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第10回ペーパーウェルでコラボしました。

雲形ひじきと申します。

この記事は第10回ペーパーウェルの裏話的な日記です。

年末の創作活動振り返り「創作TALK」用の個人的な記録ですが、メイキングみたいなのが好きな人はよかったらどうぞ。

作品に目を通してから読んでいただけると、何を指しているのか伝わるかと思います。

*今回の作品

*ペーパーウェルとは

年に2回開催されるネットプリント同時配信企画

共通のテーマでオリジナル作品(一次創作)を作り、定められた期間にコンビニで出力できるネットプリント等で配信、他の参加者の作品を出力して感想ツイートをつぶやいてわいわいする

ちなみにさっきちらっと出した創作TALKはペーパーウェルの運営者でもあるななさん(@nano1257)の企画なので、創作っぽいことをする人はそちらも参加すると楽しいですよ

*過去に参加した時の裏話note記事

春の部に、絵を描かれる漣猗さん(@ripple_lianyi)とチームを組んで参加するのがここ3年間の恒例となっている

*過去の作品(PDF無料ダウンロード)

■4月22日・打ち合わせと言う名の

ペーパーウェルがあるということは、すなわち

それを口実に漣猗さんと会えるということだ

こんなご時世でも対面の打ち合わせは必要なので!(旧時代のサラリーマン顔)

それでなんとなく春になると、1度会いましょうかと予定を合わせる

今回はペーパーウェルのテーマ「扉」が発表されてもしばらくは都合が合わず、会うことになったのは配信期間の1か月前

そのときまでまーーったく何もネタを考えてなかったし、このひじきさん、土日は出歩きまくってるし、平日夜はヤクザ映画見まくってるし、仕事がめんどくせぇ時期で、準備時間は正直あまりとれない

しかも私が何か書くときは徹夜でががっと一夜にして仕上げるとかは絶対にできないので(だからこうして創作TALK対策を今からちまちま積み上げてるわけですが)

こっからやって間に合うのかしらとちょっと心配だった

……うーん、でもまあ、別に何も決まらなくても形にできなくても

漣猗さんと遊べればいいや

ペーパーウェルの公式アカウントがリツイートする着々と準備されている参加者の様子は「えりゃい……しゅごい……」と思うけれど、

「配信はできたらいいけどできなくてもいい健康第一で無理しないでね」それもまた公式さんのスタンスなので焦らないことにした


新木場駅で漣猗さんと待ち合わせ

歩いて向かったのは『夢の島』

夢の島は東京都江東区にある埋め立ての島である

ドリームアイランドとはえらいけったいな名前だ

ごみの最終処分場だったが、今は整備されて緑の公園となっている

漣猗さんと私は

おいしいものとちょっとアカデミックなこと

をデートに取り入れるのが好きだ

過去にも

スコーンを食べ歩いたり

博物館や美術館を巡ったり

今回は

この夢の島にある、ドームを3つ重ねたような大温室が特徴的な夢の島熱帯植物園に行くことにした

私は植物に全~く詳しくないが

「かわいい」

「おもしろい」

「きれい」

とIQの低い3語を連発しながら、普段見ることができない色彩やデザインを次々に摂取するのは好きだ

自然の造形ってすごいセンスよね

「あら~おしゃれね~」とすっかりおばさんになってしまう

覚えられないけど名前もなんだか愉快だし

まあ、一番興奮したのは

温室ではなく外に出たところにある

家庭菜園的スペースでしたね

「……ジャガイモじゃねぇか!」

ジャガイモだけは見分けられるひじき

しかも1品種ではなく5品種ほど、きれいに植わっていてさすが植物園

「見てください、アンデスレッドは他に比べて葉っぱがとがってて。3倍体なんですけど」

急に解像度が爆上がりするひじき

ご存じない方に一応説明すると、私は日頃から「#芋研ゼミ」というタグでジャガイモのことをゆるくつぶやいていたり、ジャガイモ擬人化小説を書いてアンソロジーを主宰したりしする「芋の人」っぽい位置づけにおるのです

同人誌も出して

イベントもやっているのでよろしくね

漣猗さんも私の影響でアンデスレッドがジャガイモのことを指すとすぐにわかるようになっていてえらい

そんな感じで大満喫した夢の島を後にし、次は

ムーンアイランド

人情ともんじゃの町『月島』へ

ちょうどお腹がすいてきた

今回はもんじゃではなく、干物の店でおいしい鯖定食を食べる

鯖の塩気とフリー塩辛でお米が進んでしまって困るわ

近くの雰囲気のいいカフェに移動してデザート

デザートっていうか

クロッフル(クロワッサンをワッフルメーカーで焼いたスイーツ)

クロッフル、ちょっとだけ流行ってた気がするんだけどそうでもない?

