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超RIZIN & RIZIN38 RIZINにとってターニングポイント的な大会とはならなかった件

3日前に開催され、想定の範囲内の遅刻はあったもののメイウェザーが無事にリングに上がってくれて終了した超RIZN & RIZIN38。
誰が勝った負けたよりも、試合前の花束問題という思わぬ形で注目を浴びてしまうこととなっているRIZINにとっては、無事に終わったとは言えないのかもしれないが。

さて、今回のRIZIは、「超」などと明らかに特別感のある大会名が付けられ、先のビッグイベントTHE MATCHに匹敵する大会、メイウェザーが再来日と様々な形で大きくプロモーションされ、期待を散々持たされた大会であったが、全カード総出しされ蓋を開けてみると、メイウェザー朝倉戦以外スペシャル感のないカードが並び、いつものRIZINらしさしかない大会となった。

そして、今大会もAbemaTVのPPVで放送。THE MATCHでは地上波生中継が叶わなくなったわけで、その原因の一端にはどこかの大人が反社との繋がりが週刊誌にすっぱ抜かれたことにもあると思うわけだが、そこから格闘技放送の地上波不要説を肯定すべく、これからの格闘技はPPVが主流となる説を布教すべく、またTHE MATCHでのPPV利益に味を占めたRIZIN CEO榊原氏やAbemaTVの大人達がまたしても格闘技を地上波生中継から遠ざける結果となったと私は考える。格闘技には地上波生中継は必要であるという考えを持っている私としては早くフジでもTBSでもテレ朝でも、どこかの地上波局で放送枠を獲得してほしい限りだが、今回のRIZINを見た私個人の試合の感想やPPVに関する事、その他諸々を以下に好き勝手書かせて頂いたので、読んでいただけると幸いだ。

超RIZIN & RIZIN38に期待が持てずPPV購入を迷った件

メイウェザーがリングに上がりファイトするのは最後かもしれない。45歳という年齢を考えたら毎回のエキシビジョンでそう思っている。メイウェザーを一目見たいと現地観戦も考えたが、やはりそれ相応のチケット料金であり、学生である私は他のカードラインナップも気にしてしまう。メイウェザーと堀口恭二、吉成名高を生で見たいとは思ったが、学生の私の財布と相談したところ、そして立ち技ファンである私としては現地観戦しようと思うまでのカードはなかった。
PPV観戦となったわけだが、PPVチケットの料金設定にハテナが付いたのは正直なところだ。先のTHE MATCHは5500円。今回のRIZINは
6000円。自分自身のことながらケチな話だとは思ったが、これがPPV購入を少し渋った要因である。この2大会のPPV料金の比較は立ち技ファンである私の個人的な勝手な感想であり、関係者やRIZINファンとしては妥当な金額設定なのかもしれないが、もっとTHE MATCHのPPV料金が高くても良かったのではないかと感じるのは私だけだろうか。

[RIZIN MMA特別ルール 3分3R/66.0kg]三浦孝太vsブンチュアイ•ポーンスーンヌーン

元サッカー日本代表三浦和良氏の息子が格闘技デビューという何か話題にはなりそうと、大晦日RIZINでデビューした三浦孝太。著名人の息子だからこそ人よりも得している事は多いはず。一方で人よりも厳しい状況に置かれることも多々あるはず。著名人の子供という注目の浴び方の良し悪しや賛否はどのジャンルでも付き物だが、三浦孝太に関しては今のところRIZINのおかげでプラスに働いているだろう。
試合に関しては、デビュー戦では格闘技をかじった程度のホスト、2戦目となった今回はMMA素人のタイ人。今のところ2戦とも1Rフィニッシュという結果が出ているが、未だに実力がイマイチ分からないのが正直な意見だ。デビュー戦の相手Yushiに関してはRIZIN継続参戦をし明らかに成長した姿が見られ、せめてこの段階で対戦を見たかった。
結果を出しているという点では何も言うことはないが、2度も大会に穴を空けた埋め合わせは今後の試合で見せてほしいところだ。

