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ブロガー。著書『考える生き方』(http://goo.gl/8mv6s )。プロフィー…

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ブロガー。著書『考える生き方』(http://goo.gl/8mv6s )。プロフィール(http://goo.gl/fiZBC )。極東ブログ(http://goo.gl/8ne7 )。

マガジン

  • finalvent読書会D 会場

    メインの読書会とは別のコンセプトで読んだ小説で、なんとなくおすすめする小説を扱います。おもに、現代日本の小説。

  • finalventの日記【9】2023/10/5-

    finalventの日記です。大した話はありませんが、有料(300円)としています。

  • finalventの日記【8】2016/12/23-

    内容な日記的なエッセイです。有料にしたのはコンテンツの価値というより、読む人が限られるだろうというだけのことです。

  • finalventの日記【2】2014/11/6-

    内容な日記的なエッセイです。有料にしたのはコンテンツの価値というより、読む人が限られるだろうというだけのことです。

  • finalvent読書会 会場

    finalventが主催する、無料のゆる〜い読書会です。 (「読書案内とコラム」はこちら⇨ https://note.com/finalvent/m/mea3f2c28d9a8 )

最近の記事

橋本治『「三島由紀夫」とはなにものだったのか?』

橋本治『「三島由紀夫」とはなにものだったのか?』を読んだ。面白かった。橋本治という人は天才で、しかも、明確なロジックをもって思考を天界して、よくわからない文体で表現する人である。たぶん、橋本は、こう書けばわかってもらえる、あるいは、自分を愛してくれる人はわかるというある水準の感覚をもち、その甘えと拒絶の奇妙な領域をふらついている。本書はとくにそれが極まっていた。 内容的には、博論だなあと思った。精緻に再構成すればそうなる。方法論があまりにも明確かつ明晰だからだ。だが、率直に

    • Twitterがつまらなくなってきた

      もはや、Twitterですらなく、Xとでも言うのだろうか。どうでもいいやと思う。つまらない。話題になんの創見も感じないことが多い。読む前から書かれていることがわかっている。そんな既視感で退屈で死にそうだ。

      • またまたfinalventの日記

        前回のfinalventの日記は、2016年から始めたもので、途中、日記的なものに関心を失っていた。ので、その後の日記的なものもだらだらと続けていたが、気がつくと、100記事を超えていた。現在のnoteの仕様では、100記事以上が書けるが、ふと、ここで日記を分けてみたく思った。有料、300円とはしたが、有料的な情報はないだろう。そこまでして関心のある人がいたら、喜捨をお願いするというくらいである。

        • 「100分で名著」の道元がひどかった

          想定されいたことであり、ひろさちやさんが出てくる時点で、「100分で名著」の道元が見るに値しないことはわかっていたが、ざっくりと見て、予想通りのめちゃさに、ある感慨を持った。と、いうと、私だけが道元を理解しているかのような文脈になりそうだが、そういう意図ではない。

        橋本治『「三島由紀夫」とはなにものだったのか?』

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          33本
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        記事

          『豊饒の海』の基本構造メモ

          井上隆史の関連書を読み、また、『豊饒の海』の読後感も見つめながら、この基本構造についてメモしておきたい。 一つは、テキストの多重構造である。『春の雪』は比較的単相というか、古典的に描かれているが、『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』には、小説内小説とでもいうべきテキストの多層性がある。井上の研究では当初戯曲の挿入も検討されていたらしい。 『春の雪』のテキストの多層性は分離しがたいが、根幹になるのは、清顕の夢日記であり、これは繰り返すが分離されたテキストにはなっていない。 が、

          『豊饒の海』の基本構造メモ

          井上隆史『三島由紀夫 幻の遺作を読む』 『「もう一つの日本」を求めて』を読む

          『豊饒の海』の簡易な研究書として、井上隆史『三島由紀夫 幻の遺作を読む』と 『「もう一つの日本」を求めて』を読んだ。前書は新書だが、『豊饒の海』の創作ノート研究でこの作品の原型についての概要がよくわかった。後者については、あえて『暁の寺』から議論を開始している点がよかった。 丹念な実証研究の上に妥当な推論が行われているという印象はあったが、現代的な意味を読み出そうとする、焦りのようなものも感じた。あと、この2作を読んで、『豊饒の海』が実に「読まれていない」ことを実感した。三

          井上隆史『三島由紀夫 幻の遺作を読む』 『「もう一つの日本」を求めて』を読む

          なぜ「豊饒の海」なのか?

          なぜ「豊饒の海」なのか? この単純な問いに答えた評論を私は知らないか、あるいは、私がまったくそれらの解を受け付けないかだが、ここで私の思いをメモしておきたい。単純である。 「豊穣の海」というのは、「豊穣」つまり「豊かさの海」だが、言うまでもなく、これは月面の地名であり、この「豊饒の海」には、水一滴すらない。まったく何もない。だ・か・ら、豊穣の海、なのである。 虚無そのものが豊穣なのである。無こそが森羅万象の帰結であり、またそれが生み出されるものである。 そして、この作品

          なぜ「豊饒の海」なのか?

