時効警察

時効警察』『帰って来た時効警察』(2006年2007年 テレビ朝日系列 ドラマ) 監督:三木聡ほか 主演:オダギリジョー 麻生久美子

《あらすじ》
時効になった事件の資料を管理する総武警察の「時効管理課」
ユルくて暇な部署だけに、他の課からはバカにされているが、本人たちは「仕事は怒られない程度にやって、あとの時間は趣味に費やすというのも、いい警察人生」だと思って全く気にしていない。そんな中、自分が無趣味なことに気付いた霧山は「時効になった事件を捜査する」ことを趣味にしようと思いつく。

大抵の職場には「花形部署」と「地味な部署」というのがあって、花形部署の人達が地味な部署の人に「楽でいいよな〜」などと嫌味を言い、地味な部署の人達は「私たちの陰の支えがなければ仕事が回らないくせに」などと言って対立していることが多いものです。

しかし、この「時効管理課」の人達は、他の部署の人達からバカにされても嫌味を言われても「仕事は怒られない程度にやって、後の時間は趣味に費やすというのも、良い警察人生よ」と言って、全く気にしていません。こういう態度って、花形部署一筋のエリートから見れば「向上心がないダメな人間」に見えるかもしれませんが、他人から評価されなくても卑屈にならずに淡々と仕事をこなすことができるいうのは、かなり自己肯定感が高くないとできないことだと思います。

時効管理課の人達のように、どんな環境にいようと、「自分は自分でOK」と、他人からの言葉をゆる〜くさらりとかわすことができたら、どんなにか生きることがラクになるだろうと羨ましく思います。


作中には「これでもか、これでもか」と言うくらい、次から次へとキャラの濃い人物が登場してきては、思わず「え〜っ!?」 と引いてしまうような行動をとるのですが、もし、
その人から「何か文句が?」と問われても「いや何も・・・」としか言いようがないというこの脱力感。そのバカバカしさに、今までクヨクヨ悩んでいたことが本当にどうでも良くなってしまうのがこの作品のいいところなのです。
三木聡・園子温・岩松了・塚本連平・ケラリーノ・サンドロヴィッチ・オダギリジョーなどそうそうたるメンバーが脚本・演出を手がけていて、第一話の三木聡さんの話しをベースにしながらも、その回ごとにそれぞれの脚本家の色が濃く出ているのもみどころです。

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