下部組織からトップチームまで柏レイソルに在籍していた滝本選手。ビッグクラブからFC今治に移籍した理由は、J2昇格への熱い思いに突き動かされたからだと言います。「キーパーとして記憶に残る試合を、今治で見せたい」と今の気持ちを語ってくれました。

サッカーをはじめたきっかけは何ですか？

子どもの頃、親が日立の仕事をしていた関係で日立台（日立柏サッカー場）にレイソルの試合を観戦に行きました。その試合でシュートを止めているキーパーの姿を見て「かっこいいな。僕もキーパーをやってみたいな」と思ったのがサッカーをはじめたきっかけです。それで小学校２年生の頃に地元のクラブに入りました。最初はキーパー以外のポジションも経験してみたものの、自分で点を取る感覚よりも、シュートを自分の手で止める感触のほうが手応えを感じました。クロスボールに対して一歩踏み出してキャッチする面白みなども感じて「ああ、キーパーってこんな楽しさもあるんだ」と思い、のめりこんでいきました。

柏レイソルでの滝本選手（滝本選手Instagramより）

当時憧れていた選手は川口能活選手です。川口選手がシュートを止めているシーンを、テレビにかじりついて見ていました。僕の通っていた小学校が茨城だったんですが、茨城の小学校って鹿島アントラーズから試合のチケットを無料で配布されていたんです。それで当時ゴールキーパーだった曽ケ端準選手を間近で見ながら、かっこいいなと思っていました。小学生時代は、よくスタジアムに足を運んでいました。

日本代表戦での川口能活氏（日本サッカー協会（JFA）Instagramより）

これまでの人生で影響を受けた人物はいますか？

中学生の頃にお世話になった、松本拓也さん（現・大宮アルディージャGKコーチ）です。中学生って思春期なので誘惑も多い時期じゃないですか？ その頃に松本さんと出会ったことによって「本来人間とはこうあるべきだよ」「時間の使い方ってこうだよね」というのを教わったんです。彼に出会っていなかったら、サッカー選手になってからも24時間の時間の使い方や健康面など、いろんな面に気を使っていなかったと思うんです。チームが変わっても、今でもこういう考え方ができるのは、あのとき教えてもらった経験があったからだと思っています。

自分自身で大切にしていることはありますか？

プロである以上、体が資本なので、普段から食事やタイミング、トレーニングの質、睡眠には気を使っていますね。ピッチに立てるのは、普段の練習でも多くて2時間半ぐらいが最大なので、ほかの人と差をつけるには残りの22時間をどう使うかが大切だと思っています。。そういう点では、常日頃、自分が成長するためには何をすべきかを考えることを大事にしています。

FC今治に加入した決め手を教えてください

僕はずっと下部組織からトップチームまで柏レイソルに在籍していましたが、シーズン途中にFC今治の強化部の方が柏まで足を運んで声をかけてくださりました。そのときに橋川監督のプランやビジョン、岡田さんの目指すところの話を聞いて、魅力的なクラブだなと感じました。FC今治が本当にJ2に上がりたいんだという熱い思いも聞き、自分もそこに貢献したいという気持ちが芽生えました。移籍の話は親以外誰にも相談しなかったんですが「自分の思いや考えを素直に聞いて動いてみよう」と思ったのが決断に至った経緯です。移籍ははじめてですが、この経験を自分自身の成長に繋げたいと思っています。

今シーズンの抱負や目標を教えてください

絶対にJ2に昇格すること。それだけだと思っています。そして個人としては試合に出場して、チームにひとつでも多く勝ち点3や勝ち点1をもたらすことが自分の仕事だと思っています。

ゴールキーパーとして思うこともあります。2021年に湘南ベルマーレとヴィッセル神戸の試合を見た時に、みんながイニエスタ選手を見に来ている中で、ゴールキーパーの谷選手と飯倉選手がすごく輝いていたんです。あんなに活躍していたら、帰り際にサポーターの皆さんも「イニエスタも良かったけど、キーパーも良かったよね！」みたいな会話が生まれると思うんです。僕もそういう記憶に残る試合を、FC今治で見せられたらなと思っています。

最後にファン・サポーターへメッセージをどうぞ

今、コロナ禍の中でファンイベントは少なくなっていますが、近い将来、みなさんとお会いできることを今から楽しみにしています。今年はJ2に昇格できるように個人もチームも頑張るので、熱いご声援をよろしくお願いします。

文／村上亜耶

以下の動画は、滝本選手がラジオ番組「カナイがイカナイト」に出演した際の放送アーカイブです。ぜひご視聴ください。

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