※採点の方法の詳細については、◆採点方法の詳細◆以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは１点減点。

●誤字脱字はその都度１点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは１点のみ減点する。

●句点なしは１点減点。

問二　１５点満点
　文末は「から」　難易度：★★★★☆

【解答例】見知らぬ人からではなく身近な友人に言われると、家族が偽善者扱いされていることが現実のものとして感じられ、胸が痛んだから。

【採点基準】
１（「こたえた」に結びつく気持ち）
胸が痛んだ／つらかった／傷ついた／落ちこんだ　…⑤点

２（１のきっかけ）
（家族が偽善者扱いされていることを）身近な友人に言われた／（父が批判の対象になっていることを）友人にまで知られている　…⑥点

３（「さすがに」のニュアンス）
見知らぬ人からではなく／知らない人が言う分には我慢できたが／匿名の人間に偽善者呼ばわりされたことはあったものの　…④点

問三　１０点満点
　難易度：★★★★☆

【解答例】偽善者呼ばわりを非難するどころか納得しているかのようなヤジさんに反発している。

【採点基準】
１（気持ち）
反発／いら立ち／不満／失望／落胆　…③点

２（「なるほど」の解釈）
ヤジさんが偽善者呼ばわりに納得している／父を非難する声をヤジさんが問題視しない／ヤジさんも父を偽善者だと思っているかのような反応を示す　…④点

３（ヤジさんについての説明）
偽善者呼ばわりを非難してくれると思っていた／信頼していた／好感を抱いていた　…③点

問四　１２点満点
　難易度：★★★★★

【解答例】息子である心也を罵るように見せながら、実は父をわざわざクラスメイトたちの前で馬鹿にしていること。

【採点基準】
１（怒りの対象）
父をクラスメイトたちの前で馬鹿にしていること／父のことを人前でおとしめている行為／父をみんなの前でさらし者にする悪意ある行動　…⑧点
※「クラスメイトたちの前で／人前で／みんなの前で」にあたる内容がない場合、３点減点。

２（「ムスコという三文字がやたらと腹立たしい意味を持つ」の解釈）
息子を罵るように見せながら／心也を罵っているようで／自分ではなく　…④点

問五　１６点満点
　難易度：★★★★☆

【解答例】雨の中はしゃぐ夕花はつらさをまぎらわしているのだと思いやったが、それは自分にこそあてはまると自覚し、つらくなっている。

【採点基準】
１（「なんだ」のニュアンス）
夕花がつらさをまぎらわしているのだと思った／貧乏やいじめに夕花が傷ついているのではないかと思った　…④点

２（心也の気づき）
つらいのは自分だ／自分こそ傷ついている／父が偽善者呼ばわりされて自分は悲しんでいる　…⑧点

３（気持ち）
つらい／悲しい／やるせない／やりきれない　…④点

問六　２０点満点
　文末は「気持ち」　難易度：★★★★★

【解答例】父の愛情や「こども飯」の意義を実感することができてうれしく思いつつも、何だか父に気持ちを振り回されたようで素直になれずに反発している。

【採点基準】
１（「鼻の奥がツンとしてきそう」の解釈）
Ａ（きっかけ）父の愛情を実感して／自分に対する父の思いを感じて　…⑤点
Ｂ（気持ち）　うれしい／喜ぶ　…⑤点

２（「まずかった」の解釈）
素直になれない／反発　…⑤点

３（２の原因としての「ちょっと腹が立つ」理由）
父に気持ちを振り回されたようだ　…⑤点

◆採点方法の詳細◆

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは１点減点。

●誤字脱字はその都度１点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは１点のみ減点する。

●句点なしは１点減点。

１つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、１点減点してください。

２つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度１点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは１回のみの減点で構いません。

３つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、１点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。（１０点満点）



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

１（きっかけ）

Ａ しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた／しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった　…②点

Ｂ　しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた／自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた　…②点

２（しずかちゃんについての説明） 好意を寄せている／好き　…③点

３（気持ち） うれしい／喜ぶ／幸せ　…③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、１点減点。


大きな解答要素は１・２・３の３つで、そのうち１はＡ・Ｂから成るので、実際には１Ａ・１Ｂ・２・３の４つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に　／　で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもＯＫなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう！

【答案例１】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例２】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例３】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例１】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の１Ａ②点＋「うれしかった」の３③点＝５点です。

【答案例２】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので１Ａ無得点＋「最高だった」は気持ちではないので３も無得点＝０点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、０点から減点することはできないので０点のままです。

【答案例３】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の１Ａ②点＋２③点－「しずかちゃん」がないことによる１点減点＝４点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、３の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください！
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。