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喧嘩上等なバービーワールド

日本橋TOHOで鑑賞、ネタばれ満載です。

360度いろんな角度でぶん殴ってくる映画でした、サンキュー
個人的にはAquaとMatchbox Twentyが流れた時点で5,000満点いうことなし!

OPキューブリックパロは何度やっても色あせないけど、旧型ドールをぶち壊す少女たちにアガるかどうかでこの映画が楽しめるか決まってくる。潔い足切りですね。
あまりにも、あまりにも米国向けなので(ズーランダー、テッドぽさもある)楽しく悶えてたけれど、男女優位が逆転したバービーランドのケンのInsecure, shallowなところを誰が拾ってあげるんだろうと少し切なくなった。
「いいか、ゴッドファーザーはね…」とマンスプレイニングしちゃうケンも私で、ビルケンシュトックなんてしんでもいや、ヒールをはかせて!と叫ぶバービーも私で、あの世界で生きるのも現実世界で生きるのも、たいして違いはないのだ。

サーシャのような十代に刺さるといいな、といいつつも作り手がグレタ監督がアラフォーなので、その世代に目配せするパロディばかり。
シャイニング、プライベートライン(ビーチネタ)グリース(大量発生ケンダンス)挙句の果てに2001年宇宙の旅など、狭いっちゃ狭い。私のようにザックスナイダーのジャスティスリーグをみていた気分だわ!を嫌味に受け取れないひともいるはず。たぶん。スナイダーカットは神だよ!

クィア的にも加点ポイントは多く、寝た子が起きるレベルでクィアなへんてこバービーとアセクシャルっぽいアレン、家父長制をいきりちらしてQアノンにドハマりし一周回ってゲイに目覚めそうなケン、そしてIndigo Girls!とくればLGBTQ界隈が騒ぐのも無理はない。2000年代には「バービーとペガサスの魔法」なんて映画も作られてるくらいだし、ガチでバービーってクィアアイコンなんですよ。あ、ちなみに途中でイエローブリックロードならぬピンクロードもでてきます。「オズの魔法使い」もクィアアイコン。だって「Over the Rainbow」ですから。
Indigo Girlsはレズビアンふたりのバンドで(カントリーというよりフォークらしい)Lの世界のドライブシーンでも使われていたし、大量生産されたfan-made Tibette 動画でも擦り切れるくらい聞いたおぼえのあるみなさん、手をあげて。グレタ、恐ろしい子。

最後に出てきてすべてをかっさらっていくマテル社のルース・ハンドラー元社長。脱税がなにさ、あたしはおんなのこに夢与えたのよ、くらいのすぶとさでよかったです。創造主=クリエイターの愛がプロタゴニスト(名もなき主人公)を許し、生まれ変わるチャンスをあたえる、マトリックスまんまですね。もうグレタったら、恐ろしい子。

あとですね、Matchbox Twenty の Push は97年?リリースの懐メロですが色あせないので是非聞いてください。私はあほほどこの曲を聴きこんで、大学の同級生と車で片道2時間のコネチカット州をすっ飛ばしてライブにいきました。ロブ・トーマスは心のアイドルです。
"(she said ) I don't know if I've ever been goud enough" から始まる歌詞、恋人にメンタルを振り回されている男性の心境をつづった歌なので、これはケンだな~!!と高速うなづいてしまった。そしてYouTubeの↓コメント欄がAbusolute Kenergyであふれているの笑う

https://youtu.be/HAkHqYlqops?si=EFDg7xpmfpfhkO0c


気になったところ
Patriachy → 字幕では男社会だった?家父長制、のほうがしっくりくるけどオーディエンスの層(親子連れ、ティーン含む)を考えるとミソジニーやフェミニズムにふれてない人も多いから大衆向けにこうしたのかも。これを機にバービーをみた老若男女は男女二元論から脱して自分ってなに?を問い続けるといい。I'm just KEN!!!

細かい元ネタをひろいたいかたはこちら


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