FFJE Article 25. 絵本『マドレーヌ』から見るパリ

 みなさんこんにちは、Kaoruです!私は寒さに弱いもので最近は毎日凍えています。

 突然ですが、子供時代をちょっと思い出してみてください。誰にでも、小さい頃によく読んでいた絵本はありますよね。『はらぺこあおむし』『おさるのジョージ』『ピーターラビット』などの作品は、今も記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。私にとっては『マドレーヌ』のシリーズが思い出の絵本です。今日はこの『マドレーヌ』について書こうと思います。

目次
●マドレーヌの世界
●『マドレーヌといぬ』
●『マドレーヌのクリスマス』
●おわりに

●マドレーヌの世界
 物語は、どれも同じ書き出しから始まります。「パリのつたのからんだ、ある古い屋敷に、12人の女の子が暮らしていました。」(In an old house in Paris that was covered with vines, lived twelve little girls in two straight lines.)

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 その12人の中で一番年下の子が、主人公マドレーヌです。「一番おちびさん」だけど、誰よりも元気でいつも新たな冒険に出ます。このマドレーヌの世界を通して初めて、私はパリに出会いました。美しく、繊細な絵がつくる世界観に引き込まれ、マドレーヌが住むパリという場所がどんな場所かをいつも想像していました。パリが好きになるきっかけになった一冊です。

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●『マドレーヌといぬ』
 こうした絵本を読むと、フランス人の生活やパリに生きる人々の日常が見えてくる気がします。例えば『マドレーヌといぬ』では、1950年代のパリの風景が描かれています。舞台はモンマルトル通り、サンジェルマン・デ・プレ寺院、ペール・ラシェーズ墓地、チュイルリー公園などで、エッフェル塔やシャンゼリゼ通りなどの「いかにもパリ!」という名所だけじゃないところが私は好きです。

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 調べてみると、「マドレーヌ」という名前は作者のルドウィッヒ・ベーメルマンスが妻の名前からとったものだそうです。ホテルで働きながら絵の勉強をしていて,最初の絵本を出版したのは自分の意志ではなく,彼の絵をたまたま見た編集者が絵本の出版を勧めたことがきっかけだったそうです。

 最初の絵本が出版されてから60年以上が経った今でも、「マドレーヌ」は不朽のキャラクターです。アニメ化もされており、私も小さい頃によく見ていた覚えがあります。この記事を書きながら、マドレーヌのぬいぐるみも持っていたことを思い出しました。

●『マドレーヌのクリスマス』
 早いのでもう12月。クリスマスもすぐです。そこで今回は最後に「マドレーヌのクリスマス」という絵本を紹介して終わろうと思います。

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 この作品では、登場する商人が全身カチンコチンに凍っているところをマドレーヌがやかんのお湯で解凍するシーンがあります。小さい頃の私は、「パリの冬ってそんなに寒いの?」と思っていました。この絵本が、ベーメルマンスさんの遺作です。マドレーヌがお馴染みの寄宿舎で迎えるクリスマスを、ぜひ楽しんでみてください。

●おわりに
 自粛期間でおうち時間が増え、今年は絵本の売り上げが以前より伸びているそうです。絵本を手に取ると、子供心がくすぐられますよね。今年の冬はおうちで絵本の世界にどっぷり浸かってみるのも楽しいですよ!