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音楽理論とプラスで知ってよかった2つのこと

この文章は、はじめて作曲・編曲をする人に向けて書いています。もしかしたら最近、作曲・編曲でうまく行ってない人にも有効かもしれないです。(例えば、1つの曲に色々詰め込みがちな人とか、、、笑)

突然ですが!!

「作曲・編曲するんだから、音楽理論って必要じゃないんですか?」

って話がよくありますよね。結論から言うと、音楽理論は必要です。しかし、作曲する前に高度な音楽理論を突き詰めてもほぼ無意味です。なぜなら、音楽理論の内容ってほとんどが一回曲を作らないと頭に入ってこない知識ばかりだからです。

音楽理論知らないと曲書けないのかな、、っていう考え、ちょっとあるのかなって思うんですよね。けど、本開くと難しいことばっかりなんですよ、音楽理論。自分も目の前にあるCとかEとか#とか五度とかなんとか、、僕自身、音楽は大学に入るまで本格的にやったことなかったんです。やったことある楽器はリコーダーと鍵盤ハーモニカとカスタネットのみ。(必修)すんごく苦戦していました。なんなら、僕はひねくれていた性格でもあったので、そもそも最初からそんな難しい理論なんてやる必要はないんじゃないか?って思うようになりました。なので、音楽理論の話ではない、もっと初心者向けの話ができたらと思います。

この流れでおかしいかもしれないですが、ここから「理論の話」をします。けど、一般的に音楽理論って言われるものを話すつもりはないです。作曲をしたこともない人向け、「音楽を一回でも聴いたことがある人なら頭にスゥーーっと入ってくる理論」の話をしていきます。

今から覚えて欲しい理論はたった2つです。しかも、今からお話する理論、どっちも「いい曲を作りたかったらサボれ」って話なんです、、、楽して名曲を作ろう的な話なんですよ、ふふふ。

ということでまず、1つ目いきます。1つ目は、「曲に必要な要素の8割は、曲の2割分に詰まっている」の法則です。なんぞや?と思った方もいるかもしれません。例えば、前回題材として使わせていただいた「Lemon」を取り上げてみます。

LemonはAメロ・Bメロ・サビ・Cメロで構成されているのがわかると思います。わざわざ説明することもないかもしれないですが、Aメロという構成単位の中では、メロディ・コード・リズムが同じです。つまり、Aメロという部品が曲中になんども使い回されているんです。物によってはこの構成単位が違っても、類似している部分がいくつかあります。例えばコード。サビとかAメロでコードが同じという事もしょっちゅうあります。一曲にある意外と情報量は少ないんです。

このような話を踏まえて、僕の感覚を入れると、曲の構成要素(Aメロ・Bメロ・Cメロ・サビ)を把握しておけば、曲の情報量の8割ほどを押さえることができます。(構成要素の中でエフェクトや歌詞などのマイナーチェンジはありますがそれは一旦置いておきましょう!)

作り手側から考えたらこれはお得な話です。これは「サビ、Aメロ、Bメロが決まれば、もうあなたの曲は8割完成しているんだぞ。」という意味になるからです。ここで1番は〇〇だとか、2番は〇〇とか気にする必要はないです。作曲をするとき、はじめにAメロ・Bメロなどのパズルのピース作りに専念してください。その後にそのピースを好きな数だけとって組み合わせる。そうするともうあなたの曲の8割は完成しているんです。この8割をしっかり決めた後に、エフェクトとかマイナーチェンジを2割足してください。

この理論、目新しいことは何もありません。けど、多くの人の作曲の悩みを解消できる自信はあります。1つの曲に詰め込みすぎな人へ。構成単位を意識して作っていますか?情報過多な曲を作っちゃっていませんか?(僕は結構やっちゃいます。笑)僕はこれを意識した時に自分の曲がものすごくスッキリしたのを思い出します。なのでオススメ。意識だけでもいいんです。ぜひ心がけてください。

そして、1つ目の「曲に必要な要素の8割は、曲の2割分に詰まっている。」って話には名前がついています。「パレートの原理」というものです。実はこれ経済の用語なんです。ビジネスの本でめちゃくちゃ出てくる原理です。ちょっとWikipediaの説明をお借りして説明してみます。

パレートの原理とは...
「経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論。80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれる。」(wikipediaより)

Wikipediaのページにも書いてあるんですが、この原理、どうやらいろんなケースに応用が効くみたいです。今回は、音楽の場面に応用しました。経済では「会社の売り上げの8割は、社員の2割で生み出されたものである。」とかいう具合の使われ方をしています。

実は、パレートの原理(「曲に必要な要素の8割は、曲の2割分に詰まっている。」)って違った見方もできるんです。これまではよくよく考えてみると作り手側で考えたパレートの原理でした。聴き手側ならばどうでしょう。もし「曲に必要な要素の8割は、曲の2割分に詰まっている。」っていう考えの人が、先ほどあなたの作った音楽をどのように聴くと思いますか?答えは簡単です。そう、