[RIZIN キックボクシングルール 肘あり 3分3R/53.0kg]吉成名高vsバンダサック•ソー•トラクンペット

立ち技ファンの私としては吉成の試合は楽しみでしかないのだが、またしても圧倒的な実力差のある試合となった。吉成に関しては、技の完成度の部分が好きということもあり実力差がある試合でも技術が見れて満足である。特に蹴りのカットとスウェーは惚れ惚れする。魔裟斗氏のYouTubeで公開されているスパーリングは私個人的にお気に入りのスパーリング動画だ。是非色々な方に見て格闘技の芸術的な美しさを見て感じ取ってほしい。

[RIZIN スタンディングバウトルール 3分3R/FREE WEIGHT]皇治vs ジジ

さて、ここからは超RIZINが茶番となってしまうか否か、超RIZINの価値が左右する2試合だ。
まず、朝倉未来を会見で突き飛ばし話題となったボディーガードが試合するしないだの、相手は皇治なのかシバターなのか、色々とあったが、本当にやるとは思いもしなかった。何故格闘技素人が日本で1番メジャーと言っていいプロ格闘技団体のリングに立てるんだと。また、天心への挑発でメイウェザーのお手製お面を使ったことに腹を立てたと皇治を相手に指名したジジだが、なんとも薄っぺらい対戦要求の理由づけだなと。
受けた皇治も大概だが、試合前では20kg前後の体重差は危険という見立てをされている方も多く、それは皇治自身どう感じていたのか気になるところ。皇治が20kg大きい外国人を倒すことの想像もしていなかったし、だが素人のパンチで倒されることもないだろうという感覚で私はこの試合を捉えていた。こんなように素人相手でも倒さず終わるのではという見立てができ素人相手でもみようと思うのは、皇治のこれまでのキャリアや戦績のおかげというべきなのか。
結果としてしっかり左フックを効かせ3RKOとなった訳で、マイクでは当たり前の結果と言っていたが、2019年11月の川原戦以来のKO勝利で嬉しそうだと映ったのは私だけではないはず。

試合後インタビューにて、ゴング格闘技の熊久保氏がこのことについて触れたナイスな質疑をしている。まぁこのような痛いところを突かれた質疑応答や週刊誌対応などはいつもの皇治であり、流石といった感じでこの試合、いやエキシビジョンは完結。

[RIZIN スタンディングバウトルール 3分3R/FREE WEIGHT]フロイド•メイウェザーvs朝倉未来

現地観戦に行った方、国内そして特に海外のPPV購入者のほぼ多くの方のお目当てはこの試合、メイウェザーのパフォーマンスだっただろう。年齢を考えると、メイウェザーがあと何回リングに上がりパフォーマンスをしてくれるか分からないからこそやはり目に焼き付けておきたいというのは自然な考えだろう。
さて、今回もメイウェザーが来日し日本のリングに立つということだったわけだが、2018年大晦日と違う点は日本人のメイウェザーのヤバさを知っているという事だろう。「天心なら50戦無敗のメイウェザーを倒せるのでは」と言っていた人らは今回の朝倉未来に同じことを言えただろうか。「朝倉未来に1発入れて欲しい」という声がほとんどだったはずだ。これに関しては、ボクサーリスペクトが凄い私としては嬉しい世論であった。
そんな私の予想では、「朝倉未来はメイウェザーに触れることさえできないのでは」とまで思っていた。特に朝倉未来に好き嫌いという感情はなく、MMAの試合は楽しく拝見させて頂いている訳だが、グローブによって多少なりともハンドスピードが落ちることも考慮した時、メイウェザーに当てられる絵が浮かばなかった。また、天心戦と違い体重のハンディがないのもあり警戒はするであろうメイウェザーに対してだ。朝倉未来のパンチは当たる事なく、また朝倉未来が倒されることもなく9分間が終了するというのが私の予想であった。
しかし実際蓋を開けてみると予想もしていないことが起こったのが事実だ。2R終了間際、右ストレートでメイウェザーTKOという結果に終わったが、1Rの左ストレートから右フック、そして2Rの飛び込んでの右など、あそこまでメイウェザーの顔にパンチをヒットさせ頭を跳ね上げるシーンが生まれるとは想像していなかった。

