【AoE2:DE】アップデート95810 バランス調整【和訳と感想】
今回は23年10月31日に配信されるアップデートのパッチノートが公開されたので見ていきます。
この記事はアップデート配信時に加筆修正して、そのまま正式なパッチノートにする形式をとっています。
新文明の内容については、次の記事をご覧ください。
・原文:Preview: Age of Empires II: Definitive Edition – Update 95810
■バランス調整
・全体
精鋭散兵が強化されます。1だけとはいえ散兵は数を揃えて運用するユニットですので、おそらく恩恵を感じる場面も出てくるでしょう。
中盤以降も槍兵への対処を散兵に頼る騎馬文明は多いので、これは騎馬文明、象文明の強化と見ていいのではないでしょうか。
ジェニトゥールも十分強化されて使いやすいユニットになっているので、味方にベルベルがいるのであれば運用を考えても良いでしょう。コンドッティエーレと同じくらいの候補にはなると思います。
バトルエレファントのこの強化により、繁殖を持っている文明であれば速度が0.968になるので、射手散兵(0.96)を追撃できるようになりました。
なぜ0.88という微妙な数値かと言えば、象弓騎兵(0.9)よりは遅くしたかったのだと思います。
聖職者の転向の仕様は、上級者であればあるほど使いこなす印象がありますが、ついに古来から伝わる技が封印されることになりました。
"町の人は攻撃を受けると逃げる行動をとる"仕様を利用して、建物(主に城)を建てている町の人を無差別にクリック乱打すると効率良く簡単に妨害できてしまう小技がありました。
これの質が悪いところは、遠距離ユニットのようにリロードが必要ないので、遠距離ユニットよりも素早く妨害できてしまう点でした。これである程度制限されます。
また大昔から利用されてきた、"建物は長い時間かかるので、建物で転向時間を稼ぎ、守りに来た敵ユニットを即時転向する"小技も同時に制限されました。
この仕様変化により、城寄せを聖職者で簡単に阻止できなくなった、聖職者を攻めで少しだけ使いづらくなったという聖職者の弱体化がおこります。
上級者であればあるほどこの変化に注意しなければいけません。
・ケルト
重石弓も小手も弓懸もないので散兵の強化です。
兵器関連の研究を十分にできていない状態で劣勢になった場合、出せるユニットがなくなってた印象ですが、これで少しだけ散兵がマシになりました。
・日本
長年言われてきた流鏑馬に関連?するボーナスがついにきました。アーマークラス:射手を持っているユニットは次の通りです。
+2はどれくらいでしょうか。
精鋭散兵の素の攻撃が3で、対射手+4対弓騎+2を持っています。弓騎兵は素の攻撃力が6(7)なのでそれ+2となれば、相手にもよりますが、精鋭散兵並みの対射手能力を手に入れます。
もちろん散兵と比べてコストがかさむので、アンチユニットとしてコスト勝ちする役割は期待できません。しかし射手系はもちろん、弓騎兵系、砲撃手系の強力なユニットに対して、弓騎兵の速度で強く出ていけるのはかなり強そうです。
元々耐久力の点から、弓騎兵は射手への対抗ユニットとして使われていた面もあるので、これは中々活躍できそうです。選択肢に乏しい城主や、速攻に次ぐ一手として期待できます。
東アジア地域に属している文明は日本以外弓文明です。元寇を凌いだ日本らしさを上手く出したボーナスなのもポイントが高めです。
・マジャール
これはコルヴィニア軍、マジャールハサーの強化と言ってよいでしょう。
この表記通りであれば、コルヴィニア軍を入れた状態でのコストは変わりません。
マジャールハサーを使う上で、コルヴィニア軍のコストに見合うだけマジャールハサーを生産するかどうかを決断するのが難しく、決断する際の一つのハードルになっていたので、それを解消するための変更でしょう。
マジャールは斥候系が安いのでわざわざUUを使うかどうかは難しいところがあります。通常のハサーより能力が高いので、優位に立っている状況であれば積極的に使っても良いでしょう。
・ペルシア
前の記事でも触れましたが、細かいところまで公開されたのでもう一度見ていきます。
初期資源とTCと港のHP上昇、チームボーナスは従来通りです。
暗黒からTCと港の作業効率が上昇するボーナスがぬるっと返ってきました。初期資源ボーナスと合わせて、暗黒経済がかなりスムーズに組めるようになります。マップによってはこれだけでも選ぶ理由になるかもしれません。
騎乗ユニットは、斥候系、騎士系、弓騎兵系、エレファントが含まれます。
斥候が散兵を倒す状況は良く起こりますが、そう考えれば経済ボーナスになりますし、作った騎士や弓騎兵が敵を倒してキャッシュバックを受けられると考えれば軍事ボーナスになります。
斥候が数十体のユニットを倒すケースはフル領主くらいですが、5体ほどでも25G受け取れると考えれば中々です。逆に、フル領主を選択してもしっかりとボーナスを受け取れるのはありがたい点です。
パルティアン戦術を城主から使えるボーナスがあるので、城主弓騎兵を選択するのも一つ手かもしれません。弓騎兵にも金ボーナスが乗ります。
パルティアン戦術のスペックは、コスト200F 200Gで弓騎兵の防御+1/2、対槍+2です。
弓鎧2より少し割高ですが、効果が高くておまけもついてくると考えれば、城主でも中々強いかもしれません。
キャラバンサライは帝王の長期戦で力を発揮します。
強力な効果を持っているので、交易を安定させる立ち回りを意識し、忘れずに建てましょう。
ペルシアの主力ユニットである近衛騎士が固有ユニットに置き換わりました。ただアーマークラスにユニークは入っていないようです。
