8時間の壁を超えて伝わってくる"情熱"に熱狂した

スペイン語で「El Clásico(エル・クラシコ)」。
100年以上続く、「伝統の一戦」の意味だ。

スペインのサッカーリーグ「リーガ・エスパニョーラ」に所属している「FCバルセロナ(バルサ)」と「レアル・マドリード(レアル)」が激しくぶつかる試合。


スペインサッカーを観る最初のきっかけは、メッシだった。
メッシがいるから、何なくバルサを選んで観るようになった。

次第にバルサの美しく勝つ哲学を感じるサッカーに、私は徐々にチームの虜になっていた。
そして初めて訪れた、エル・クラシコ。

「エル・クラシコ」に凝縮されたスペインの歴史

深夜、一人暮らしの自宅でテレビを通して生中継で観た。
私は「伝統の一戦」の意味を理解せざるを得なかった。


日本とスペインの時差は8時間。
移動時間は、速くても15時間ほど。

この瞬間行われている遠い世界の出来事であったエル・クラシコが、テレビ越しでもその場にいるかのような熱気を感じて鳥肌がたった。


ホームスタジアムのカンプ・ノウに響く、耳をつんざくようなレアルへのブーイング。
歓声でかき消されるバルサの選手紹介。
利き足に正確に届くパス。
意表を突くオフ・ザ・ボールの動き。
ディフェンスのプレーにも拍手がおこる文化。

まだまだ挙げられる。
とにかく全てに熱狂していた。

バルサとレアルの2チームは、対抗意識や歴史的背景から強力なライバル関係にある。
いまなおスペインからの独立運動が盛んなカタルーニャ州のバルサと、スペインの首都マドリードに本拠地を置き、国王公認のチームであるレアルが対立しないわけがなかった。

まるで犯罪者のような扱い「禁断の移籍」

両チーム間の選手の移籍は「禁断の移籍」と呼ばれており、選手にとってはタブー。

なぜなら、バルササポーター(バルセロニスタ)とレアルサポーター(マドリディスタ)どちらか移籍元のサポーターにひどいバッシングを受けるから。

スペイン人のサッカーに対する"情熱"は、日本の文化からすると恐ろしいほど違ってくる。


かつて、バルサで活躍したルイス・フィーゴは、中心選手で絶大な人気を誇りながらレアルに移籍した。

当然、バルセロニスタは大激怒。
経営していた店は破壊され、試合中はボールを持つたびブーイング、コーナーキックを蹴るさいには、侮辱する意味で"豚の頭"が投げ込まれた。

引退した今なお、多くのバルセロニスタはフィーゴを恨んで嫌っている。
(最近も、スタジアムにあるフィーゴのプレートを撤去しようというバルセロニスタの動きがあったほど)

これほど選手を過剰に攻撃すること自体には、私は理解できない。
でもバルセロニスタにとって、フィーゴが愛されていたからこそ、応援するチームに愛があるからこそ、人々はここまで熱狂する。

サッカー観戦の熱狂が日常へ

当時はスペインに行ったことはなかったが、番組で組まれるバルセロナのサッカー文化のドキュメンタリー、実際に観戦した人の話を聞いて、ますますバルサに夢中になった。

それ以降、7年以上ほぼ毎週欠かさず生中継で観てきた。
サッカー観戦は私の日常となったが、いつもテレビ越し。


やがて、その日常をリアルに体験したくなり、バルセロナを拠点に活動することを目指すことになる。

参考:ヒロのプロフィール

バルセロナで体験した"情熱"

スペインのバルセロナに本当に1ヶ月間住んでみた。
バルサきっかけで、自分のしたいことも明確になってきて独立をもしてしまった。

あの時の「エル・クラシコ」。
ビジャ、メッシ、イニエスタ、シャビのコンビネーションを観て熱狂したからだ。

カンプ・ノウに降り立った時の感動は一生忘れないだろう。
泣きそうになった。目標は掲げてみるものだと思った。


バルセロナはサッカー文化が根付いた街だった。
カンプ・ノウは駅近くで、少し郊外だが中心部から30分以内に着けてしまう。
バルにはほぼ必ずテレビがあり、サッカーが流れていて老若男女が噛り付いて観ている。

