Photo by 葛飾北斎 / メトロポリタン美術館 江戸時代に学ぶお金 その19:仕事はまっとうであるべし 66 綾小路 英虎(ひでとら) 2024年3月23日 07:40 巻4④ 茶の十徳も一度に皆越前の国敦賀の港は、毎日の入舟が多く、一日平均の入港税が、大判金一枚にものぼるということである。ここは各種の問屋の繁昌している所である。それにつけても、ともかく正直に頭を下げて、その場のその場の客でも、丁重に旦那扱いにして、諸国の買出し商品を招く商い上手の者は、世渡りに困ることはない。たとえ利益があるにしても、・はじめっから計画的に流すつもりの抵当で金銀を借りたり、・さまざまな贋物をつかませたり、・詐欺師とぐるになって持参金つきの女房を貰ったり、・寺々の祠堂銀を借り集めておいて破産したとしてすましたり、・博打打ちの仲間入りをしたり、・山師稼業をしたり、・偽物の朝鮮人参の押売りをしたり、・美人局をしたり、・犬殺しをしたり。・知乳飲み子を貰って餓死させたり、・溺死人の髪の毛を抜き取って売ったりするなど、いかに生活のためだからといって、こんな人の道に外れた仕事をするというのは、たまたま人間に生まれても、生きていく甲斐はない。何事もその身に染まってしまうと、どんな悪事でも自分ではそれと分からなくなってしまうものだ。そうなっては大変残念なことだから、世間並みの世渡りをするのが人間というものである。考えてみると、夢のようにはかない五十年そこそこの人生なので、どんな商売をしたからといって、暮らしのできないはずはないのだ。『新版日本永代蔵』(著 井原西鶴、訳 堀切実、KADOKAWA)より300年たってもお金については何ら変わっていない。本日の学び・正直に仕事をすることは大事である。・利益のために道を外してはいけない。・どんな仕事でもこの世の中生きていける。 ダウンロード copy この記事が参加している募集 スキしてみて 521,865件 仕事について話そう 109,757件 #毎日note #スキしてみて #仕事について話そう #しゃかせん #経済的自立 66 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート