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ザ・バニシング ー消失ー


シネマート新宿で鑑賞。初日夜の回だったためほぼ満員。サスペンス?ホラー?サイコ?あとになってじわじわくるやつです。ネタバレ注意!

あらすじ:ある日突然消えた恋人を捜す執念と亡霊にとり憑かれたかのような男が、次第に精神的に追い詰められていく姿を描いたサイコサスペンス。1988年に製作され、93年には監督のジョルジュ・シュルイツァー自身のメガホンにより、「失踪 妄想は究極の凶器」(ジェフ・ブリッジス、キーファー・サザーランド、サンドラ・ブロック出演)としてハリウッドリメイクもされている。日本では長らく劇場未公開だったが、2019年4月に劇場公開が実現。オランダからフランスへ車で小旅行に出がけたレックスとサスキアだったが、立ち寄ったドライブインで、サスキアがこつ然と姿を消してしまう。レックスは必死に彼女を捜すが手がかりは得られず、3年の月日が流れる。それでもなお捜索を続けていたレックスのもとへ、犯人らしき人物からの手紙が何通も届き始める。映画.comより

感想:P・D・C・A 恋したっていいじゃない Up to dateな 犯罪をWoo Woo


キューブリックが震撼した映画」という煽りにのっかってみました。主人公はオスカー・アイザックとヘンリー・カヴィルを足して二で割ったようなイケメン。その彼女・サスキアはそばかす赤毛がキュートな20代(たぶん)1980年代の作品なので全体的にファッションや車、サインが古い!好き!そしてまさかのヨーロッパ作品。主人公カップルはベルギーからフランスにきた旅行者、っていう設定。(ベルギーの公用語はフランス語かオランダ語)てっきりハリウッドB級映画かと思っていた。


犯人のレイモンさん。くせになる顔です

サイコサスペンス、というくくりなんでしょうが、とにかく話は淡々と進みます。古畑任三郎のように犯人は最初から割れているし、当時は認知が薄かったであろうソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)を出してくるのも面白い。とにかく犯罪行為に及ぼうと愚直にトライ&エラーを繰り返す犯人がほほえましい。

「すいません、迷ってしまって、スーパーはどこですか?」
「ええ、次の角を左ですよ」
「ありがとう、ついでに僕の車に乗っていきませんか?」ソワソワ
「え?」(なにこいつ)
「乗っていきません…よね?」(´・ω・`)

下手くそか!

ほかにも知り合いに声かけちゃったりして「ナンパならよそでやるのね」とか言われちゃったり

一張羅のスーツにお高そうな車でひっかけようとするから不審がられたり

殺人用の別荘を購入したせいで奥さん子どもに「浮気してるのね」と疑われたり

クロロホルムしみこませたハンカチで自分のくしゃみおさえちゃったり、とドジっ子要素満載なんですが、予行演習をひたすらこなすレイモンの頑張りにちょっと涙が出る。Plan 計画⇒Do 実行⇒Check 評価⇒Action 改善をきちんと回す几帳面な犯人像は「ゴーン・ガール」っぽさもあるな。普段は家族思いの自慢のパパを演じつつ、日常に殺意が織り込まれてるって描き方も、うすら寒い。

主人公サイドもなかなかツッコミどころ満載で、3年間サスキアを探している間、どうやってお金をねん出しているのか?3か月だけつきあった超美人な女性は誰なのか?トンネルに恋人置いていくのってどうなのよ(あれはない)

ドライブインで長居するとろくなことがない


このちぐはぐさが後味の悪さに繋がっていきます。最後に消えた彼女・サスキアに会いたいか、彼女と同じ運命をたどりたければこれを飲め、と差し出されたのは紙コップのコーヒー。主人公を逡巡したのち、ぐいっとあおる場面は変な笑いがでた。なぜなら私も飲んでいたから…↓↓↓

シネマート新宿で打っているバニシングコーヒー。くるってるね!アイリッシュウイスキー入りのホットコーヒーです。香りが強すぎてミルクポーション3ついれた(チキン)


普段まったくアンテナに引っかからない映画だったので、誘ってもらってよかった。イヤミスとかつきぬけた爽快なエンディング、大好きです。しばらくレイモンのことしか考えられない。ハリウッド版は、機会があれば見るかな… シネマート新宿、ありがとうございました!!



参考記事


写真は公式サイトよりお借りしました

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