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学習プリントをそのままアプリにしては行けない理由

「子どもの学習が続かない」という悩みを解決するためのアプリコンテンツを作っています。一人でも多くの子ども達がその悩みを解決できるように、自社アプリ開発だけでなく、他社様の教育学習アプリコンテンツの制作もしています。

その中で良く話題になるのが、「以前に委託開発した時に、学習プリントのままのアプリが出来上がって効果が出ない」というもの。

そこで、なぜ学習プリントがアプリに向いていないのか?を僕なりに考えてみました。

スマホ/タブレットは紙媒体の上位機種ではない

多くの方が間違えるのは、スマホ/タブレットが紙に置き換わるデバイスだと思っている事。確かに、紙でしか表現できなかった事がスマホ/タブレットでも出来るようになっています。ただ、紙にしか出来ないこともあれば、スマホ/タブレットにしか出来ない事も多くあります。紙 = スマホ/タブレット と考えてはダメで、全く別ものと考えた方が良いです。

紙媒体とスマホ/タブレットではユーザーUI/UXが全く違う

印刷物は長年の蓄積された経験から最適な情報がデザインされています。ページが見開きの場合、画像をどの位置に置くのか?最適なフォントサイズとテキストの構図はなんなのか?ユーザーが手に取った時の行動を考え、読みやすいように内容をどう整理するのか?様々な要因の中で印刷物に情報がデザインされています。
人は長年このような情報に触れているため、そこまでデザインされていない学習プリントでも情報をそれなりに処理できます。

スマホ/タブレットにも特有のUI/UXがあります。多くのアプリが日々、最適なUI/UXを考えてリリースされています。そこに、紙媒体に最適化されたプリントのデザインをそのままスマホ/タブレットに載せてもユーザーは使いづらいと思うに決まっています。効果がある訳がないのです。

PCとスマホ/タブレットもUI/UXが全く違う

もうひとつの間違いは、PCで見るウェブデザインを参考にスマホ/タブレットに落とし込んでしまうこと。

なぜこれが良くないのか?
それはPCとスマホ/タブレットでは表現面積による情報処理能力が大きく違うためです。PC画面は面積が大きいため、様々な情報が一度に表示されていてもそれほど問題はありません。ユーザーは画面上で、求めている情報を探して、クリックして次のページに移動する事ができます。

スマホ/タブレットではそれが意外と出来ません。画面が小さいために、一度に出せる情報が制限されています。リリースされている多くのアプリも一画面に表示している情報を制限しています。この、情報を制限する事によって何が起きるかというと、ユーザーの「選択」時間を減らすことが出来るのです。

思うに、スマホ/タブレットのUI/UXはかなり「誘導」された作りにする必要があります。

スマホ/タブレットはユーザー能力を退化させている

UI/UXが「誘導型」になると、「考える時間」をユーザーに求めないデザインが主流になってきます。ユーザーは「誘導型」に慣れているため、初見で画面を理解できないとアプリを閉じます。

学習プリントをそのままアプリにした時の大きな課題は、誘導型にしていないために継続率が極端に少ないこと。次のアクションにつなげるためのデザインと誘導が組み込まれていないので、1問目から中々進まない事です。

ユーザーが求めているUI/UXでアプリを作ろう

教育アプリを作るとき、紙媒体の学習プリントのデザインから完全に離れる必要があります。内容は良しとしても、どのように見せるかは完全に新規で考えないと全く効果が出ないものになります。紙媒体の教材を単純にスマホ/タブレットのアプリにした事は、ICT化とは呼べません。正しくデザインを組み込むべきなのです。

ファンタムスティックでは「学ぶ」プロセスを省き、ゲーム感覚で繰り返し問題を解いていく事で「継続できる学び」につながるアプリを開発しています。
https://www.fantamstick.com/

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