のんびりおしゃべりをしている中で

ここでやっとこれを読んでいる人にはお待たせしました

漣猗「私だと普通のありきたりな発想しか思いつかないんだよね」

ペーパーウェルの話が唐突に出た

ひじき「(あ、ペーパーウェルの話だ!)私もちょっと考えてみたんですけど(ほんまか)今回やれそうですか。どんなテンションかなと思って」

漣猗「スケジュール的にはできると思う」

ひじき「じゃあ、考えてみますか」

と意思の確認だけした

そこでは打ち合わせはしなかった。はい、しばらくお待ちください(おい)

『清澄白河』に移動して

以前にバーで初対面の人に教えてもらったチーズのお店がこの辺にあることを思い出して行ってみることにした

私はチーズではなく古い品種のリンゴジュースを買ったよ

そしてアカデミックその2

パッと目に入ったから行くことにした

江東区深川江戸資料館

天保年間の街並みを建物内に再現してあって

落語に出てくるような世界が広がっている

文机の前に座ってそろばんはじいてみたり

米屋で足踏み餅つきが体験出来たり

その日限りのイベントなのか浪曲師が火の見櫓の前でうなったりしていた

お江戸を楽しんだ後は

謎のシーラカンスに遭遇したりしながら

スナックミーの実店舗へ

スナックミーはおやつのサブスクサービスの企業で

以前にテレビで紹介されていて

フィナンシェがあることをチェックしておいたのよね

ご存じない方に一応説明すると、私は日頃からフィナンシェヤクザとして

フィナンシェを見かけると買って食べまくっている

同人誌も出して

毎日のようにレビューもツイートしている(現在900個以上)のでよろしくね

思ったよりたくさん種類があって収穫にホクホク

そのあともケーキ屋やパン屋を見かけると突撃してフィナンシェがないか確認してあれば1個だけ買う、なければ出るを繰り返し
漣猗「迷いがない」

そこから『門前仲町』に移動

ここでカラオケボックスに入る

はい、お待たせしましたカラオケボックスに入ったら

歌います

……違った、打ち合わせをします!

カラオケでの打ち合わせが漣猗さんとの恒例なのである

過去もこの密室空間で

「道端で高級食パンが困ってるんです」

「母なる古代スコーン・素魂が……」

ひじきがよくわからないことを言っては、

漣猗さんがアイパッドを使ってその場でイラストにして、ペーパーウェル作品が生み出されてきた

今回は扉がテーマ

うーん、扉ねぇ

もし文字だけの作品だったら「戸」と「非」のシュールな同棲生活とかどうじゃろ(どうじゃろとは)などと思いついたが、

漣猗さんとのコラボだもの
素敵なイラストが付くんだもの!

えーとね

ひじき「今日見たウツボカズラも扉だと思うんですよね」

過去の経験から言って漣猗さんは「はあ?」とかいきなり馬鹿にすることはない

漣猗「なるほど?」

そう、この日の午前中に行った植物園で

食虫植物コーナーがあったのだ

ウツボカズラにサラセニア、モウセンゴケにハエトリソウ

私は奇妙って言われがちなものはだいたい好きなので「いい!かわいい!」と写真を撮りまくったのですな

物販コーナーのウツボカズラポーチも買おうか結構真剣に迷った

ウツボカズラは今は休園中の渋谷ふれあい植物センターに行ったときもたくさんあってその時に、これ好きなやつ!って実物を認識した覚えがある

ウツボカズラの捕虫袋、あれは蓋が付いていて中に開かれている、でも閉じ込める、それはすなわち扉と言えるのではないだろうか……?

そこからはウツボカズラのモチーフをどう使うかネット検索もしながらアイディアを出し合った

2人でいろいろ言い合うと、不思議と出てくるもので

ウツボカズラを身に着けるのはどうだろう

ウツボカズラの中に住む人の話は?

から

ウツボカズラがどんぶらこっこどんぶらこっこって流れてきて中から太郎が生まれたら?

になって

昔話の主要モチーフをウツボカズラに入れ替えたら!!??

と絞られていった

どの昔話を使うかもここでだいたい決めて

形式は縦長の三つ折りがいいんじゃないかとなり

表紙のイメージは漣猗さんがラフを描いた

はい、打ち合わせ終了、これで行きましょう!

