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マンガのようなラフプレー

比喩ジャックマンvol.26 ラフプレー列伝

悪質タックル問題が騒がしいこのごろ。その悪質っぷりを漫画のようだと喩える声をちらほら耳にしたので、スポーツ漫画ラフプレー列伝をまとめてみます。

・MAJOR
・アイシールド21
・スラムダンク
・H2
・ワンナウツ
・ドカベン
・地獄甲子園
・テニスの王子様


MAJOR 海堂高校

たぶん今回の騒ぎで一番多く見かけたマンガは野球マンガの王道『MAJOR』。高校野球の名門海堂高校を野球観の違いからヒョイっと退学した主人公 茂野吾郎。転校した先の高校で海堂高校に挑んだ際に起こった一塁塁上悪質スパイク事件。

※詳細は以下の記事にまとまっています。

コーチが指示を出していてそれが明るみに出て問題になる点は非常に類似している。

マンガとしては、現実路線マンガなのにだんだんインフレして現実感ないことが増えすぎたため、終盤の評価が分かれるところだったが、大谷翔平の登場によりひょっとしたらあり得るかもねとまた評価が見直される可能性のある作品。高校生くらいまでは文句なくおもしろい。


アイシールド21 白秋ダイナソーズ

続いてアメフトつながりで『アイシールド21』から、関東大会決勝で対戦した白秋ダイナソーズの怪力無双 蛾王力也。ありあまるパワーで相手チームのクォーターバックを粉砕する。

ただしこれはルールの範囲内。ボール持ってるクォーターバックに超絶タックルをかました結果のケガである以上文句は言えない。躱せない、守れないほうの実力不足。

「潰すという言葉はアメフトでは普通である」と件のコーチが会見で言ってましたが、このマンガでは、「潰す」どころか「ぶっ殺す」といつも言ってるくらいなのでその点は本当なんでしょう。

マンガとしては最後のアメリカ編はともかく全体通して相当おもしろい。『ストッパー毒島』等にも見られる一芸スペシャリスト集団が力を合わせて勝ち上がる系のマンガです。


スラムダンク 豊玉高校

バスケ漫画の金字塔。作品については今さら説明するまでもないので省略します。

ラン&ガンでガンガン攻めまくる超絶オフェンス偏重チームである豊玉高校。ガラも悪くトラッシュトークがやめられない止まらない。

キャプテン南はヒジをぶん回して相手チームのエースの顔面を狙う。「初めは威嚇やったんです」と回想するもさすがにそんな言い訳は通用しない。バスケでかなり重めの反則であるアンスポーツマンライクファウルをくらいます。

ただし、これは所詮バスケのルールの中で捌ける反則。これより重いディクォリファイイングファール(一発退場)や、さらに悪質なら出場停止になっていないことから、あくまで「ちょっとさすがにやりすぎだよ、気をつけなはれや」って程度です。

ちなみに豊玉高校は監督に全く威厳も信頼もないので、このラフプレーはチームを想う選手の独走です。


H2 栄京学園高校

高校野球界の名監督 城山氏の率いる栄京学園。大エース広田を中心に、故意のデッドボールや一塁塁上スパイク祭り。気に入らない選手は飼い殺し。

悪質タックル事件と構図は非常に酷似している。

ただし、そんなことばかりで全国制覇などできないということは忘れてはいけない。地道な練習に裏打ちされた確かな実力があってこそ。監督への恐怖心だけでそんな練習なんかできっこなく、選手にはスポーツへの深い愛情が絶対ある。だからこそ、そのスポーツ愛を利用した罪はデカい。


ワンナウツ 神戸ブルーマーズ

個人的にはストッパー毒島と並ぶ、2大おもしろ野球マンガのひとつ。知略謀略の限りを尽くし、ペナントレース制覇を目指します。

神戸ブルーマーズはヘッドコーチの指示のもと、サイン盗みや盗聴などのテクノロジーを駆使した反則や、事故に見せかけて相手を負傷させるなどチームぐるみでやりたい放題。そのおかけでホーム戦勝率は驚異の8割を記録。

しかしながらリカオンズ渡久地にことごとく見抜かれ、さらに遥か上をいかれ、敢えなく企みは失敗。いい感じの引き立て役に甘んじることに。

わかりやすい反則技はもちろん、テクノロジーとの付き合い方を考えさせられる作品です。


ドカベン 土佐丸高校

ドカベンからは土佐丸高校がエントリー。wikipedia先生には、

相手野手をめがけての殺人スライディングや相手走者の頭部を狙っての送球、相手投手や主力打者を狙っての故意死球、相手捕手の腹部をバントを見送りしたバットのグリップで殴るなどの危険行為、反則寸前のラフプレーを得意とする。こうしたプレースタイルは、「殺人野球」として相手校から恐れられている。

との記述が。殺人野球(笑)

途中まではいい子ちゃん野球をして審判等の心象を良くしつつ、勝負どころで殺人野球を披露する作戦をとってはいるが、全然うまくカモフラージュできていない三文芝居なので、これは正しく捌けない審判が無能過ぎるといえるでしょう。


地獄甲子園

漫☆画太郎先生の野球マンガ。画太郎ワールドの野球はルールがそもそも違う。

比喩ではなく血で血を洗うバイオレンス野球。人が死にまくります。殺したもん勝ち。

野球十兵衛、朝倉南太郎、山田太郎などネーミングもごくてきとう。当然のことながら一般ウケするわけもなく、すぐに打ち切りが決まったが、のちに映画化されるなど一部コアファンは確実にいて、野球マンガ界のギャグ枠としてはナンバーワン候補。

無理やり何か学ぶ要素を見出そうとするも、ここから学ぶものは本当に何も見当たらなかった(笑)

※絵面が汚いので画像は省略


テニスの王子様

最後はテニプリの略称で親しまれる『テニスの王子様』。当初、本格派テニス漫画の触れ込みで始まったが、徐々に刃牙化。

まず、マンガ的な強さの表現でオーラのようなものを纏っているように見せてるだけかと思っていたら、「何だあのオーラは!?」とか周りからツッコミが入るようになります。一般人にも見えてるあたり、スタンド能力よりも上手です。

その後、 スマッシュをくらった選手が30mくらい吹っ飛んだり、血だらけで背後の壁に磔になったりと、やりたい放題エスカレート。

格闘マンガ、ネタマンガとして確固たる地位を築いていきます。

テニスのルールは逸脱していないが、人間の能力をはるかに逸脱したテニス。

スポーツのルールは一種の契約。人間が作ったルールは人間が変えなければなりません。人間の能力を逸脱したものたちのテニスはルールの方をアップデートする必要がありそうです。


スポーツにはケガが、スポーツマンガには卑怯な敵がつきものですが、卑怯な反則技で才能が潰れていくようなことが二度と起こらないことを願うばかりです。

to be continued...

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