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なぜグリンピースはピーでそら豆はビーンなのか

June 4, 2019

2年前の今日、台所でふと浮かんだ疑問をFacebookでつぶやいたら、Facebookの友達がコメントを残してくれた。そのとき面白いなと思って、今読んでも面白かったので、ここに書いておこうと思う。

なぜ、グリンピース(green pea)やひよこ豆(chick pea)はピー(pea)で、そら豆(fava bean)や大豆(soy bean)はビーン(bean)なのか。

peaはラテン語系、beanはゲルマン語系でラテン語のfabaと同語源。フランス語のfeve、イタリア語のfava、ドイツ語のBohne......

と、つぶやいてくださったのは翻訳家のKさんで、それならfava bean(アメリカ語でそら豆)なんていうのは、ハイブリッドな感じもして、そら豆の起源にも関わりそう。そら豆は古代エジプト、ギリシャ・ローマ時代から食べられていて、その呼び名が複数になったり混ざりあったりするのは時空を旅したからこそなのだなぁと思う。

丸がpea、腎臓型がbeanと聞いたことがある

という友達もいて、これは定説のよう。キドニービーンズなんて、そもそも腎臓で。でも、丸大豆は?と考えていると、ひよこ豆など一応、丸い形だけれども、ピー(chick pea)だけでなくて ビーン(garbanzo bean)ともいう(garbanzoはスペイン語だった)。そしてレンズ豆は丸いけれどpeaとは言わない(lentilという)。

そこへ、食品関連のメーカーにおられたSさんが、大豆に対してまた違った角度から切り込んでくれた。

大豆は油糧種子で、いわゆる穀物ではないからでしょう。大豆は油を絞る原料で、そのあとが大豆粕で飼料になります。peaは、口に直接入る、beanは加工して間接的に口に入るのでは。コーヒーもbeanですね。 欧米人にとっては、大豆を食べるという習慣がなく、タンパク製品もいろんな人が開発しますがなかなか普及しません。

コーヒービーンもカカオビーンも加工する。言語、形状、用途。名称を辿っていくと、いろいろに分類できて、素朴な疑問がすごく深い話に発展して、面白かったのだった。ここからまた、発展させていけたらいいな。
Facebookの友達の博識ぶりとか趣味とかには、いつも感動を覚える。感謝です。

そら豆、グリンピース、枝豆など、緑の豆がおいしい季節。わたしはひよこ豆やレンズ豆などの乾燥豆をサラダやスープにするのも好きだし、日本国産の豆を甘く煮るのも好きだ。でも一番好きなのは春先から初夏まで、土鍋で炊く豆ごはんかもしれない。先日、辻留さんで教えてもらった豆ごはんは、出汁もお酒も入れない、塩だけのシンプルさだった。今晩は、月夜音という一寸ロマンチックな名前の、はしりの枝豆をいただきます。

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