しい曲を作らないんです。今の時代は前みたいにアルバムは売れないし、サブスクでみんな聴いちゃってるから、基本的に音楽を買わない。ベテランアーティストのファンは高齢化している。でもファンはライブには来るから、ライブで儲けるっていうのが主流。日本も同じなのは分かるんです。

ただ、僕はやっぱり音楽が好きなんですよ。とにかく、音楽好き。音楽がないと生きていけない人間。そういう音楽好きは、過去の作品だけじゃ満足できないんです。それは過去に発表されたもので、何十年って聞いてきて、そればっかりだとやっぱり飽きてきます。僕は新しい刺激が欲しいし、新しい音楽を聞きたいんです。洋楽だったら、新しい音楽や新しいアーティストはずっと聞いています。邦楽はほとんどありません。
 
でも、(TMは)今回、ちゃんとSONYに戻ってこられたし、「DEVOTION」のアルバムで再出発したのは良かったんじゃないですか。

金谷:シティーハンターの主題歌(「Whatever Comes」の印象)はどうですか?

田中:ちゃんとオリジナルを作って勝負してるところは良いと思う。やっぱりオリジナルを作らないで本当の勝負をすることはできないと思うし、オリジナルがないと、結局過去のヒット曲、過去の遺産だけでお客を呼ぼうとする。そうすると、どうしても若い人たちは来ないし、本当に限られた小さい小さい何千、何万人かの集まりの中でワチャワチャやってるだけになる。そこにはあんまり興味がないんです。

小室哲哉の場合は他と違っていて、あまりにも90年代に成功してしまって、2000年代に逮捕されて、どん底まで行って、そこからですから。やっぱり普通の人じゃないですよ。また、そこが面白いんですけどね。QUEENのフレディ・マーキュリーより面白い人です。語ろうと思えばいくらでも語れる要素はあります。あの人の人生は映画になりますよ。小室哲哉は、いつもドラマばっかりだから。

彼のどうしようもない部分も全部含めた上で、これだけ面白く話せるアーティストって日本ではいません。だから、音楽を好きな自分は、小室哲哉に対して厳しく見るところもあるし、1ファンというかTMファンとしては、「小室哲哉みたいな面白い人ってあんまりいないよね。」っていうのと、両方ありますね。

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⑨一番初めに行ったライブを教えてください。

田中:
最初に行ったTMのライブは、「QUIT30」の大宮ソニックシティですね。僕、人生で一番最初の邦楽のライブは、アルフィーの東京ドーム(1988年)だったんです。友達に誘われて行きました。
(TMは)チケットの取り方が分からなかったのと、あの頃はとても人気があったから、チケット自体が取れなかったんですよね。だから30周年以前は行ったことがないんです。30周年以降はソロも含めていろいろ行きましたけど。

(2014年の大宮ソニックシティは)1日目かな。思っていたよりも遥かに良かったです。
最初は、Facebookをやっていて、FANKSの人たちに会って、「ライブ、1回ぐらいは見ておいた方がいいかな。」ぐらいの軽い気持ちで行ったんです。どうしても見たいっていうのは、やっぱり洋楽のバンドの方でした。

でも、あの「QUIT30」のホールツアーの衣装とかステージとかセットリストとか、いろんなものが僕の好みだったんですよ、全部。あの時のセットリストは、新しいアルバムの間にヒット曲を入れて、またアルバムの曲をやるというものでした。ステージにも余計な物がなかったし。

僕は基本的に同じコンサートは2回見に行かないんです。1回で終わらせるタイプなんだけど、「もう1回見てみようかな。」と思って、国際フォーラムになぜか行ったんです。それで、国際フォーラムの最終日に行ったら、金谷さんに会い、うちの妻に会ったんです。(結婚前の妻に)初めて会ったのがTMの国際フォーラムです。

曲は「TIME TO COUNT DOWN」がとても良かったですね。特にアレンジが良かったのを、今でも覚えています。「TIME TO COUNT DOWN」はこの間のライブアルバムに入らなかったんですよね。「WILD HEAVEN」は入っていたけど。だから、MP3で自分で作りましたよ。

金谷:(普段1回しかライブを見ない田中さんが)「もう1回国際フォーラムに行こう。」って思ったのは、すごいことですよね。

田中:そうですね。それがきっかけで、僕は今の奥さんに会ったので。それは素晴らしいことですよね。邦楽のライブは、ここ10年間でB'zとTMだけです。洋楽は本当にたくさん見に行きました。

(第3話へ続く)
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