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私の好きな映画

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私の好きな映画やドラマを、イラストと文章で綴ります。
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記事一覧

『エコール』2004年 フランス 監督 ルシール・アザリロヴィック

《あらすじ》 深い森の中に佇む塀に囲まれた謎の学校「エコール」。そこには6歳から12歳までの少女が5つの寮に別れて寄宿生活を送っていて塀の外へ出ることは決して許されない。 物語は新入生イリスが棺に入れられてエコールにやってくるところから始まる。そして最年長のビアンカはイリスの世話をしながらエコールを去る準備を始める。 《感想》  この映画が公開された当時、ある男性作家がこの作品を「ミステリー好きとしては途中でオチが分かってしまってとてもつまらないストーリーの映画だった」と評

『ロッタちゃんと赤い自転車』 1992年 スウェーデン 監督 ヨハンナ・ハルド 原作 アストリッド・リンドグレーン

《あらすじ》 スウェーデンの小さな町に暮らすロッタちゃんは5歳のお誕生日のプレゼントにどうしても自転車が欲しいのだけど「ロッタにはまだ早い」と全くとりあってもらえない。そこでお隣に住むベルイさんのお家の納屋から大人用の自転車をこっそり出して何としてでも自転車に乗ろうと頑張るのだが・・・ 《感想》  もう本当に本当に大好きな「ロッタちゃん」シリーズ。ロッタちゃんの世界が好き過ぎて何度も映画館に足を運んだり、レンタルビデオ屋さんから販促用の等身大パネルをもらって部屋に飾っていた

『少女は自転車にのって』2012年 サウジアラビア 監督:ハイファ・アル=マンスール

《あらすじ》 サウジアラビアの厳格な女学校に通う10歳の少女ワジダ。 近所に住む男の子アブダラと自転車競争をしたいのだが、イスラームの戒律で女性は自転車に乗ってはいけないきまりになっていてくやしい思いをするワジダ。 そんなある日、お店で見かけた自転車に一目ぼれしたワジダは自転車を手に入れるために色々な手段を使ってお金を稼ごうと奮闘する。 サウジアラビア初の女性監督作品で、すべての撮影を国内で行いすべての役柄をサウジの俳優が演じた初の長編映画 〈感想〉 ワジダの暮らすサウジア

『サヨナラCOLOR』(2005年 日本 監督:竹中直人 主演:竹中直人 原田知世)

《あらすじ》 「SUPER BUTTER DOG」の名曲「サヨナラCOLOR」を元に作られた作品。 佐々木広平(竹中直人)は地元の病院に勤める医師。 ある日、公平が勤務する病院に高校の同級生で初恋の相手の笈川未知子(原田知世)が入院して来る。未知子との再会に浮かれる公平だったが、未知子は公平のことをすっかり忘れていた。 未知子にはすでに有名なスタイリストの鈴木雅夫(段田安則)という恋人がいたが、公平の未知子への想いは高校生の頃からずっと変わらず、公平は看護師や他の患者から苦

『新春スペシャルドラマ 富士ファミリー2017』(2017年 NHK総合) 脚本:木皿泉  主演:片桐はいり 薬師丸ひろ子 小泉今日子

〈あらすじ〉 2016年に放送された「富士ファミリー」の続編。  長女の鷹子が結婚して家を出た小国家。現在は故ナスミの元夫の日出男、日出男の再婚相手の若妻・愛子と産まれたばかりの娘の光、新しいアルバイトの“ぷりお”が加わって笑子ばあさんと同居している。  ある日、鷹子がふと目にした雑誌に中学校の同級生の“きーちゃん”こと遠山霧子が世界的な予言者キティ・トーヤマとして紹介されているのを見つける。きーちゃんを思い出して懐かしくなった鷹子は中学時代の日記を探し出すのだが、そこには3

「新春スペシャルドラマ 富士ファミリー」(2016年 NHK総合) 脚本:木皿泉  主演:片桐はいり 薬師丸ひろ子 小泉今日子

〈あらすじ〉 富士山の麓にある「富士ファミリー」は、笑子バアさんが切り盛りする小さな古い個人商店。お店とつながっている住居には、笑子バアさん、笑子バアさんの兄の長女の鷹子、病気で亡くなった次女のナスミの元夫の日出男が同居しているが、笑子バアさんが高齢になったために住み込みのアルバイトのカスミを雇う事になる。 そんなある日、幽霊となった次女のナスミが笑子の前に現れて遺品のコートのポケットから「四葉のクローバー」「懐中電灯」「ケーキ」「枕」「ストロー」「コーヒー」「光太郎」と

『王様のレストラン』(1995年フジテレビドラマ)脚本:三谷幸喜 主演:松本幸四郎

天才オーナーシェフの死去によりすっかり寂れてしまったフレンチレストラン「ベル・エキップ」。 そこに新しいオーナー原田禄郎と伝説のギャルソン千石武がやってきて、従業員たちの反発を受けながらも次第にお店を立て直していく物語。 三谷幸喜さんの作品の好きなところは、アクの強い性格の人物を「嫌なヤツ」で終わらせずに、そのアクの強さをギャグにして愛すべき人物に描いているところです。 逃れられない人間関係の中でどうしようもなく嫌な人物に出会ったら、心の中で「この場面を三谷さんが脚本にし

