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写真レポート|お寺葬勉強会&お寺の事業計画書発表会

未来の住職塾NEXT 講師の遠藤卓也です。未来の住職塾では3月末に二つの集いを開催しました。写真と共にレポートをさせていただきます。

3/27 事例勉強会「お寺葬の可能性と実現方法を知る」@伊豆の国市 正蓮寺

未来の住職塾の修了生とメルマガ読者向けに不定期で開催している「事例勉強会」は、良き事例に学ぶために実地で行なっている勉強会。
今回は、早くから「お寺葬」の可能性に気付き熱心に取り組んできた、伊豆の国市 正蓮寺さんにお邪魔しました。「お寺葬」を自坊でも始めたいと興味を持つ方は多く、南は佐賀、北は宮城、全国各地から集まりました。

まずは正蓮寺の墓苑「はすのさと」の見学ツアーから。住職の渡邉元浄さんは未来の住職塾第一期でお寺の事業計画書をつくり、それまではなかった境内墓地を造成。その後、造園屋さんと協力して拡張したガーデニング樹木葬の区画は非常に人気が出て、わずか数年間で多くのご縁が増えたそうです。

渡邉さんは「このガーデニング樹木葬は、お寺葬をなさった方が契約されることが多いですね」と語ります。お寺葬を通じて仲が深まり、お墓のなかった方が正蓮寺に納骨したいとなったり、村墓地からお寺に改葬することもあるのでしょう。そんな時に「ちょうどいい」お墓の形態として、樹木葬や永代供養墓が選ばれやすい傾向にあるようです。

左・渡邊元浄さん/右・佐藤常義さん

いろんな工夫の詰まった境内を歩いた後は、本堂に集まっての講義です。講義パートでは、正蓮寺のお寺葬パートナーである佐藤常義さんにもご登壇いただきました。佐藤さんは伊豆コフィンサービス株式会社の代表として、少人数の体制で地域のご葬儀を取り仕切っておられます。

佐藤さんは元々は全く違うお仕事をしていましたが、葬儀のお仕事に携わることになり、数年前に「これからはお寺葬ですよ!」という渡邉さんの言葉に感じるところがあり、一人で葬儀社を立ち上げました。

伊豆コフィンサービス株式会社では葬儀会館を持たないため、お寺での葬儀がメインとなっています。本堂を使うことで施設使用料を抑えられ、祭壇もお花も、施主さんの好きなようにカスタマイズができるのがお寺葬の特徴と言えます。それは檀家さんにとても喜ばれます。
そして、お寺とご遺族のコミュニケーション機会が大きく広がる点は、お寺にとって嬉しいこと。次世代の檀家さんとの仲を深める一番良い場といえます。

正蓮寺お寺葬の祭壇例

では、どんなお寺でもお寺葬を始められるか?というと、お寺ごとに色々な課題があるのが現状です。例えば、最も多い悩みとしては佐藤さんのようにフレキシブルにお寺葬に対応してくれる葬儀社さんを見つけることが難しいということ。他にも、寺族の理解を得るにはどうしたらよいか?お寺で葬儀ができるということを認知してもらうにはどんな方法があるか?などなど、それぞれに抱えている問題点を共有し、その解決策について話し合いました。佐藤さんや渡邉さんからは「こうするのが良いのじゃないか」という具体的なヒントもたくさん出てきて、ご参加の皆さんがそれぞれに頷いて聴いておられたことが印象的でした。

最終的には「うちの地域にも佐藤さんと渡邉さんに来てもらって話してほしい!」というご要望も出てきて、皆でお寺葬を伝導していこう!という新たな動きが芽生えた一日でした。


3/29 未来の住職塾NEXT お寺の事業計画書発表会@東京・光明寺

未来の住職塾NEXTでは、受講生それぞれが自坊の「お寺の事業計画書」を作成します。カリキュラムの最終日にはこの計画を発表する会をやっていましたが、コロナ以降はなかなか開催できずにおりました。
今回は久々の発表会ということで、令和5年度(R-5)の受講生たちの中から5名、令和4年度(R-4)の中から1名、計6名の発表希望者が登壇。それぞれにユニークな素晴らしい発表をしてくれました。

