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夫の愛のカタチ

昨晩、ふと夫に尋ねた。

「私のこと、愛してる?」

私はふだん、そんな質問はもちろんしない。
鬱陶しいことこの上ないと感じるから。

でも、ふと、出しぬけの質問をして
反応をみてみたくなったので、
愛しているのかと尋ねてみた。

別に答えが欲しかったわけではない。

少しの間のあと
「ミミズよりは愛してる」 とか
「カメより愛してる」 とか言い出した。


そうか、と思いながらも、
反応を味わえたからいいか、
と納得した。


そして今日、
夫がキッチンに立っている。


夕飯を作ってくれるようだ。

私はパソコンで仕事をしている背中で、
夫の動きを感じていた。


食事を作っている割に、静かだ。


何をしているのかと振り返ると
キッチンの電気の中で
手元で熱心に作業をしている。

表情から、かなり集中していることがわかる。


「何を辛気臭いことしてるの」

と覗き込むと
「もやし」の「ヒゲ」を一本一本、
丁寧にとっていた。


「自分1人なら、こんなことしないわ」


と呟く。


ああ、これが昨日の質問の答えか と思った。


「夫なりの愛」は
いつも行動で示してくれる、そう気づいた。



ユキラボ・ストーリー

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