アップグレードコストが安いのがまず大きな優位点に見えます。スムーズに近衛騎士を出すには、帝王に上がる前後で騎士を絞るなどの長期的な計画がいるので、それが緩和されるのは使い勝手に影響しそうです。
対射手能力を持っているのがどれくらい活きるのかは分かりません。結局槍対策で散兵を出すとは思うのですが、射手属性を持っているユニットは多いのでそれらのユニットを素早く倒せるのは強そうです。
例えばFUサヴァールは、鎧2までしか入れていない砲撃手であれば、ぴったり2発で倒せます。
エレファントは相変わらず輸送船で物見を楽しむとのことです。
象使いの効果がデフォルトでつくようになり、置き換え削除となりました。
シタデルはなかなか強そうです。チュートンが銃眼胸壁を結構な頻度で利用するところ見ると、こちらもありそうな気がします。
ケルトの牙城は強化が入った後も微妙な扱いを受けているのでどうなるか分からないとも思ったのですが、ダメージボーナスを軽減する効果をメインと捉えれば、銃眼胸壁の"大砲に対応できるのが強い(城の防御力があがる)"ところと重なるので、やはり活躍できそうです。
城塞強化と建築技術がそろってる点や、研究コストが帝王以降あまりがちな木材なところもプラスポイントです。
こうなってくると、散兵が強化されたのも相まって、カマンダランが文明にかみ合っていないようにも見えます。
今までも積極的に使えたかと言われれば微妙なところでしたが、散兵の対槍能力が強化され、弓騎兵ボーナス、交易ボーナス、金ボーナスまで手に入れたペルシアですので、カマンダランを研究している余裕があったら別のところにリソースを使ってアドバンテージを得たいところです。活躍する機会はもっと減るかもしれません。
エレファントの問題点はそこまで経済を育てられないコストにあったのですが、ペルシアが全体的に経済に優しくなり、散兵の能力も上がったのは追い風となりそうです。
また単体で建物を壊せるようになり遠投を随伴させなくても陣地突破ができるようになったのも、地味ながら嬉しいポイントです。
運営はネタにしていますが、もしかしたら現実的な選択肢になっているかもしれません。
・ポーランド
ポーランドの弱体化が続きます。
・ローマ
ローマがどれほど暴れているのかは私は実感がないのですが、確かに"日本の主力ボーナスと同等"はさすがに強すぎたのでその下に位置付けたのではないでしょうか。
・サラセン
DEに入ってからちょくちょく調整されてきた狂信ですが、ついに置き換え削除となりました。
ただこのボーナスによって、らくだ騎兵はHP+25、重装らくだはHP+31、ELマムルークはHP+22となるので、ベルセルクや今回の象使い同様に、実質自動研究扱いとなります。
新UTであるビマリスタンとはイスラム系の病院のことのようです。聖職者が近くのユニットを自動回復させる効果になりました。
"分間75"は通常の半分の値ですが、これが複数ユニットに適用されるのでとんでもない回復量になります。
聖職者は防衛用や箱集めにとりあえず作っても良いユニットで、戦闘中も自動回復が付与されると考えると、自陣の耐久力がかなり上がりそうです。
城が建っているほどゲームが進んだ状態で聖職者を回復用に用意するのはイメージしづらいところがあります。
しかし主力ユニットであるマムルークは高価で長く使いたい上にHPが残りやすいユニットですし、サラセンは聖職者がフルアップできるので帝王以降も対大砲、対破城投石用として使えます。
そうであるならば聖職者の回復能力効果上昇が生きる場面もありそうです。
安価な技術なので箱を集め終わった聖職者がまだ生き残っていれば、城主から研究してもいいかもしれません。
フォーラムを見てみると、狂信よりもビマリスタンの方が歴史的な事実に即している点もポイントが高いようです。
・スラヴ
DEになった時に弱体化を受けていたボーナスが元に戻りました。スラヴの根幹となるボーナスですし、DEになってから様々な強化を受けてるので、これでぐっと評価が上がるかもしれません。
■その他(抜粋)
・グラフィックス
・UI
4K以外の解像度でUIやフォントを滑らかにする効果があるそうです。
フォントMODと併用するとクラッシュする問題があったので、フォントMODを利用している方は気を付けてください。
・移動経路
短距離移動経路の新アルゴリズムは、シングルのみに搭載されていたものが、オンラインでも適用されるようになったとのことです。
ユニットがこちらの指示通りに動いてくれない問題は、上級者をイラつかせていましたが運営も放置はしないようで良かったです。
■まとめ
今回も様々な調整が入ります。ここ1年で全体的に射手系列が弱体化を受けている印象です。
DE発売から数えてももうそろそろ4年も経つゲームで、新シリーズが出ているにもかかわらずこうして継続的にアップデートをしてくれる開発運営はあまりないのではないでしょうか。
これまでも使う意味があまりなかったユニットやテクノロジーにちょっとずつ変更が入り、"試しに使ってみたら案外強い"などの評価を度々受けていました。
今回で言えば(前から上級者の選択肢に入ってはいましたが)城主弓騎兵がちょくちょくみられそうです。
また、歴史方面との整合性と文明バランス両方を取ろうとしてくれているのも嬉しい限りです。KATAPARUTOがどっかに行く日も近いかもしれません。
それでは今回は以上です。ここまでお読みくださりありがとうございました。面白かった、役に立ったという方は"スキ"ボタンのクリックやフォロー、サポートなどよろしくお願いします!
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