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不可思議な世界観の超ポップなファンキーソウル 「Remi Wolf」 【ANTENA #4】

 はじめてSporityで流れてきた時、「またいいアヴァランチーズ系のアーティストか!?」と、わざわざ携帯をチェックすると表示されていたのは、極彩色のファンキーな女子の姿。
ファンキーでいて、非常にキャッチーかつポップなサウンドのエレクトロニカと女性アーティストがあまり結びつきずらかったのだが、この一聴して気になってしまうようなマジカルなナンバー「Photo ID」をリリースしていたのは、USカリフォルニア出身のレミ・ウルフ。

アヴァランチーズ?と思ってしまうのは、ただのキッズボーカル&生音ダンスの影響かもしれない笑
まずは誰しもが「ん?」となるであろうドミニクフェイクをフィーチャーしたこちらから。

 彼女は高校生の時に「アメリカン・アイドル」に出演。
音楽学校を卒業すると2019年には早くもEP『You’re A Dog』を発表すると、2枚目のEP『I’m Allergic To Dogs』でメジャーデビューを果たす。

なんの前情報もなく楽曲を聴いていると、リミックスが氾濫しているのでいまいち実像が掴みづらいのだが、その原曲を聴いてみると「アメリカン・アイドル」出演という先入観通りヴォーカル重視の楽曲もあれば、
コミカルでファンキーなポップソングもあり、ベッドルームからネオソウル、ディスコなどの多くのジャンルを取り込んで、面妖だがポップであるという不可思議な楽曲を聴かせてくれる。

 アルバム『We Love Dogs!』は主にリミックス集になっているようで、そこらへんからも彼女のただのポップソングは作らないぞというDIYさが見え隠れする。いやだってEPしかリリースしてないのに、最初の作品がリミックスって凄いな。

個人的にはリトルドラゴン、ベック、Polo&Pan、Hot Chip、Panda Bear、Tune-Yardsといった超有名所が参加したリミックス曲の方がエレクトロポップに通ずるグルーヴ感が足されているので、よりアヴァランチーズ感が漂っていて好きだ。

なぜかPVには等身大CGのレミが多数登場


彼女の楽曲はすでにiPhone12などのCM楽曲として使用されており、これまでの使用されてきた楽曲から見ても、そこに起用されただけで如何にキャッチーさがあるナンバーなのか理解していただけると思う。

また最新楽曲である「Liz」なんかを聴いてみると、チルソウルとでも言うようなヴォーカル曲になっていて、しっとり聴かせてしまうこともできるわけである。

これはあくまで第一印象だが、彼女には孤高のアーティストにありがちな壁のようなものがなく、親近感が湧きやすい感じがする。
それは極上のポップソングである上に、コミカルというユニークな一面を足しているからかもしれない。(実際の本人はどんな人かわからないけど)

もし、このアーティストを見逃していたとしたら、
ちょっと勿体ないかもよ。

って言ってしまうぐらい、あれもこれもポップにできている。




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