マガジンのカバー画像

Love. Hate. Love + LGBTs

51
愛やら恋やら情けやら
運営しているクリエイター

記事一覧

たよりがちな日々

たよりがちな日々

ひとの家から出社するのは楽しい。知らない坂道を下って知らない駅に向かう。見慣れない景色、いつもより短い通勤時間。昨晩食べ過ぎたとか飲みすぎたとか、突然相手を呼び出して日付が変わるまでダベって家になだれ込んでしまったという罪悪感をリフレッシュしてくれる。

安心安全無農薬。そんな相手はまれである。最近仕事がつまらない、ひま、話したいことがある、きょうなにしてた、エトセトラエトセトラ。理由はなんでもい

もっとみる
エゴイスト

エゴイスト

2023年5月に発効した同人誌「クィア映画読本 volume.1」より抜粋したレビューです。

 鑑賞済みのひとはぜひ、サムソン高橋のエゴイスト評を読み込んでほしい。これ以上のレビューはないというくらい完成されているし、何より生前の原作者と交流があったからこそ書ける視点と、ドライな批評がたまらない。私はクィアでゲイの友人たちとの交流もあるけれど、やはり同じ枠で生きる人間だからみえる景色は格別で、ど

もっとみる
マイ・ブロークン・マリコ

マイ・ブロークン・マリコ

2023年5月に発効した同人誌「クィア映画読本 volume.1」より抜粋したレビューです。

 こういうことを書くと怒られそうだが、「マイ・ブロークン・マリコ」は色んな俳優で何度もリメイクしてほしい。八〇年代ならW浅野、九〇年代なら内田有紀と菅野美穂、もしくは中谷美紀とカヒミカリィで。二〇〇〇年代以降であれば新垣結衣と蒼井優である。私個人のキャスティングなので反論は受け付けない。釣り人は一貫し

もっとみる
【文学フリマ東京】クィア映画読本つくったよ

【文学フリマ東京】クィア映画読本つくったよ

2023年5月21日東京流通センターで行われる文学フリマ東京に出展します。noteに書きためた映画レビューと書き下ろしをあわせたエッセイ本を頒布します。「これはクィアだ!」と私が独断と偏見で判断した、2010年~2023年までの17作品のレビューを詰め込みました。完全に個人の趣味ですしネタバレ全開の一冊です。イベント後に在庫はBoothで匿名配送予定。

文学フリマ東京 二階ホール F 【お-24

もっとみる
5ファースト・デート

5ファースト・デート

Netflix の5ファースト・デート、めちゃくちゃ好きなので紹介します。

原題は”Dating Around" 

主人公が5人のメンバーとデートし、最後に1人を選ぶというシンプル設計。シーズン1&2がNetflixで見られます。シーズン1はニューヨークのブルックリンが舞台。年齢も性別も職種も様々な独身者がブラインドデートに向かいます。6人の主人公がいて全6話。1話あたり30分くらいの短編なの

もっとみる
マティアス&マキシム

マティアス&マキシム

ヒューマントラスト有楽町で鑑賞。ネタバレ注意です。私はマキシムなのでマティアスには辛辣です。

2019年制作 原題:Matthias et Maxime
監督:グザビエ・ドラン
主演:グザビエ・ドラン ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス
あらすじ : 幼なじみである30歳のマティアスとマキシムは、友人の短編映画で男性同士のキスシーンを演じたことをきっかけに、心の底に眠っていた互いへの気持ちに気づ

もっとみる
プロジェクト・オブ・ライフ

プロジェクト・オブ・ライフ

能町みね子さんの「結婚の奴」先月入手して読んでいます。もう3巡目くらいだけど毎度新たな発見があるので、いい本だな~と。彼女の作品では「お家賃ですけど」がダントツ好きな本で、結婚~はそこに並びそう。もともとサムソン高橋さんの本を集めてたのでひいき目もあるかもしれない。

