2018年度東京都立高校入試受検生動向(一般入試)

【概況】2018年春に高校入試を迎えた東京都の中学3年生は,前年に比べて卒業予定者は1100人弱の減少。小池都知事の「私立高校授業料補助」の施策元年ということもあり,都立高校志望者は前年に比べて3000人減(4.5%減)となり,私国立高校志望者は1500人増(9.5%増)と顕著な傾向が見られた。都立高校普通科の一般入試に限定しても,前年比1200名弱の減少(3.3%減)となっており,この減少率をベースにして各高校の出願者を確認すると,以下の傾向が見られた。(詳細は後述)

【進学指導重点校】西の女子が13.5%減で目立つものの,八王子東,国立,立川の西部地区が軒並み前年比大幅増の志願者を集めた影響もあって,7校トータルでは志願者増にまとまっている。私立・国立の影響を受けたとは考えにくく,各高校が保護者・生徒から信頼されている証と捉えるべきか(むしろ,西部地区の各学校では,私立をおさえにしてチャレンジする層が志願者増に貢献したとみえる)。

【進学指導特別重点校】前年に比べて志願者を減らした学校のオンパレード。従来であれば「安全志向で手堅く合格を狙いに来た上位生」が一定の比率で進学重点校に流れた(私立の授業料補助を利用してチャレンジに転じた)可能性と,私立大学文系の急激な難化・大学入試新テスト1期生であることを考慮した層の「ちょっと背伸びして私立附属校への方向転換」の両面が原因として考えられる。これらの学校を受検する層の併願となる私立高校の中で,大学合格実績を顕著に伸長させているところは多くないので「面倒見のよい私立進学校に流れた可能性」は高くないとみられる。

【進学指導推進校】豊多摩と竹早には「いったい何があった?」と思わずにはいられないほどの減少率。学校説明会で下手をうったか,大学合格実績や進学指導,カリキュラムといった点で保護者の評価が低く「面倒見のよい私立進学校を選択した方が大学受験で有利」と判断された可能性が高い。

【2019年度の予測】
首都圏私立大学文系の大幅難化にしたがい,難関国公立を視野に入れている学校以外は,今年同様志願者数の減少(優秀生の減少)に頭を抱える可能性が高い。特に進学指導特別重点校の各高校は,進学指導重点校との生徒の取り合い,私立附属校との取り合い,面倒見で大学合格実績の伸長を図る私立進学校の3種類がライバルとなるため,理念はもちろんのこと大学受験に至るまでのロードマップを整備して「出口」を意識し,大学入試新テストに対する準備過程を明確に示しておかないと志願者減少は止まらないと予想する。
 特に男子で「国語」を苦手とするものは,新テストで予測される「長文化」に不安を抱いている可能性が高いので,それを克服するビジョンを提示できることが最低条件となるだろう。「うちの子を行かせたい」と思う都立高校がなければ,日大附属あたりまでを視野に入れた「私立附属校シフト」に走る御家庭は今年以上に多くなることが予想される。


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秋田 洋和

各種教育情報

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