ロードバイクに無理のないワイヤールーティングを無理に考える
ロードバイクを組んだり整備したりする時にぶち当たる壁はいろいろありますが、そのうちのひとつがワイヤールーティング。
今回はこのワイヤールーティングのヒントをお伝えしようと思います。
ワイヤー内蔵フレームがワイヤールーティングを難しくしている
ロードバイクの世界では、以前は中級クラス以上のフレームがワイヤー内蔵式だったのですが、今やエントリークラスのアルミフレームにもワイヤー内蔵の波が来ています。
ワイヤー内蔵式フレームには、フレームの外側でワイヤーを張るタイプのフレームと決定的に違う点があります。それはワイヤーアジャスターの位置です。
フレームの外側でワイヤーを張るタイプのフレームには「アウター受け」があり、アウターケーブルの終端にアジャスターがあります。対して、ワイヤー内蔵フレームにはアウター受けもそれに隣接するアジャスターもないので、ワイヤーアジャスターをワイヤールーティングの途中に設置することになります。
ちなみに、ワイヤーアジャスターはシマノのこれ。
つまり、運転中の方向転換の際にハンドルからフレームへ繋がるケーブルが自由に曲がるはずが、ケーブルの途中に曲がらない部分が存在することになります。すると、アジャスターとアウターケーブルの継ぎ目に無理な力が生じ、アウターケーブルが裂けたりしてしまうわけです。
フロントディレイラー側のアウター受け付近に無理な力が集中して裂けてしまってます。
もちろん、ワイヤー内蔵フレームでワイヤーアジャスターを使わないのならこの限りではありませんが。
ワイヤーに無理な力が生じるのは輪行時
輪行袋にもよりますが、輪行中はハンドルを90度近く曲げたりするので、ワイヤーに無理な力がかかります。ワイヤー全体が曲がるので、曲がらない部分(ワイヤーアジャスター)が邪魔になるのです。
僕は埼玉から輪行してUberEATSを都内でやるので、輪行の機会が特に多いです。その度にハンドルを曲げるのですから、ワイヤーにかかる不可は尋常ではないと思われます。
そこで、ワイヤーに負荷をかけない工夫が必要になるのです。
ワイヤーが最初から曲がってればいいんじゃね?
僕が辿り着いた答えは、最初から曲がっている部分を組み込むことでした。特にワイヤーアジャスター付近は無理な力が生じやすいので、そこに部分的に組み込めば、ワイヤーの負荷を減らせると考えたのです。
しかしそんな都合のいいものがあるんかいな。
あるんです。意外なところに。
Vブレーキのガイドパイプ。
最初から曲がってればなんでもいいのです(暴論)
ブレーキインナーケーブルのほうがシフトインナーケーブルより太いのですから、当然シフトケーブルにも使えるはずです。
しかもパイプの外径がシフトアウターの外径とほぼ同じで、ワイヤーアジャスターに合致します。
パイプの反対側には根性でバルブのキャップを穴開けてねじ込みました(笑)
やってみた結果
このメカメカしさ、どこか高度な技術が使われているような想起を誘います。
ちなみにブレーキアウターのほうはイオンバイクで売ってる可動式のリードパイプ使ってます。
実際にハンドル曲げてみても、だいぶ余裕があるようです。アジャスター付近にも無理な力はかかってない。
単にワイヤーの長さが十分あるというだけかもしれませんが、輪行頻度を考えると意味は確実にあると思います。
輪行するにあたって、ワイヤーの取り回しは死活問題にもなりえます。本来の用途でないパーツの使い方でも、長持ちする工夫ができるなら良いのではないでしょうか?というところです。
それからどうなった(2021/6/11追記)
上の写真のワイヤールーティングは数ヶ月でダメになりましたが、原因はやはりブレーキアジャスター。途中で曲がらないものを挟んでいるのがやはり悪かったらしく、ワイヤールーティングを根本から変えることにしました。
その結果がこれ。
CAAD10はワイヤーの取り回しが非常に厄介なことで有名らしく、いろんなブログで問題視されているようです。またメリダのリアクトあたりがワイヤーの整備性が悪いと聞きます。メーカーの想定する組み方で安全に乗れるとは限らないということですね。
最終的にこのワイヤールーティングで挙動が劇的に改善しました。ハンドルを90度以上曲げてもアウターに無理がかからないので輪行ドンと来いです。もちろんインナーの解れもありません。
インナーはテフロンコーティングのものを使っています。これでワイヤーの引きは問題なしですね。ワイヤーが長くなるのでコーティングされているケーブルを選ぶという工夫は必要ですが、デュラのポリマーコーティングだけはダメです。あれは剥がれたコーティングが詰まるので自殺行為です。
このワイヤールーティングで1年ちょっとのあいだ異常なし。CAAD10に関してはこれが正解のひとつのようですね。
ちなみに、ワイヤーの取り回しにVブレーキ用のフレキシブルリードパイプを使うやり方は、ワイズロードのスタッフさんが個人的にやっているようです。店舗のサイトの記事に載せているくらいなので危険ではないのでしょうね。ほら、CAAD10にも応用できるって書いてあるし。
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