サムソンさんは「世界一周ホモの旅」「ホモ無職、家を買う」とかサイコーです。ひとは経済的自由を手に入れると輝けるお話。

先日国勢調

もっとみる
マイ・ベター・ハーフ

マイ・ベター・ハーフ

夏から同居がはじまった。

感想としては、リアル「きのう何食べた?」のケンジとシロさんである。私は高給取りな弁護士ではないし、相手も美容師でもない。けれどこれ以上のたとえがみつからない。

ハーゲンダッツはコンビニじゃなくて安売りスーパーで買うべきだし、ヨーカドーのマルシェで夕方にたたき売り新鮮野菜をみるとハンターの気持ちになるし、たまの日曜にはパンケーキつくって紅茶でいただくし、事故物件ではない

もっとみる
放浪するセクシャリティ

放浪するセクシャリティ

ヘテロセクシャル
異性愛。男性の場合は女性が、女性の場合は男性を好き

バイセクシャル
両性愛。男性、女性の両方が好き

レズビアン/ゲイ
同性愛。女性として女性が好き、男性として男性を好き

パンセクシャル
インターセックス(半陰陽)、トランスジェンダー、Xジェンダーなど男女の性別にとらわれず対象がひろい。好きになったひとが「好き」

アロマンティック/アセクシャル
他人に恋愛感情・性的欲求を抱

もっとみる
愛の恐怖指数

愛の恐怖指数

学生の頃からルームシェア、ハウスシェアはたくさんしてきたけれど実際恋人とひとつ屋根の下は未経験。今までの経験上、結婚する?一緒に住む?という話は毎度、先方から切り出されていた。私が提案したことは一度もない。相当の受け身なのか、コミットメントフォービアなのか。正直この手の話にはとてもビビッてます。断る理由がないとなおさら。

いま付き合ってる人には初めて合い鍵を渡している。付き合って1年未満の相手を

もっとみる
デートムービールールズ

デートムービールールズ

全米ベストセラー「ルールズ」のパクリです

理想の男性と結婚するための35の法則、知ってますか。

20代の頃、友人がこぞって愛読していた本です。婚活したい、本気の彼氏がほしいひとのためのハウツー本。結構面白いんですけど、まぁ淑女に徹して男をたてる~的なメッセージが多いので、ちゃんと猫かぶれる人向けです。以下一部の「ルール」をご紹介。

・彼に電話したり、彼からの電話にかけなおさない
・「じゃあ、

もっとみる
レズビアンと遺書とアウティング

レズビアンと遺書とアウティング

最近みつけたラヂオトーク、その名も「壊れかけのLezio」!センス抜群ですね…ずるい。レズのお姉さまが集まって悩みやライフスタイルを語る15分。つらつら聞いているなかで、アウティングに関する回が特に耳に残ったので備忘録を書いておきます。

ひとりのレズビアンが亡くなったとき、家族の方が彼女の友人たちに連絡するまで何か月もかかったという話。また、亡くなった本人はクローゼット(カムアウトしていなかった

もっとみる
his

his

新宿武蔵野館で鑑賞。水曜日の映画サービスデーだったので8割埋まっていた。今泉力哉監督作品。LGBTQテーマで話題にのぼっていたけれどなかなか食指が動かず、そろそろ上映終了では?と気づき重い腰を上げたのが昨日のこと。本作に関しては、こちらに素敵な感想をみつけたのでとくに書くことないのだけど、一応備忘録を残しておく。

あらすじ:主人公の井川迅(宮沢氷魚)は、周囲にゲイだと知られることを恐れて東京から

もっとみる
新宿2丁目のお気に入りのバー、レストラン

新宿2丁目のお気に入りのバー、レストラン

バーミモザ2丁目中通り交差点近く、赤い鳥居のアイイイロカフェの向かいにあります。ミックスバーだけど9割女性客、店主はゆい夏さん。ちゃきちゃきしていて話しやすい、そして聞き上手。2丁目のビアンバーいくつかまわったなかで、個人的にしっくりきたのがここでした。カラオケもなく、カウンター6席ほどのこじんまりしたお店ですが、その分なんでも話せてしまう距離感。ミックスなのでたまーに女装の方や男性が飛び入りする

もっとみる