時効警察』『帰って来た時効警察』(2006年2007年 テレビ朝日系列 ドラマ) 監督:三木聡ほか 主演:オダギリジョー 麻生久美子

《あらすじ》 時効になった事件の資料を管理する総武警察の「時効管理課」 ユルくて暇な部署だけに、他の課からはバカにされているが、本人たちは「仕事は怒られない程度にやって、あとの時間は趣味に費やすというのも、いい警察人生」だと思って全く気にしていない。そんな中、自分が無趣味なことに気付いた霧山は「時効になった事件を捜査する」ことを趣味にしようと思いつく。 大抵の職場には「花形部署」と「地味な部署」というのがあって、花形部署の人達が地味な部署の人に「楽でいいよな〜」などと嫌味を

「ピッピ船にのる」(1969年 スウェーデン・西ドイツ)  原作:アストリッド・リンドグレーン 監督:オッレ・ヘルボム

《あらすじ》アストリッド・リンドグレーンの名作「長くつ下のピッピ」シリーズピッピはゴタゴタ荘で動物と一緒に気ままに暮らす、世界一強い女の子。金貨の鞄を盗んだ泥棒をやっつけたり、ガミガミおばさんをやりこめたり、痛快で楽しい毎日を描いた物語。 学に入ったばかりの頃、「お洒落を楽しめるから、僕は冬が一番好きなんだ」と、いかにも“都会の私立高校出身”という感じの小沢健二みたいな男子が、マーガレットハウエルのシャツをお洒落に着こなしながらさらりと言うを聞いて、地方の県立高校出身の私は

『ホノカアボーイ』(2008年 日本) 監督 真田敦 主演 岡田将生

《あらすじ》 彼女と別れ、大学を休学したレオ。以前虹の月“ムーンボウ”を見に 彼女と訪れたハワイのホノアカという日系人の町をふらりと訪れ そのままその町の映画館で映写技師として働くことになる。 吉田玲雄さんのエッセイを映画化した作品。 いつの頃からか、実年齢の数字はあっという間に増えて行くのに、 内面的な年齢はどんどんおいてけぼりになっていくこの感じ。 ふと鏡に映る、老けた自分の姿を見て、一瞬、玉手箱を開けた直後 の浦島太郎のような錯覚に陥る瞬間があったり。 ビーも多分そ

『ジョゼと虎と魚たち』(2003年 日本) 監督 犬童一心 主演 妻夫木聡 池脇千鶴

《あらすじ》 どこにでもいるような普通の大学生の恒夫。ある日、足に障がいがあるため 世間から隠れるようにひっそり暮らしているくみ子(自称ジョゼ)と出会う。育って来た環境も生きている世界も違う二人は惹かれ合い恋に落ちる。 《感想》 「うわぁ、こういう男、いるよね〜」というのがこの作品を見た後の一番の感想でした。 自分の身体も気性も普通の人にはとても手に負えないことがわかっていたから、 なるべく世間と関わらないように 生きていたジョゼ。 それなのに、目先の善意だけで無神経にジョ

スタンリーのお弁当箱(2011年 インド) 監督脚本  アモール•グプテ 主演 ディビヤ•ダッタ

《あらすじ》 4年F組のスタンリーはクラスの人気者。 家庭の事情でお弁当を持って来られないスタンリーはお弁当の時間にこっそり水道水を飲んで空腹を紛らわせている。 そんなスタンリーの様子を見た友達が、自分たちのお弁当をスタンリーに分けてあげようとするが、食い意地の張ったヴァルマー先生にいつも横取りされてしまう。 スタンリーたちはヴァルマー先生に隠れてお弁当を食べるようになるのだが、それに激怒したヴァルマー先生がスタンリーに「お弁当を持って来られない生徒は学校に来るな」とスタンリ

『なまいきチョルベンと水夫さん』(1964年スウェーデン)原作:アストリッド•リンドグレーン 監督:オッレ•ヘルボム

《あらすじ》スウェーデンの避暑地“ウミガラス島”に住む女の子チョルベンは、ある日漁師のヴェステルマンからアザラシの赤ちゃんをもらう。 チョルベンたちはそのアザラシに“モーセ”という名前をつけて、みんなで大切に飼うことにしたのだが、アザラシが高値で売れると聞いたヴェステルマンが突然「アザラシを返してくれ』と言い出して、島は大騒動に。 太っちょの女の子チョルベンとチビですきっ歯のスティーナ。 2人はルックスも性格も決して模範的な「良い子」「かわいい子」ではないのですが(大人に

「昨夜のカレー、明日のパン」(2014 年 NHKBSプレミアム ドラマ) 原作•脚本:木皿泉 主演 :仲里依紗

《あらすじ》 テツコ(仲里依紗)は若くして夫の一樹(星野源)と死別したが、 夫の死から7年経った今でも義父「ギフ」(鹿賀丈史)と二人で楽しく穏やかに暮らしている。 テツコには会社の同僚の岩井さん(溝端淳平)という恋人がいるが、いろいろなことがひっかかってなかなか結婚には踏み切れずにいる。 《感想》 テツコとギフは一見のんきに楽しく暮らしているように見えますが、「人間は必ず死ぬ」という寂しさを共有しながら生きています。 仏壇にお供えした後の固くなったご飯をテツコとギフが交