秀也が尊かった。
サラの答えも尊かった。

童話を読んで涙できる心の美しさよ。
俺も同じ朗読会やったんだけど、初見で何て言ったと思う？

(￢_￢) 「王子様のバラ？　今頃は他の王子様が面倒みてるよ。地球にバラがたくさんあるように王子様もたくさんいるんだから。ざっと35億？」

どうなのよ、この心の汚れよう。
だって飲み会に必ずひとりは王子様のバラみたいな、ワガママというか周囲を振り回すけど「私ホントは弱いの、これは虚勢なの」的なアピールしてくる女子っているだろ？
見た目は確かに可憐でか弱いバラだが、誰が呼んだ誰なのか、品種不明の謎の女。
ホントに誰なんだ？
入れ替わり立ち替わり毎回必ずひとりは来るけど、ホントに誰なんだ？
帰り際に理由もなく急に泣き出したりするが港区生まれの俺の目はごまかせない。
お前、涙が出てないぞ。
たいてい親切に慰め始める男が必ず一人はいるので、そちらに任せて華麗に帰宅を決める。
にも拘わらず、そいつが狙った男じゃないとなぜか素早く回避して、ターゲットに向かって泣き崩れてくる。
もはやフェイントからのタックル。
お前はフットボール選手か。
タックルされた場合、俺は必ずソレをタクシーに放り込む。
なんならタクシーのドアをあけて待機しとく。
俺にがぶりよった瞬間、うっちゃりではたきこむためだ。

玲くんも同じ朗読会をやったから

(￢_￢)「玲くんは王子様のバラのことをどう思う？」

たぶん俺と同じだろうなーと予想して聞いたら

(´▽`)「バラは正義の象徴だと思って読んだけどなー」