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「数学必修を廃止に」前川喜平氏出会い系バー通いの真意はアダルトチルドレン問題解決か

出会い系バーに通っていたとされる前川氏が、東洋経済誌上で「数学必修を廃止に」と発言していることが明らかになり、ネットが騒然としています。
前川氏は「出会い系バー」と「数学」の二つのキーワードを繋ぐのは自己肯定感の喪失にあるとしています。ネットではこの意味がわからずに批判が続出。言い訳だの何だのと好き勝手に言ってます。
しかし果たして本当にそうでしょうか。僕は前川氏が出会い系バーに通っていたのは真面目な調査であり、アダルトチルドレンを理解するためではないかと考えました。彼の東洋経済誌上での発言から、それを読み取っていきたいと思います。


そもそもなぜ出会い系バーだったのか

数学必修廃止の話をする前に、まず前川氏がなぜ出会い系バーに通っていたのかを理解する必要があります。なぜなら前川氏が数学必修廃止を主張している理由の「自己肯定感の喪失」は、愛情不足の症状であり、女性が出会い系に没頭してしまう要因のひとつだからです。

愛情不足は「毒親」に育てられて愛情を育めなかったことにより、大人になっても生きづらさを抱えてしまうことは前回の記事でざっくり述べました。これが心の闇となり、様々な凶悪事件や社会問題を引き起こしていることが知られています。
秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大も幼少時代は毒親に支配されていたことが知られていますし、先日の滋賀県での19歳の巡査による上司射殺も、普段は真面目だったということが普段から自分を押し殺していたアダルトチルドレンの特徴として現れています。その根源は、他人との信頼関係を築けないことにあります。
貧困が社会問題化しているのも、他人との信頼関係が築けないことで仕事がうまくいかないことが主因です。女性の場合、貧困に陥ると生きるために性産業で働く選択をすることも多くあります。性を仕事にしないまでも、心を満たしたいが為に体を差し出すか、それでお金を得ることも少なくありません。

前川前事務次官が語る“出会い系バー通い”の真相、吉田豪氏「言い分は8割方正しいと思う」

 前川氏は昨年5月25日、「出会い系バー通い」報道が出た後の会見で「ドキュメント番組で女性の貧困について扱った番組を見て、実際に話を聞いてみたいと思った。食事をして、小遣いをあげたりしていた。そこで出会った女性を通して、女性の貧困と子供の貧困が通じていることが分かった」と出会い系バーに行った事実を認めている。

文科省の官僚として、立派な姿勢ではないでしょうか。貧困に直結する境遇を抱える女性から話を聞けるという理由で、敢えて出会い系バーを選んだのです。これは立派な調査活動のひとつであると僕は考えます。
女性の貧困と性産業は切っても切れない関係です。前川氏は性産業の中でも出会い系バーが貧困女性の話を聞くのに最も適していると考えたのでしょう。性行為をするのが目的の風俗と違って、出会う手段として話をするのが出会い系ならば、前川氏の男性としてのスペックがあれば、多数の女性から話を聞くことは容易だったわけです。


前川氏の調査結果とアダルトチルドレン理解度

前川氏はインタビューの中で、出会い系バーの女性が高校を中退していて両親は高学歴であるケースが多かったことを語っています。彼はバーの女性が自己肯定感が低いことに着目したのではないでしょうか。そして話を聞くと先述の通りであると。自己肯定感の低さは高校中退に原因があると結論づけたわけですね。
そしてこの仮説の元に、彼は高校での数学必修が中退の要因になっているとしています。しかし数学が悪ではなく、主張しているのはあくまで「学ぶ動機づけ」に数学必修がボトルネックだということです。

 (中略)現在は数学Ⅰは全員履修しないといけない。数学は義務教育までで十分。論理的思考力を養うために必要というが、それは国語の授業でやったらいい。
 学力の低い高校に行くと、九九ができない子もいるし、分数の足し算・引き算がわかる子も少ないのに、高校の数学は高度すぎる。
 中退を防ぐためにはもう一つ、学ぶ動機づけとなるような機械をたくさん作ることが大事だ。自分の将来をある程度考えながら、今を見られるようにしたい。

つまり前川氏の主張は「学ぶ動機が足りないのが自己肯定感の喪失に繋がる。だからそれを増やすために数学をカットしても問題ないだろう」というところにあります。

さて、前川氏の「自己肯定感の喪失が貧困に繋がる」という着目は正しいと思われます。しかし彼が愛情不足やアダルトチルドレンという概念に辿り着けるかといえば、疑問が残るところです。彼は元・文部科学事務次官ですから、方法論として数学必修廃止を提言しています。
ですが、東洋経済誌上には載らなかった調査結果がもうひとつ、先述のBLOGOSの記事の

「色々な境遇の女性と話をして、根無し草的にフラフラしている子もいるし、子供を抱えているという人もいたし、男で失敗を繰り返している人もいた。経済的に困っている人が多かったのは事実。家庭環境を聞いてみると両親が離婚しているという人が多かったという印象がある」と述べた。

とあるように、悪い家庭環境で育った子が貧困に直結していることを把握している節があります。

しかし家庭環境は政治の力で変えることは非常に困難です。そこで前川氏は、自分にできることとして、教育の構造を変えることで家庭環境の世代間連鎖を食い止めようとしたのではないでしょうか。それが「数学必修廃止」という提案となって現れたのだと思います。
前川氏は彼なりに、専門用語は知らなくてもアダルトチルドレンを概念的に理解できるマインドセットがあるのではないかと思われます。官僚が「愛情不足」の様々な問題に気づいたとき、子供の心に寄り添った教育ができる兆しが出てくるのではないでしょうか。


社会のアダルトチルドレン理解が社会問題解決のカギ

貧困の根本的な原因は心の問題であり、家庭環境にあることを前川氏は政治家の立場で示してくれました。しかし世間は「出会い系」という言葉に過剰反応したネット住民は批判の集中砲火を浴びせ、国会でも前川氏を人格攻撃しました。この社会の無理解は何たることでしょうか。
日本人の60%以上はアダルトチルドレンであると言われています。しかるに、愛情不足による貧困を真面目に調査し、政治家の立場でアダルトチルドレンを理解できる前川氏という貴重な人材は、愛情不足の国民によって闇に葬られようとしています。国民は自分で自分の首を絞めているのです。これでどうして国が良くなるというのでしょうか。

前川氏は官僚としてそのような場所に行くことは批判を浴びることは必至であると理解していたはずです。しかし敢えてそこを選んで真面目に調査をした。そのような場所でなければ調査はできなかったのです。前川氏の勇気ある行動を、我々国民はもっとたたえるべきではないでしょうか。
そして【愛情不足】【アダルトチルドレン】の問題が世に広く知れ渡ることになったとき、社会は間違いなく動くはずです。前川氏はそういうきっかけを、結果的に作り出したのです。

この功績がいつか日の目を見られるよう、僕は愛情不足の家庭で育った一人として、婚活ビジネスの確立を目指し頑張っていきたいと思います。

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