ただ、2R内でのメイウェザーの右ストレートが何度も朝倉未来の顔面を捉え脳にダメージを蓄積させていたのがKOという幕切れにつながったのかなと考えられる。

攻撃を貰わずに自分だけ当てるスマートなボクシング王者はもう引退した。ボクシングルールという自分の土俵の中で、何年もかけて完成させたボクシング技術を駆使した暴力のように見えてしまい、私が見たかったメイウェザーの姿ではなかった。

試合後には、「来年また日本に戻ってくる」や「11月にエキシビジョンがまた決まっている」など、まだメイウェザーのリング上でのパフォーマンスが見られるであろう事が言われている。
また、メイウェザーのエキシビジョンに関して、試合前に公開されたRIZIN RADIO内でのジャン斉藤氏の話が私的には印象的で面白い話であったので取り上げさせていただく。他にも面白い内容のことが多々話されているので是非フルで聞いていただきたい。メイウェザーのエキシビジョンは天心戦が始まりで鮮烈で印象的なKOからビジネスとして始まった。そして、ローガン•ポール、ドン•ムーアとKO決着でないエキシビジョンが続き、メイウェザーのエキシビジョンの価値が問われ、またしても世界的には無名の朝倉未来とフルタイムのエキシビジョンではエキシビジョンの刺激が薄まるのでは。だとしたら今回の朝倉未来戦はエキシビジョンの価値を上げるべく倒しにくるというジャン斉藤氏の見解。凄く分かりやすく納得のいく興味深い話であり、その通りの結果となったなと私は脱帽している。私の中ではRIZIN RADIOの価値が上がり、また様々な方に聞いていただき、格闘技観戦の見方の幅を広げて頂きたい。
何はともあれ、こうしてメイウェザーのエキシビジョンビジネスはまだまだ続くのであろう。

天下のメイウェザー様 花束捨てられる

この話題で今回のRIZINは渦巻くこととなったわけだが、まぁ普通に観てる側としては気分が悪くなるワンシーンであったことに違いなく、やってはいけないことだ。何よりリング上では選手が1番。花束贈呈のプレゼンターが目立ってどうすんだというだけの話。


このことに関して、花束贈呈の権利がお金で買えただの様々なニュースを目にするが、私としては一切その手の見出しの記事を開き内容を読んでいないのでなんとも言えないが、事実であるなら何故そんな権利をお金どうこうで出来るようにしたのかが問題だろう。もしもメイウェザーが腹を立て試合放棄していたらどうしたのか。ごぼうの党の人が花束を投げ捨てただけで済んだからいいものの、花束でメイウェザーを叩いたり、万一刃物などを持っていてメイウェザーに危害を加えるようなことまで発展していたらどうしていたのか。考えると怖いものだ。
まぁ、この件は様々な人が批判や意見を出しているが、話題にすればするほど、ごぼうの党の人本人の知名度を上げるだけなのでこの辺にしておこう。
花束を拾い上げたメイウェザー、そして試合をしてくれたことに本当に感謝している。

超RIZIN & RIZIN38 分けて正解だった話

無事メイウェザーという嵐が去っていったのだが、ここでRIZIN38も絡めてのことも書かせていただく。
RIZIN38では、堀口恭二の連敗脱出、女子トーナメントセミファイナル、萩原vs鈴木などがあったが普通のRIZINのナンバーシリーズ感の強いラインナップとなっており、全てを超RIZINとしてやらずに正解だなと感じた。それと同時にメイウェザーが昼間に終わり、その後いつも通りのRIZINであったため、1日が終わった頃にはいつものRIZINが行われ無事終了感。メイウェザーが来ることでRIZINという大会がまた違う舵取りの形をとる機会でもあったのかなと考えていただけに、特に通常運転な感じが出てしまったのは勿体ないと感じた。
超RIZINは上記に書かせて頂いた内容で、ごぼうの党のおじさんが世界のメイウェザーに対して花束を投げ捨てる無礼をしたという訳分からんプチ事件もあったが、メイウェザー様が上機嫌で帰国出来ただけで、全てが丸く収まったはずだ。

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