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ヘレディタリー 継承

渋谷TOHOで鑑賞。めったにこない箱なんですがスクリーン4、奥の階段をひたすら登っていくつくりで、導入前からホラーみのある演出でした。ネタバレ注意!

あらすじ:家長である祖母の死をきっかけに、さまざまな恐怖に見舞われる一家を描いたホラー。祖母エレンが亡くなったグラハム家。過去のある出来事により、母に対して愛憎交じりの感情を持ってた娘のアニーも、夫、2人の子どもたちとともに淡々と葬儀を執り行った。祖母が亡くなった喪失感を乗り越えようとするグラハム家に奇妙な出来事が頻発。最悪な事態に陥った一家は修復不能なまでに崩壊してしまうが、亡くなったエレンの遺品が収められた箱に「私を憎まないで」と書かれたメモが挟まれていた。映画.comより

感想:笑ってはいけないファミリーツリー24時

トニ・コレットが好きなんです。「シックス・センス」以来ずっと追っかけてて出演作品はほぼみている。今回は苦手なホラー枠で、公開初日金曜にみにいったから運よく(?)最前列しか空いておらず、トニコレ様の顔芸をあますことなく堪能できました。ありがとう監督!

アリ監督、こんな可愛い顔してるんだぜ…なのに  **Hereditary is enigmatic, promising, But most fucked-up movie of the year **とか言われてるの笑う


山奥、4人家族、秘密主義の祖母、葬式、山小屋、ミニチュア作家、犬、悪魔。キーワード並べるだけで不穏さが漂ってくる。アイスストームかよ!(こちらも名作。鞭をふるうシガニー・ウィーバーと、いちゃつくイライジャ・ウッドとクリスティーナ・リッチがみれます)


あらすじは案外シンプルで、祖母死ぬ→娘も死ぬ→祖母が悪魔崇拝してたらしい→母が狂う→父が死ぬ→母が生贄になる→息子に悪魔がとりつく→めでたしめでたし 


伏線は多く親切設計。妹が事故にあう電柱や、謎のアマチュア霊媒師さんの家など要所要所にペイモンのマーク(祖母のネックレスと同じ印)がでてくるし、妹のただならぬ雰囲気と祖母の寵愛を受けてた話から「あ、たぶんこいつがラスボスや」と思えます。実際妹チャーリーは手のかからない子どもで、生まれたときから「ペイモン魂」が宿ってたけど、不完全な「女性」の体にはいっちゃったので、若く健康な男性=兄に移動させる作戦を祖母は考えていたみたい。祖母は若いころから息子や夫を犠牲にしてるので、よっぽどペイモンのモンペだったんでしょうね。秘密の集会で金貨を浴びている写真をみるかぎり、祖母、オタサーの姫です。

ほかにも、兄がしぶしぶ妹を連れてったパーティ、リビングで首ちょんぱの映像が流れてたり、女の子がナッツを細切れにしていた包丁のアップ→チョコレートケーキを同じ包丁で切るっていう流れもよかった。妹が好きなチョコレートは悪魔むけスイーツ。もとは媚薬ですからね。


ルシファーに忠実な悪魔、ペイモンのマーク。かっこいい!


前半はひたすらユタ州の美しい自然と緻密に設計された(そうはみせない)家屋のなかで繰り広げられるアットホーム家族をみてられるんですが、妹がナッツアレルギーで窒息しそう~からの首ふっとび事件、怒涛の展開はうまかった。アリにたかられる生首のドアップ、よくPG-12通ったな。

後半、もう笑いがこみあげてダメでした。空中浮遊するトニコレ、ヘドバンするトニコレ、これみよがしに首をピアノ線?で引くトニコレ、悪魔の妻になった祖母リー(源氏名)、首無し五体投地、全裸の悪魔たち。極めつけのヘイル・ペイモーン!おまえら天丼すぎるだろ…

アルソックCMの吉田沙保里を思い出したかたは多いはず


俳優陣も素晴らしく、絵面も全体的に好みのトーンだったのですが、降霊術をやるのだけはちょっとな…こっくりさん、ウィジャボード、お手製のやりかたはありますが、素人が手を出しちゃいけない。絶対。

オカルトの歴史や魔女裁判、アニャ・テイラー=ジョイ主演の映画「ウィッチ VVITCH」が好きな人にはおすすめします。みてよかったですよ。オカルト要素ぬいたら「スリー・ビルボード」とテーマ性似通ってると思う。

しかし、本作はアリ監督の実体験に基づいているらしく、、いったいなにがあったんだろうね…


ウェブ検索で面白かった感想がこちら。

「オカルト的な関心から言えば、日本におけるいわゆる「憑き物筋」(=子々孫々の繁栄のために何らかの代償を支払い「ある存在」と契約を交わした一族)も似たような発想に基づいている」


おまけ①公式サイトに完全解析ページがあるので鑑賞後にぜひ。

おまけ② 安心戦隊アルソック!


以上です!

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