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第27回: FF資料の旅7

みなさんは『ファイナルファンタジーIV』の登場人物カイン・ハイウインドの父親の名前が2通りある事をご存知でしょうか?

今回紹介する資料は『ファイナルファンタジーIVパーフェクトファンブック』です。

こちらの本は、◯勝スーパーファミコン1991年12月号の付録として存在しました。

内容は、FFIVの情報と5人の作家による漫画が収録されている、とても豪華なものになっています。

さて、先に述べたカインの父親の名前ですが、この本に載っている津雲幻一郎氏による漫画『赤銅色の竜騎士』では、ジル・ハイウインドとなっており、一方ニンテンドーDS版『ファイナルファンタジーIV』では、リチャード・ハイウインドとなっています。

漫画版は、FFIVの設定資料を元に作品化したもので、スクウェアのお墨付きがあります。注意書きも書いてあるくらいなので、公式設定と言っても差し支えないでしょう。

DS版は、もちろん公式の作品です。

どちらも公式のものであるにも関わらず、名前が違っているのはなぜなんでしょうか。

それはNTT出版から発行された『ファイナルファンタジーIV設定資料編』を読むと、なんとなく見えてくるかもしれません。

その本は名前の通り、原作であるスーパーファミコン版『ファイナルファンタジーIV』の設定資料が掲載されています。

実はこの設定資料にはカインの父親については記載があるのですが、明確な名前は載っていません。

しかし、漫画版は設定資料を元に作品化したと明記されています。

この事から考えるに、当時カインの父親の設定は存在したけれど、名前までは決まっていなかった可能性があります。

ただ漫画を描くにあたり名前は必要となるので、作者の津雲氏が考えたのかもしれません。

公式設定であり公式設定ではない名前、それがジル・ハイウインドの真実なのかもしれません。

そしてDS版FFIVですが、津雲氏が考えた可能性がある名前を、開発者が忘れてしまっていたのか、一新する事にしたのかは定かではありませんが、現にジルという名前は採用されませんでした。

採用されたリチャードという名前は、勿論FFIIのリチャードから取ったのでしょう。

今やカインの父親の名前はリチャードというのが公式設定ですが、その陰に隠れてしまったジルという名前も、少なくともこのブログを読んだ方は忘れないでいて欲しいと思います。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!

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