「デザインの神様の目」への答え

わたしは一応ウェブデザイナーを5年ほどやっています。
ウェブデザイナーの前(HTMLコーダー時代)から数えると8年くらいウェブ業界に浸かっている気がします。

そんなどっぷりウェブ屋なわたしですが、どちらかというと昔からブランディングの世界に興味がありました。
そして折良くとある会社で有名な若手CIデザイナーの方の勉強会が開かれるということで知人を頼って日本酒の一升瓶を手土産に無理やり参加させていただきました。

その時にある人が「一番いいデザインとは『一般の人にとって 同じ大きさに見える』ものなのか、『数学的に補正がとれている』ものなのか、『視覚補正が肥えすぎた人(字詰めの神みたいな人)』の【一番心地い】が正解なのか?」(意訳)という問いをしていました。

これには立場や生きる世界によって各々の答えがあるのだと思います。
そして、この問いを聞いた時に学校を卒業した時のわたしが大先輩のグラフィックデザイナーさんに聞いたことを思い出しました。

「字詰めって、したところでデザイナー以外に伝わりますか?」

この答えを、ウェブデザイナーをやっている間のわたしはハッキリとは出せませんでした。「したほうがいい」とは思っていましたが理由を言語化できていなかったし、正直字詰めに自信もありません。

ウェブは0.01mmの世界ではありません。今時1pxにこだわれと言うと逆にウェブデザイナーとしてはダサいでしょう。(一周回って1ミリ秒にこだわる人は1pxにこだわるかもしれません)
少なくともわたしはウェブでは情報伝達性をかなり重視します。エンジニアリングとウェブデザインは切っても切り離せないものと感じています。

話は戻りますが、冒頭のCI勉強会に折良く参加していたアートディレクターの方に「弟子にしてください」とダメ元で言ったら運良く弟子入りさせてもらえました。(この件で去年の運の悪さは返上できたと思います)

つい先日無事に一緒に働き始めることができ、その日の仕事終わりにお師匠さんに「◯さん(私)のエゴを知りたい」と聞かれました。

わたしの答えは「自分の技術で誰か一人でも幸せにする仕事をしたいと思っている」でしたが、これに対して「この-40の字詰めが誰かを幸せにすると思う?」と聞き返されました。

わたしの答えは「すると思う」です。
完成された世界観は人を幸せにします。きっと多分。

その時していた仕事はブックレットの中の一部分です。
そのクライアントのことを色々調べ、ブックレットのコンセプトを聞いた時に私は「このブックレットを見て泣く人がいるだろうな」と思いました。
その涙の邪魔をしてはいけない、整合性を無くしたレイアウトで違和感を覚えさせてはその人の感動をきっと邪魔してしまう。

視力がまだ結構良いことが数少ない自慢できることの一つなのですが、「目が悪い人は視界がぼかしをかけたような感じ」と聞いて、少し羨ましく感じたことがあります。メガネを外せば誰とも目が合わないのは便利じゃないですか。
でも、きっとメガネを外していても視線とか気配は結局感じてしまうのだろうとも思いました。それと同じように、多分「字詰めに詳しい目」を持っていなくても整合性が崩れたらきっと違和感は伝わってしまうでしょう。

それが「字詰めをしたところで伝わるのか?」「デザインの神様みたいな人の目は正しいのか?」という問いの私なりの答えとなりました。

「0.01mmまでこだわるレベルのグラフィックデザインの世界」を先日初めて垣間見ました。正直目からウロコのことばかりです。InDesignもほとんど触ったことが無いし、イラレの保存が重いのは【PDF互換ファイルを作成】というオプションのせいということをイラレと出会って15年(中学生くらいで祖父から与えられました)、初めて知ったレベルです。

未知の世界はいつでも面白いです。
私が字詰めの神様の目を持てる日が来るかどうかはさっぱりわかりませんが、ウェブの人の価値観、グラフィクデザインの人の価値観、コピーライティングの人の価値観、いろんなところへ出入りしながら自分なりの「デザイン」への答えを探していきたいです。

私のエゴの話ですが、多分私は「面白い」から勉強し続けて、なぜか広島から東京とやらまで出てきてしまいました。正直に言うと自分の人生設計に「東京」も「デザイナー」も含まれていなかったんですが、面白いと思ってしまったのが運の尽きでしょう。
私のエゴは「面白いから知りたい」ということなのかもしれません。でも、これはまだ暫定的な答えです。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

17

fffx000

ひとりごと

少し長めのひとりごと
1つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。