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2014年 【開成中】国語記述問題 採点基準例

※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

一 問二 12点満点 文末は「から」

【解答例】子どもたちを思ってのことだったとはいえ、大人たちに秘密を話したせいで、オバケ遊びを廃れさせてしまったから。

【採点基準】
1(筆者のしたこと)
大人たちに秘密を話した/大人たちにオバケ遊びについて知らせた …④点

2(1の目的)
子どもたちを思って/これからもオバケ遊びができるように …④点

3(結果)
オバケ遊びを廃れさせた/子どもたちの楽しみを奪った …④点

一 問三 12点満点

【解答例】アは、内容に根拠がないただの言い伝えだが、イは、相手が納得できる理屈の通った説明をしているという違い。

【採点基準】
1(「ア」の言い方について)
内容に根拠がない/非現実的な内容である/怖さをあおるだけのもの …⑥点

2(「イ」の言い方について)
理屈の通った説明である/現実に即している …⑥点

※「ア」「イ」の記号を使わず、どちらの説明をしているのかわからない場合は、全体が無得点。

一 問四 5点満点×2 文末は「こと」

【解答例】
(一つめ)
草刈りをしたところで、蚊がすべていなくなるわけではないこと。
(二つめ)
落ち葉がすべて取り除かれた林が美しいわけではないこと。
※順不同。

【採点基準】
(一つめ)
1 草刈りをしたところで、蚊がすべていなくなるわけではない/草刈りをしても蚊が全滅するわけではない …⑤点
※「すべて/全滅」などの内容がないと、1点減点。

(二つめ)
1 落ち葉がすべて取り除かれた林が美しいわけではない/落ち葉が完全に除かれ、地面がからからに乾いた林は美しくない …⑤点
※「すべて/完全に」などの内容がないと、1点減点。

一 問五 12点満点

【解答例】近視眼的な願望を実現しようとせず、自然に対して謙虚になり、自分たちの行動が自然にどのような影響を及ぼすかをよく考える必要がある。

【採点基準】
1(―⑤「そこ」=「祟りの思想」についての解釈)
自然に対して謙虚になる/自然を人間の思い通りにしようとしない/自然に対して傲慢にならない …④点

2 近視眼的な願望を実現しようとしない/目先のことしか考えずに行動すると思わぬ結果を招くことを肝に銘じる …④点

3 自分たちの行動が自然にどのような影響を及ぼすかをよく考える/後先をよく考えて接する/長期的な視点に立つ …④点

二 問一 12点満点 文末は「ところ」

【解答例】下品なものとして認識されているおならを、ほめられて恐れ入るなどという品のある存在として表現しているところ。

【採点基準】
1(「おなら」について)
下品なものとして認識されている/人々から遠ざけられる存在 …④点

2(「きょうしゅく」という言葉について)
ほめられて恐れ入る/ほめられてはずかしがる …④点

3(1である「おなら」に対してBの意味)
品のある存在として表現している/慎ましくて控えめな存在として描かれている …④点

二 問二 10点満点 文末は「気持ち」

【解答例】ふだん遠ざけられがちなおならでさえ価値のあるものに感じられるほど、孫を愛おしむ気持ち。

【採点基準】
1(気持ち)
孫を愛おしむ/孫がかわいくてたまらない …④点
※孫に対する気持ちになっていない場合は、問二全体が無得点。

2(「しんじゅのぎょうれつ」という表現から読み取れること)
おならでさえ価値のあるものに感じられる/おならも美しく感じられる …④点

3(「おなら」について)
ふだん遠ざけられがちである/下品なものとして認識されている …②点

★採点方法の詳細★

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。

2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。

3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

1(きっかけ)

A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点

B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点

2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点

3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。


大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!

【答案例1】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例2】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例3】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。

【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。

【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。

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