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無職がマーケターを志しかけてやめた話

マーケター志望の方や現職の方にはひょっとしたらどこかで怒られるかもしれないが、この体験談が誰かの参考になることを願って書くとする。

202x年、ブラック企業を病気で離職し、年単位のブランクあり30代無職だったころ、「もう(海外)営業職は嫌だ」という気持ちと、「今から雇われで未経験職種に就くならそろそろラストチャンスか」という漠然とした考えがあった。そこで未経験職種への転職を検討しはじめた。
その一方で、ワークライフバランスなら絶対にライフを優先する人間としては、コロナ禍での(フル)リモートワークが忘れられず、「できるだけ在宅でできる仕事」を探していた。

完全に見通しが甘いのであるが、軽く調べた結果、そのふたつを満たすであろう仕事がwebデザイン関係とマーケティング関係だった(まずこの分け方をする時点で見通しが甘いのだが)
そのうちwebデザイン関係は、かつて趣味のブログでいじっていたHTMLですら挫折しかけたため、手をつけないことにした。
そこでマーケティングである。マーケティングという分野には大学時代からなんとなく良い印象があった。わたしはマーケティングとは無縁の学部で学んでいたが、就職活動のために軽く勉強したときに、「けっこうおもしろいな」という漠然とした感想を抱いたためである。

↑おすすめの本。昨年最新の第3版が出たそう。

この好印象に加えて、SNSが好きだということもあり、「仕事で学ぶことで自分のSNSにも技術を活かせるのではないか」というざっくりとした期待を持つようになった。さらに「技術を磨けば独立もできる仕事」というネットで見られる謳い文句がわたしのテンションを上げた(実際に目指すかは別として)

単純なので、「とりあえず、マーケティング勉強しよ!」となった。

調べてみると、初心者はまずは「Googleデジタルワークショップ」を受けて、それから「Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)」を取るといいらしいことが分かった(→Googleアナリティクスが4になったとのことで、2024年1月現在は「Googleアナリティクス認定資格」になっている)。
マーケティングの本を読みつつ、これらの資格を取った。所要時間は、この2つを完了させるのにぴったり4週間であった。

ということで、「未経験だけど勉強しています」と言える材料を作ったうえで、いろいろな企業の面接を受けはじめた。

そして気づいたのだ「違うな」と。

面接を受けてみて、まず自分のノリとは違っていた。皆良い意味で「キラキラ」していた。皆自分の仕事が好きで、目が輝いているのだ。
各社の選考過程でいろいろな課題を渡された。「ポートフォリオを提出してください」「自己PR用のビデオを撮ってください」などなど。もともとないうえに病み上がりで自己肯定感がどん底だったわたしは、こうした課題を通して、他の職種以上に自分と向き合わされることに毎回相当なダメージを受けていた。
それに途中で気づいてしまった。営業とはやり方が違うが、マーケティングの仕事でもかなりの営業力と泥臭さが求められることを。営業職時代、思い入れがない商材に関する数字の動きにあまり興味を持てなかったが、マーケティングの仕事では、営業職以上に数字を追いかけることになりそうだ。
「マーケティングの仕事をやりたい」ではなく、「マーケティングの仕事をすることで利益を得たい(この「利益」は金銭に限らない)」という邪な気持ちで志望したわたしの完敗だった。当然面接も通らなかった。

でも、それでよかったのだと思う。無理をしてマーケターを目指したら、合わなくて短期離職をしていた可能性が高いから。
結局わたしは、それから数ヶ月後、かつて経験した職種で派遣事務の仕事をはじめた(もう営業はやらないと心に決めた)。結果として、仕事の量・質ともに適正であり、がんばりすぎなくて良いので、続けられている。

以上、無職がマーケターを志しかけてやめた話である。
この無職期間では、仕事に限らず、今後の生き方についてたくさん学ぶことがあった。「完全週休3日制」「セミリタイア」を目指すきっかけになったのもこの無職期間である。無職時代の他のエピソードについては、またどこかの機会で話したいと思う。

おわり

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