BlenderでMV再現

これはKCSアドベントカレンダー2023の16日目の記事です。
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はじめまして。Fikaです。
法学部法律学科2年で、CG班と音楽班に所属しています。

 ちいかわをBlenderでつくってみたのでせっかくなら動かしたいなと思い、King Gnuの「SPECIALZ」のMVの一部の再現に使ってみました。

 この映像ができるまでの工程をまとめておきます。


工程

ちいかわをつくる

 ちいかわはこの動画をそのまま参考にしました。

 この動画でのアウトラインのつけ方は背面法という技法です。モデファイヤのソリッド化で押し出したメッシュの法線を反転し、裏面を描画しないマテリアルを設定することで、押し出した方のメッシュが一回り大きくはみ出します。その部分がアウトラインになります。

 アウトラインの色や太さなどの設定についてはこちらの動画で紹介されています。

MVのセットをつくる

 MVの中から再現するセットを決めます。ちいかわのような短い四肢でも再現できそうで、セット全体がわかりやすいシーンを選びました。(0:49あたり~)

 今回のセットは要素が少なく再現しやすいと思ったので、MVのスクショをたくさん撮って正確に寸法を合わせるということはしませんでしたが、要素が多い場合には静止画とカメラをマッチングしてくれるfSpyなどのツールを使うことをおすすめします。

 釘で打たれている藁人形は、ちいかわにでてくるギチギチ虫という敵キャラにしました。

かわいそう…

ちいかわにモーションをつける


Auto Rig Pro使用 

 槌で釘を打つモーションをループさせています。ちいかわは頭が大きく手が短いので、槌を振りかぶることができずにあまり力が入っていないようなモーションになっていますが、それもちいかわらしいのでそのままにしました。

カメラワークをつける

 MVをコマ送りでみます。Youtubeでは<キーで一コマもどる、>キーで一コマ進めることができます。アニメーションの場合はコマ送りでみることによって省略されている部分がよくわかって興味深いです。

 カメラの位置、回転、スケールと焦点距離にキーフレームを打ってカメラワークをつけます。

カメラのキーフレーム

 1つのカメラを1フレームで移動させることでカットをつくりました。

レンダー設定

 上記の背面法の動画のとおりマテリアルを設定したところ、Cyclesではちいかわが真っ黒になってしまったので、ちいかわをEEVEEで、それ以外をCyclesでレンダーし、コンポジットで合成することにしました。

Cyclesで真っ黒になるちいかわ

 ちいかわ以外のオブジェクトのマテリアルをホールドアウトにしたシーンをつくり、EEVEEでレンダーします。

EEVEEでちいかわ以外のオブジェクトが透過される様子

 シーンのリンクについてはこちらを参考にしました。

コンポジットの設定についてはこちらを参考にしました。

課題と反省点

グリースペンシル

グリースペンシル最前面表示

 ちいかわの目のハイライトはグリースペンシルで作りました。グリースペンシルは最前面表示がデフォルトです。最前面表示を解除するには、プロパティ > ビューレイヤー > パス > データ > Z を有効化、プロパティ > オブジェクト > ビューポート表示 > 最前面 を無効化する必要があります。

ハイライトがおかしくなるちいかわ

 最前面表示を解除するとハイライトが部分的にレンダーされなくなってしまいます。ビューポートでは正常に表示されているのですが…。原因不明です。たすけてください。

背面法のCycles設定

 レンダー設定で「Cyclesではちいかわが真っ黒になってしまったので、ちいかわをEEVEEで、それ以外をCyclesでレンダーし、コンポジットで合成することにしました。」と書きましたが、あとでCyclesでの背面法のマテリアル設定を知りました。

 

Cyclesでの背面法のマテリアル設定

ふりかえり

 この映像をつくるにあたって、使ったことがなかった機能に挑戦することができました。まだまだ分からないことだらけですがやりたい表現のためにあきらめず学び続けようと思います。

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