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上等な料理にハチミツをブチまけるがごとき思想/グラップラー刃牙 第272話 範馬勇次郎

何事においても余計な尾ひれをつけたがる人は多い。もう伝えたい話は終わっているのに、「ちなみに…」とやたらに関係ないことをちなんでくる人、「この点質問されたら困るから念のため」と不要な情報を資料に詰め込み、本当に伝えたいことを埋もらせてしまう人など、パッと頭に思い浮かぶ人もいることだろう。

多くの場合はそれが逆効果になってしまっていることが多い。そればかりか、そんな尾ヒラーの自己満足と保険によって奪われるのは、情報を受け取る側の人間の時間なのだから罪深い。

地上最強の生物 範馬勇次郎の次の言葉は、そんな状況を痛烈に批判している。

「尾ヒラー」改め「ハチミツ野郎」と命名しよう。

ガー・レイノルズの『プレゼンテーションZEN』によると、プレゼンテーションにのぞむ上で最も重要なポイントは、「たったひとつしか相手の記憶に残らないとしたら、それは何か」を考えること。

不純物は徹底的に削ぎ落とす必要がある。

自分がそんなハチミツ野郎にならないためには、アウトプットをひたすら繰り返すよりない。字数制限のあるツイッターもいい。短い文字数で伝えようと思ったら余計な情報は含められない。

かの武道家ブルース・リーが追い求めたものも「シンプルさ」でした。不純物を取り除いて、ひたすらシンプルに。増やすな、捨てろ。さらばハチミツ野郎。

終わり


【グラップラー刃牙】1991年に連載開始の言わずと知れた格闘漫画の金字塔。『バキ』、『範馬刃牙』、『刃牙道』と現在まで連なる刃牙シリーズの第一弾。ウソか誠か、「サンチン(三戦)」、「炭酸抜きコーラ」、「紐切り」など多くの読者に影響を及ぼした。強さのインフレ問題に直面しがちな格闘漫画にあって、初期シリーズであるグラップラー刃牙の登場人物たちが現在のシリーズでも十分に活躍するなど、格闘漫画の定説を覆し続ける稀有なマンガと言える。

【範馬勇次郎】曰く悪鬼、曰く地上最強の生物。一国の軍事力に匹敵すると言われる戦力で、アメリカ合衆国と個人で友好条約を結んでいる。全長30mはあろうかという超規格外のアフリカ象も素手で蹂躙。息子刃牙を最強の敵として育てるべく、幼少時代から無茶な鍛錬を強いまくる。神出鬼没で、息子刃牙の情事の最中にさえ顔を出すあたり実はけっこうな親バカである。


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