見出し画像

カウンセリングとアドバイスは紙一重

こんにちは!動物病院トリマーの伊佐です。

久しぶりの更新になり、下書き投稿ばかりが積みあがっています(;^_^A

色々と記事にしたいことはたくさんありますが、本日は

”カウンセリングってそもそもなんぞや”

ということについて書いてみようと思います。

というのも、8月にペットロス・ハートケアカウンセラー3級・2級に合格し、少しばかり心理学というものを勉強していました。(3級は簡単だけど2級がちょっとむずかった)

ペットロスについての記述が正直少なかったのですが、基礎心理学については非常に興味深く、今までの自分自身に反省することも多かったです。まだまだカウンセリングについては勉強中の身ではありますが、アウトプットがてら書いてみようと思います。

また、2020年9月24日にカラーズ・エデュケーション様主催で

「ペット・エンディングケアセミナー」で講師としてお話をさせていただきました。

画像2

ペットの高齢化もすすみ、切っても切り離せない「ペットの終末期」のケアやいわゆる終活について。

100名の方々からお申込みがあったとのことで、シニア期のペットへの注目度がうかがえます。

ペットの終末期と耳にすると、とてもネガティブな感情に支配されてしまう方、アレルギー反応のように忌み嫌う方もなかにはいらっしゃいますよね。

セミナーでは

「ペットの終活は、今を楽しく生きるがテーマ」


であるとお伝えしました。

知ってる?ペットロスって亡くなってから始まるものじゃないんだよ。

知ってる?ペットロスになるのは当たり前なんだよ?

ペットロスになっちゃいけない!!早く立ち直らなきゃいけない!!って思い込んでいる方も多いのですが、ペットロスになるのは自然なこと。だって家族として何年も何十年も毎日一緒に過ごすんだもの。

なので終活とかペットロスとかって、どうしても「死ぬための支度」と受け取りがちだったり、

プロとして早く立ち直ってもらうためのサポートをするセミナーなのかなというようなタイトルなのですが、伝えたいのはそこじゃない。

子犬のうちからペットに携わるプロだからこそ、飼い主様とわんこの生活のエンディングに対して、よりポジティブな提案をできるのでは?と考えています。今を充実させるために必要なんですよね。あらゆる準備や心構えが…

だって、我々は飼い主さんに一番身近なプロでありますから。飼い主さんと長年築き上げてきた信頼関係というものがあれば、さまざまなサポートが可能であると思っています。

このセミナーでは心理カウンセリングについてのコンテンツを初めて取り入れて少しお話をしたところ、アンケートにもこのコンテンツのご感想が多く、私自身さらにカウンセリングの重要性を感じました。

画像4

確かにシニア期になるほど、この関係の構築やカウンセリングが重要になってきますものね。

皆さん「傾聴」という言葉、ご存じですよね。おそらく日々の接客のなかで心がけている方がほとんどだと思います。受動的に「聞こえる」とは異なり、字のごとく耳を傾けることです。

もっと言うと、声のトーンや表情、話すスピード、目の動き、表情や姿勢などの言葉以外の小さなサインも逃さずに、「心から話を聴くこと」です。

ふとわが身を振り返ってみると、耳を傾けている”つもり”になっているだけで、実際は私が「聞き出したいこと」を聞き、「言いたいこと」を伝えることに無意識のうちに目的がすり替わっているではないですか!!!という心当たりがたくさんありました。

実はセミナー中も、この傾聴についてを受講者の皆さんにお話ししながら

あぁ、自分自身もまだまだできていないなぁ…なんて懺悔していました。私自身も傾聴を心がけているつもりでも「何か気の利いたことを言おう」「こうしたらいいんじゃない?」といったように、つい自分の意見を相手に言いたくなってしまうことがあります。

傾聴です。心がけるのは傾聴。

もっかい言いますね。受動的に「聞こえる」ことだけでなく、心の声に耳を傾けることです。

相手の話を聴いているうちに、話題を思い付いたらすぐに話したくなってしまうのですよ悲しいサガ…。だから相手の話を聞き終わる前に、ついつい話し始めるもんだから、お互いが喋ってカぶるカぶる。

「飼い主さんにこんなことをわかってほしい。伝えたい!」ということ、ありますよね。プロとしてアドバイスをすることで、わんこと飼い主様をもっとハッピーにしたいから!

例えば毛玉を作ってきてしまうのに、ふわふわに仕上げてほしい!というオーダーとかだったら皆さんはどうでしょうか。

以前の私は「〇〇ちゃんのためにこまめに来てね」「短くしたら負担ないからそのほうが良いよ!」「おうちで洗わないでね!」といったような、あくまで自分自身の正義感を振りかざしたことばかりブン投げていました。質問も「ブラッシングしてますか?」みたいなこっち都合の誘導尋問みたいなやつをしがち。お預かり前の「カウンセリング」という位置づけで。

もしそれで飼い主さんがわかってくれなかった場合、自分の伝え方が悪いのか…といったように「伝え方」「言い方」ばかりにとらわれていました。なので、次にいらした時もあの手この手で伝えるための試行錯誤を重ねるのです。

始めは意気込んであらゆる知恵を振り絞るのですが、だんだんと意気消沈。

「あの、今日も毛玉が多くて…もうちょっと間を開けずに来てくださいね…(ちょっと弱気)」

すると、どうでしょう。飼い主さんは毎回同じような説教じみた正論を聞かされたらそりゃやんなっちゃいますよね。

そして私はというと、言い続けてもこの飼い主さんはわかってくれない!どうせまた毛玉を作ってくる!というレッテルを貼り、言っているうちに疲れてあきらめてしまうのです。ね、傾聴なんかしていないでしょw

飼い主さんとワンちゃんに寄り添いたい気持ちだけで突っ走り、大真面目にアドバイスしまくっているだけではシニア期に飼い主さんとワンちゃんも、そしてトリマーも大混乱する未来が見えてきます。ぴえん。


でも、この”聴く力”ってほんとに難しい。むずい。まじむずい。


学問として学んだうえで、まじむずい。ぱおん。


ただでさえ拗らせ野郎の私にはとても「意識しているだけ」ではできないことなんだ、と勉強をしていくうちに気づきました。

初期設定から傾聴がたやすくできる伊佐のいる世界線はどこぉ…(遠い目)

そんな世界線を探すより、創造せよ!!ということで、日々実践&勉強しております。

まず皆さんがトリミングのお預かり時におこなっている、いわゆる「カウンセリング」の目的はなんでしょうか?

ここから先は

7,843字 / 6画像

¥ 500

もしサポートしてもいいよ!という方はぜひお願いします。 今後の活動に役立てます!