          映画『すずめの戸締まり』感想

          この感想はあまり公開すべきでもないと思われるので、有料としておく。有料の価値がある話もないことをお断りしておく。

          映画『すずめの戸締まり』感想

          finalvent 読書会 D 三島由紀夫『暁の寺』『天人五衰』を読了

          この間、感冒となり比較的安静にしていたが、気力を戻しつつ、三島由紀夫『暁の寺』『天人五衰』を読了した。『豊饒の海』全巻を読み終えた。ちなみに、ざっと調べると文字数にして原稿用紙3000枚ほどの作品で、村上春樹の最大長編『1Q84』が2000枚ほどらしく、『豊饒の海』は思い浮かべる日本現代純文学の最長作品ではないか。 『暁の寺』を読み終えたときは、体調が悪く、感想も書けなかった。この作品は二部構成で戦前と戦後、そして、日本の外のタイとインドを、対比的に描いている。転生はやや全

          finalvent 読書会 D 三島由紀夫『暁の寺』『天人五衰』を読了

          finalvent 読書会 D 三島由紀夫『奔馬』を読んで

          昨日、三島由紀夫『奔馬』を読み終えた。読後すぐの感想を書こうと思ったら、ノーパソが電池切れで、家事等の時間に紛れてしまった。 三島由紀夫『奔馬』だが、面白かった。こんなにも面白い小説だったのかというのが、まず驚きだった。そして、『カラマーゾフの兄弟』によく似た作品であることにも驚いた。 とはいえ、冒頭、『春の雪』の連続ですらすらと読み進めたはいいが、「神風連史話」で躓いた。なんでこんなものが挿入されているのか、小説全体が破綻しているのか、三島由紀夫の右翼趣味が炸裂している

          finalvent 読書会 D 三島由紀夫『奔馬』を読んで

          映画『春の雪』を見た

          原作も読んだことだし、宇多田ヒカルの歌も含めて、以前から気になっていた映画『春の雪』を見た。ストリーミングがないのでDVDを購入した。 冒頭で殴られたような印象を受け、これはもう見るのをやめるかなと思ったが、映像がきれいだったので見続けることができた。文学作品と映像作品は別ものなのだから、違いはあるのは仕方がないし、こういうふうに脚本を持ってくる理由も理解はできる。それにしても、原作からテーマと文体を除去して映像化するとこうなるしかないのだろう。 ストーリーは微妙に違い、

          映画『春の雪』を見た

          finalvent 読書会 D 三島由紀夫『春の雪』を読んで

          finalvent 読書会もお休み的な雰囲気かもしれないが、個人的には、この間、三島由紀夫『春の雪』を読んでいた。精読である。メモをとりながら、辞書を引きながら読んだ。なにより没頭した。ああ、小説を読むというのはこういうことだったのだという思いを新たにした。 圧倒的な傑作だった。読むにあたって一番懸念したのは、自分が66歳で三島由紀夫がこれを書いたときは40歳だったことだ。文章には、年齢が出る。自分が歳を重ねるにつれ、若い人の作品が若い文体であることに、ある、物足りなさを感

          finalvent 読書会 D 三島由紀夫『春の雪』を読んで

          finalnvent読書会 D 三島由紀夫『春の雪』を始めます。

          このfinalvent読書会Dは、日本の戦後文学で主要な作品で、個人的に読みたい、また、読み直したい作品を選んできました。 そうした観点で、次は何だろうと思ったとき、いずれ、三島由紀夫『豊饒の海』を扱わざるを得ないだろう。それはいつ?と思ったとき、今でしょ!と思ったので、『春の雪』を読みます。 私は、1957年生まれで、1970年11月25日の三島由紀夫の自決の日をよく覚えています。この作品についても、話題としても知っていますし、ざっと図書館の書籍で目を通したくらいのこと

          finalnvent読書会 D 三島由紀夫『春の雪』を始めます。

          finalvent読書会 本コース、しばらくお休みします。読書会 Dで三島由紀夫『春の雪』を読みます。

          finalvent読書会 本コース、しばらくお休みします。読書会 Dで三島由紀夫『春の雪』を読みます。 理由ですが、すみません、三島由紀夫『春の雪』を読みたいのですが、この作品は大作でこちらに集中したいためです。 たぶん、『豊饒の海』を終えてから、本コースに戻ります。

          finalvent読書会 本コース、しばらくお休みします。読書会 Dで三島由紀夫『春の雪』を読みます。

          『かなの成り立ち字典』森岡隆

          独学の初学者というの者はなさけないもので、最初に読むべき基礎文献がわからない。というか、簡単に入手できる新書や教科書的な知識で代用するが、実際には適切ではない。ということで、ここでかなの成立についてあれこれ考察してきたのだが、『かなの成り立ち字典』森岡隆という書籍を購入したら基本がきれいに整理されていた。絶版だったようだ。2016年の出版だが版は2006年で、この間の学説は補われていない。

          『かなの成り立ち字典』森岡隆

          finalvet読書会 初心者コース 市川沙央『ハンチバック』はなぜ初心者向けなのか?

          このfinalvet読書会は初心者コース用である。ならば、市川沙央『ハンチバック』はなぜ初心者向けと考えられるのか。選者たちですら読み取りづらかっただろう「テキストの多相性」や、また「デヴィッド・リンチ作品における障害者表象」といった参照は初心者向けではないと言えるかもしえない。 だが、前者については、大衆向けのラノベ(ライトノベル)やコミックでも多世界の時間軸や作中作品などですでに多用されている陳腐な意匠だとも言えるし、後者の知的装置としての参照については存外に複雑なもの

          finalvet読書会 初心者コース 市川沙央『ハンチバック』はなぜ初心者向けなのか?