「序盤やサビを中心に聴く」です。





ってことは、Aメロ・Bメロ・サビの中でも聴き手を意識して作るなら、序盤やサビは特に頑張らないといけない!ってことになりますよね。

はい、ここまでが理論1つ目。おさらいすると、1つ目は「パレートの原理」というものでした。「曲に必要な要素の8割は、曲の2割分に詰まっている。だからサビ・Aメロ・Bメロ作るの頑張れよ。あとみんなサビばっか聴いてくるから序盤とかサビは特に頑張れよ。」って話でした。結局、教えてもらったことは曲が簡単に作れる魔法ではなくて、当たり前のことをいかにもそれっぽく説明しただけにも聞こえます。言っちゃえば、ここまでは意識の問題です。ここまで読んで「序盤やサビを頑張れよ」しか結論が出てない様にも思います。結局、

「序盤やサビを頑張る」ってどうやるの?

っていう疑問が残っただけです。ですが、お話したい理論は2つあって、まだ、2つ目が残っています。2つ目はそんな疑問も解消してくれるようなお話になっています。

序盤やサビのような曲の大事なところってどう頑張ればいいんだろう?って考えになった時に例えばサビで「激しい音を出す」「ボーカルやコーラス高い音程で歌ってもらう」「叫ぶ」とか思いつく人もいるかと思います。これは「サビを盛り上げたい」人のテクニックです。しかし、これから話したいのは「サビを盛り上げたい」人のテクニックではなく「耳に残る曲を作りたい」人向けの「序盤やサビの頑張り方」です。それは「サビを盛り上げるテクニック」よりも簡単な話です。それは、、、




「なんでもいいから繰り返す事」




です。んんん!!?????なんでもいいから繰り返せ??それは理論なのか?そうです。これが2つ目の理論です。もはや新しい知識でもなんでもないですが、言いたかったことは「繰り返すことが大事」これだけなんです。学習の理論でも反復練習は記憶の定着がどんどんよくなるって結果があるくらいですからね。単純な話なんですが、結構使われていますよ、これ。

これは例をいくつかあげて見たほうがいいと思ったので、僕の独断で選んだ「繰り返しを効果的に使った曲」を見てください。

サビでは「C'mon Baby アメリカ 〇〇」という歌詞とメロディを繰り返してますよね!イントロでお気づきの方もいるかと思いますが、「カカカカ...」っていう奴も繰り返しを効果的に使っていますよね。

洋楽しか例が思い浮かばなかったですが、これもイントロからベースラインがずっと同じなんですよね。繰り返すのは、言葉とメロディだけではないです。ベースラインも同じです。ちなみに Uptown Funk には他にもたくさんの繰り返しがあります。ぜひ探してみてください。最後はこれです。

もはやタイトルですら繰り返す。「前」を、繰り返してますね。 サビの頭でも「ぜん」って音をたくさん繰り返してますね。この「音」を繰り返すってのは大事です。「韻を踏む」っていうテクニックもあるくらいですから。これはいやでも覚えます、、、

この例からもわかるように、名曲では「繰り返し」が多用されています。「繰り返し」って一見するとサボっているように思われるんですが、実は「曲を覚えてもらう」ための必要な戦略なんです。

これでこの文章で伝えたかった「理論の話」は終わりです。結局、当たり前のことを長々と言っただけって思う人もいるかもしれないです。けど、意外とこれが核心を突いていた!なんて体験もあります。また、実際に手を動かす時に意識する・しないでは、かなり結果が変わるんじゃないかなと思います。(なんか意識高い系みたいな終わり方してすみません。笑)

そして、「メロとサビを作ればほとんど出来上がりだ」とか「繰り返せばいいんだ」とか思ったよりも曲つくりって簡単なんじゃないかとわかってもらえたら嬉しいです!!そんなに深く考えずに、なんならサボって曲のフレーズとかなんでも使い回す・繰り返すことを多用して欲しいです。

ぜひ作曲・編曲に挑戦してください!そして、曲を作り終えたら、あなたの避けてきた音楽理論をちょっとずつ勉強してみてくださいね。ということでまとめです。

まとめ
1. 「パレートの原理」
・作り手側「Aメロ・Bメロ・サビを作れば曲の8割が完成する。」→まずは、パズルのピースを作ることに専念する。2割の付け足しは後から。
・聴き手側「曲の重要な8割が2割の中にある。」→序盤やサビを重視して聴く。
2. 「繰り返し」
言葉・メロディ・ベースライン・音などをたくさん繰り返すことが効果的。→「覚えてもらえる曲になる」

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