会場に集う聴講生、そしてオンラインでも全国各地のOBが参加し、質疑応答やアドバイスを行います。この質問やアドバイスからまた新たな気づきを得て、自坊の計画をよりブラッシュアップすることができるのです。
聴講生たちのアドバイスが非常に具体的で非常に的を射たものであったことを心強く感じました。開講してから13年が経ち、初期の頃に受講された方々はそれぞれに様々に実践してこられたことがよくわかりました。

【発表者ご紹介】

  • 桑海一寛さん(岐阜県・臨済宗妙心寺派・大源寺)

ご感想|住職塾にご縁があってから10年が経ちますが、10年の間にお寺を取り巻く環境は激変しました。激変した環境の中で、どのような立ち位置で布教をしてお寺を経営していくのか、難しい判断が迫られるところです。どのように時流を判断して、どう舵取りをしていくのか、住職の仕事は複雑で難しくなりました。
全国から集まったお坊さんと一緒に学んで、今後の活動方針を定めていくことができました。11年前に住職塾を受講するときは大いに悩みましたが、受講したことが何倍にもなって返ってきて、ご縁のあった皆様に感謝しております。

  • 深澤亮道さん(曹洞宗・東京で活動中のフリーランス僧侶)

ご感想|私はお寺にも住んでいない&住職でもないのも関わらず、昨年当講座を受講し、今年事業計画を発表させていただきました。
発表したことや色々なフィードバックをもらえたおかげで、たくさんの気づきがありました。
今年の目標は、もっと自分のやっていることをシェアしていこうと思います。

  • 泰圓澄一法さん(福井県・真宗出雲路派・長慶寺)

ご感想|会場に足を運んでくださり、発表を聴いてくださった皆さま、この度は貴重な機会をありがとうございました。 教団内では味わえない皆さまの真摯なお姿に私も大きな安心感と学びと刺激をいただきました。
12年前に受けた1期では自身がどう在りたいか問いましたが、50歳を過ぎた今回は自分より、未来の門信徒の在り方を願うことに時間を割きました。
未来の住職塾にご縁いただいた皆さまのご活躍を念じまして感想に代えさせていただきます。ありがとうございました。

  • 松村妙仁さん@オンライン(福島県・真言宗豊山派・壽徳寺)

  • 三島千靖さん(兵庫県・法華宗・妙興寺)

  • 畑辰昇さん(大阪府・曹洞宗・妙見寺)

ご感想|私は昨年の4月より受講し毎月お寺の経営学、他のお寺様の成功事例や失敗事例などを学びながら自分のお寺の事業計画に向き合ってまいりました。お寺の経営方針についてどこから手をつけていけばわからない私にとってとても有意義な一年となりました。
私の他に5人発表された皆様、また私たちの発表を聞いてくださり的確なアドバイスを下さった皆様ありがとうございました。

ご発表してくださった6名の皆さま、発表ありがとうございました!そしてR-5で一年間学ばれた皆さま、それぞれの計画書のブラッシュアップ&実践に期待しております。困ったことがあればいつでもご相談ください。

聴講生の皆さま、鋭いご質問と的確なアドバイスありがとうございました!

最後に

この記事を最後までお読みくださった皆さまもありがとうございます。未来の住職塾NEXTでは、令和6年度「R-6」の受講生を大募集しております。
自坊のこれからのあり方を俯瞰的に具体的に検討し、講師や同志からの客観的アドバイスが受けられるまたとないチャンスとなります。そしてその関係性は、プログラム終了以降も続きます。ご興味を持たれた場合は、是非とも「体験教室」の映像をご覧になってみてください!

未来の住職塾NEXT R-6 募集要項https://mirai-j.net/next

講師・スタッフ一同、受講をお待ちしております!


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