下部リーグも観に行ったが、小さなスタジアムにはカフェがあり、選手の家族がボカディージョ(サンドイッチ)片手に応援している。

しかもめちゃくちゃ熱が入っている。
本気のブーイングで声を荒げていた。

日本含め、各国の大人から子供までサッカーをするためにやってくる。


完全に日常に溶け込んでいる。
だからこそ、身近にあるから議論を重ね、観戦する目が育って本気で応援するようになるのかもしれない。


やはり自分のいたい場所だと感じた。
ただし今は短期限定。いずれ必ず戻ってくると思えた1ヶ月間だった。

参考:独立して半年のフリーランスがノマド人気世界5位の「スペインのバルセロナ」に1ヶ月間試住した結果

隣のポルトガルに住んで感じた"熱狂"の違い

他国と比べても、スペインのサッカーへの情熱は違うと体感した。
バルセロナのあとはポルトガルのポルトへ滞在。

ポルトが本拠地のFCポルト(ポルト)の試合をホームで2回観たが、情熱の差を感じた。

スペインで行なったサッカー観戦は、
・バルサホーム×2回
・バルサアウェイ(バル観戦)×1回
・エスパニョールホーム×1回
・バレンシアホーム×1回
・下部リーグホーム×1回
だった。(多い)

ポルトは静かめ。ゴール前とゴール時は盛り上がる。
隣同士で喋ったり気さくな感じの人が多かった。

ブーイングも起こるが、娯楽としてサッカー観戦を楽しんでいる印象。


スペインはポルトガルと違った。

相手がラフプレーをしたとき、バックパスでボールを取られたとき、審判が誤審に近いジャッジをしたとき、本気で怒ってブーイングする。

急に誰かに殴られたのかってほどの怒りようだ。
納得いかなかったり負けていたりする試合だったら、平気で後半で帰る人もいる。

でも、良いディフェンスをしたら拍手がおこる。
果敢に仕掛ける選手には、ミスしても声援が生まれる。
たとえ相手チームでも、リスペクトされている選手には交代時にスタンディングオベーションをする。
(そして、下位チームでもボールを止める、蹴るの基礎技術が素晴らしい)

サッカーが文化であり、毎日考えているからこそ本気でそう考えている。
私はそう思ったと同時に、ますますスペインサッカーが大好きになった。


断じて、どちらが優れているかの話ではない。
ただ"熱狂"の違いを感じたのだ。

サッカー観戦する側の目線

サッカー観戦は、受動的なものと捉えれるかもしれない。
自分がプレイせずに、選手の活躍を観て応援をする。

確かに、与えられたものを観て、それが気に入らない結果だと勝手に文句を付ける場合もある。
「禁断の移籍」の件はやりすぎだし、もやもやする行為だ。


でも私にとっては、頭を空っぽにして本気で熱狂できることなのだ。
サッカーを観ていると確かに幸せな気分になるし、楽しい。

言葉が通じなくても、サッカーという共通言語でコミュニケーションも取れるときがある。
同じチームを応援しているというコミュニティに入り、一体感を感じるのは、寂しさを感じている人の手助けになるかもしれない。


私はスポーツをする側はあまりしなくなったけど、サッカーもバスケもテニスもバレーも観るのが好きだ。
スポーツ観戦は、観る人に幸せを与えると思う。


現地に行ってサッカーの良さとスポーツの良さを知ったから、今後は何かしらの形で関わっていきたい。

「写真」が主軸になりそうだが、できることはなんだろうか。
まだ不透明だが、スペインサッカーの情熱に動かされた一人として、今後スポーツ界隈に貢献していくつもりだ。


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紘|ヒロ

オタク的なフェティシズム

好きでたまらないモノが「なぜ好きなのか?」を言語化して、深掘りすれば、他の物事に応用できる。 私の「フェチ」を通して、アイデアや気付きをお届けします。
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