第一章から読む

ビリー・ザ・キッドの逃亡計画は大胆不敵で目覚ましいものであったがうまくいったので、不思議な力が彼を無敵にしていたのかもしれない。彼が空中に消えてしまったという噂や兵士たちがサーベルを彼の体に突き刺しても傷つけられなかったといった噂が面白い話として広まった。

彼は、超自然的で恐ろしいもの、すなわち魔法使い、幽霊、悪魔などと呼ばれた。

鉛の銃弾では殺せないという信仰が広まったので、追跡者の中には彼を撃つために銀の銃弾を準備した者もいたという。

しかし、キッドが無敵ではないと信じる者が1人いた。

その男はパット・ギャレット保安官補佐であった。ギャレットは、彼が荒々しく向こう見ずな生活を開始して以来、ニュー・メキシコで彼を捕えられる唯一の男だった。