見出し画像

石井好子(1922.8.4-2010.7.17)『文藝別冊 石井好子 追悼総特集 シャンソンとオムレツとエッセイと』河出書房新社  2011年3月刊 231ページ 平松洋子(1958.2.21- )「それは「待つ日々」の中で書かれた」

石井好子(1922.8.4-2010.7.17)
『文藝別冊 石井好子 追悼総特集
 シャンソンとオムレツとエッセイと』
河出書房新社  2011年3月刊
231ページ
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309977478/
https://www.amazon.co.jp/dp/4309977472

「シャンソン歌手として、
また発売後半世紀を経ていまだ読み継がれる名著
『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』等の
料理エッセイで知られる石井好子の、
古き良きフランスの香りただよう、初めての総特集。
スタイリスト・高橋みどりと
料理家・高山なおみの対談でさぐる石井好子の料理本の魅力ほか、
パトリス・ルコント、朝吹登水子らとの対談、
三島由紀夫、生方ななえ、小島麻由美、平松洋子、水森亜土、
山崎ナオコーラら豪華執筆陣のエッセイ、
そしてヨーロッパ仕込みのエレガンス溢れる
単行本未収録エッセイ等、多数収録。
フジタやジャコメッティ、高峰秀子、向田邦子との
知られざる交遊も。
食いしんぼう、パリ好きは必読の一冊!

【目次より】
◎スペシャル対談
高橋みどり×高山なおみ「いつ読んでも新しい、石井さんの料理本」
◎単行本未収録エッセイ
「パリのキャバレー」
「私のフジタ」
「ジュネ、ジャコメティ、ミフネ」
「この人とおしゃれ 高峰秀子さん」
「香りのエロティシズム 扉」ほか
◎好子さんのとっておき聞き書きレシピ
『石井好子のヨーロッパ家庭料理』より
「フランス/リリアン・ボーダンのチーズスフレとアジャン風鶏料理」
◎好子さんの食べたもの日記
◎再録対談/鼎談
×パトリス・ルコント「聞かせてよ、悲しみの中の美しさを」
 ×安井かずみ×立木義浩「パーティーの話 あ・れ・こ・れ」
×朝吹登水子×島田しづ「私が見たパリの主婦」
 ×徳川夢声「問答有用・石井好子」」

2011年4月24日読了
福岡市総合図書館蔵書

2010年7月17日、
八十七歳で亡くなられたシャンソン歌手、
石井好子さんの特集。

単行本未収録エッセイ・対談・鼎談・
ブックガイド・ディスコグラフィ・略年譜などと、
著名人による追悼文・エッセイ・インタヴューで構成。

『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』と
『東京の空の下オムレツのにおいは流れる』
を読み直したくなりました。
『さようなら私の二十世紀』と
『私は私』
も読んでみたいです。

「奇跡のような一冊。
それが
『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』
である。
 … 
『暮しの手帖』54号で連載をはじめたのが
昭和三十五年、
花森安治のすすめで
『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』
と題して出版したのは三十八年。
その前年に土居通夫と再婚するのだが、
家庭のあった土居をそれまで
待ちつづけることをみずからに課していた。

「以来四年間、一度も会わず、
ただ手紙だけを頼りに待った」
『さようなら私の二十世紀』
東京新聞出版局 2000年1月刊

この強靭な精神力はどうだろう。
自分で自分を支える忍耐の四年のなかで書かれた一冊、それが
『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』だったとは。
ところが描かれるオムレツのにおいは香ばしく、あたたかく、
とろりと優しい。やっぱり奇跡というほかない。
つぎつぎ登場する料理のなんとおいしそうなこと。
何度繰りかえし読んでも、それどころか
すでに自分でつくったり食べたりしているのに、
はじめて出逢う料理のように目を輝かせてしまう。
オムレツ。ポトフ。ニースふうサラダ。グラティネ。
ノルマンディのじゃがいも料理。
湯気や香りや人情がすこやかに混じり合い、
異国の味でありながら緊張や構えをとく。
ただし、あっけないほどわかりやすく手軽な
つくりかたの背後には、ふかい洞察や判断力が
隠されていることを忘れてはならない。
 … 
いますぐ台所に立ちたくなる衝動に拍車をかけるのは、
食いしんぼうへの共感。
食べる楽しみをまっこうから肯定し、全身で愛し、
謳歌する颯爽とした姿勢にこそ、
時代の先陣を切って歩いた石井好子の真髄がある。」
p.48
平松洋子(1958.2.21- )
「それは「待つ日々」の中で書かれた」

読書メーター
石井好子の本棚
登録冊数4冊
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091572

1955年1月生まれな私は、小学生の頃(1960年代後半)、
母(1921.1.4-2013.2.14)の本棚に並んでいる
『暮しの手帖』に連載されていた
「パリの空の下オムレツのにおいは流れる」が好きで、
何度も読んでいました。

https://note.com/fe1955/n/n2799109cfd8e
石井好子(1922.8.4-2010.7.17)
『いつも夢を見ていた
 よく食べよく歌いよく生きた巴里東京ぐらし
 河出文庫』
田中みはる聞き書き
川上弘美解説
河出書房新社 2020年8月刊
208ページ


石井好子(1922.8.4-2010.7.17)
https://ja.wikipedia.org/wiki/石井好子

石井好子
かもめ
Les Goelands
https://www.youtube.com/watch?v=ytS3ECk1ii0

かもめ
Provided to YouTube by King Records
https://www.youtube.com/watch?v=vSn0DZU1XCk

「枯葉」
Les Feuilles Mortes
石井好子
ヴェルレーヌ「枯葉」フランス語朗読
4:01
https://www.youtube.com/watch?v=aMlHbDyiztw

石井好子
夏の思い出 (昭和24年)
江間章子 作詞
中田喜直 作曲 
https://www.youtube.com/watch?v=8BprZ8bvh40

石井好子・美輪明宏コンサート
恋心・枯葉・ドミノ・愛の讃歌他
NHK「ふたりのビッグショー」1995
28:14
https://www.youtube.com/watch?v=9NHmTnlRQ0M


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?