見出し画像

無法者ビリー・ザ・キッド―第七章

第六章から読む

敵の真っ只中へ―キッドのラス・ベガス訪問―列車での会談―チザムによる牛飼いたちへの助言―キャンプに向けて旅立った2人の男―キッドの追跡―大平原で足止めする

ラス・ベガスの町の近郊は不毛の荒野であり、真っ平らで砂ばかりの単調な平野以外に何もない。町自体はニュー・メキシコのすべてての町と同じような形式で築かれていて、主な商店は広場に面するようになっていた。広場は四角形の空き地であった。その中央には集会の時に話者が使う大きな演台が置かれていたが、倉庫で荷馬車が荷物を下ろしている間、メキシコ人の荷運び人が寄りかかるのにたいてい使われていた。しかしながら、鉄道の登場が人口を増大させ、長く普及していた古い商売のやり方は、大規模な人口に対応できる先進的なやり方に道を譲った。こうした要素はすぐに感じられるようになり、ニュー・ラス・ベガスという町―古い町から独立して呼ばれるようになった―が登場し、鉄道に沿って賑やかな一角が形成された。その一角は汚らしい小川で古い町から隔てられていた。

ここから先は

2,272字

¥ 100

サポートありがとうございます!サポートはさらなる内容の充実によって読者に100パーセント還元されます。