そのあとは

心置きなくジビエを堪能しましたとさ

「大丈夫?足りる?」

漣猗さんのひじきという生き物をひもじくないようにさせなきゃ精神がすごい

楽しいお出かけだった

■GW(ゴールデンウイーク)のPW(ペーパーウェル)

私は連休と言うものを過信しているので
あれもこれも後回し、連休にやろう、きっとできるだろうよと

到底3日間程度の休日ではできない量のタスクを全部連休に積んでおく

ペーパーウェルもここである程度進められるといいなと思いながら、

ゴールデンウィークはコナンの映画とか見なきゃいけないし

ジャガイモの畑の様子も見なきゃいけないし

案の定他のことにいそしんでいると

漣猗さんから早くも表紙の画像が送られてきた

ウツボカズラってくびれがセクシィですよね

今回はモノクロ印刷でいこうと決めていたので、黒背景が怪しさを引き立てている

えっと、ちょっとは私もやりますか……

食虫植物の資料とネタに使いたい昔話の読み込みをした

食虫植物はハエトリソウのようによく見るやつもあれば、ムジナモなど初めて見た種類もある

同じウツボカズラでも捕虫袋の形や大きさが様々あることを知る

アラジンや竹取物語はこの機会に絵本だけでなく青い鳥文庫とか角川つばさ文庫のを図書館で借りてみたのだが、

最近の表紙や挿絵はとっても今どきなコミックやアニメのようなイラストなのですねぇ

民話の学術的分類や民俗学な解説は沼が深そうだから見なかったことにしよう(即閉じる)

そんな感じでインプットをしたあと、冒頭に持ってくる解説文を書き出した

漣猗さんはいつも出したものを褒めてくれる

カラオケで打ち合わせをしたお互いのイメージにずれがないかここで確認

温度感や方向性はこれでいいか?いいね?

この後は職場でぐはーしていたせいかなんの記憶もないが、しばらく作業が止まる

■5月12日~19日・開け扉!

いよいよ開催が近づいてまいりました

ひじきの進捗はと言うと

12日にシンデレラ的サムシングを仕上げる

漣猗さんの息子さんに読んでもらえて、おもしろいって言ってもらえたので一安心

配信前の第三者の貴重な意見、ありがたいのよ

14日にかぐや姫的サムシングを仕上げる

漣猗さんのアイディアにより、5人の貴公子の名前を虫に、月をウツボカズラに変えることで世界観にまとまりが出た

忌憚ないバディの意見、取り入れるとちゃんと良くなるからありがたいのよ

15日にアラジン的サムシングの抜粋とその他の話に見られるモチーフを埋め始める

ちょうどこの頃、私の周りは通称ティアキンと呼ばれる新しい発売された任天堂のゲームにはまっている人がちらほらいて、

私はそういったゲームはやらないがいろいろ遊べる要素がある時間泥棒なことは知っていた

Twitterを見る限り漣猗さんもそいつを楽しんでいるようであり、ああ、ペーパーウェルがゼルダに負けちゃったらどうしよう……

と正直勝手に焦ったりもした、そわそわ

いや、信じてるけど!もし、万が一ダメな時は連絡来るだろうし、ティアキンにやられなくたって体調不良とか家庭の事情とか起こりえるわけだから、そのときはしょうがない

こればっかりはひとりで完成させられるものじゃないから、信じて待とうホトトギス

ちゃんと15日の夜に裏表紙のラフが送られてきて、ラフ!ラフ!と犬のように鳴いた

素敵です!妖しいです!さすがです!

ウツボカズラの種類、入れたいのあれば描くよ〜というので「ベントリコーサとアンプラリアとラヤを」とリクエストさせていただいた

特徴つかんですぐ描けちゃうのがすごいな

~19日ブラッシュアップ

一度自分で作ったものを漣猗さんの指摘を取り入れてレイアウトをどんどん変えていく

終わりなきLINEへんてこスタンプ合戦にかまけているだけではないのだ(楽しい)

今回のコンセプトは

ありそうだけどしれっとおかしい

変な装飾や凝ったフォントは極力排除してだんだん報告書っぽくなっていく

今までの作品のようにイラストを前面に出した視覚に訴える系ではないけれど

お話を読んでから裏表紙を見ると「あ!ここにある!ちゃんとコラボしてる!」になるように

告知画像の準備も並行して進めた

ヤクザ映画は我慢しての平日夜のちまちま作業で毎回のことながらちょっと寝不足

■5月20日・限界ペーパーウェル

19日の金曜日から始まるペーパーウェルだが

我々の配信開始は20日の土曜日の夜にしようと決めていた

いつもは初日の夜12時からブイブイ言わせてたんですけどね

今回はなにしろギリギリな進捗だ

心に余裕をもってテストプリントしたかったし

心に余裕をもって告知したかったし

心に余裕をもって(しつこい)

19日の夜に裏表紙も付いてある程度形になったものを20日の午前中にお互いテストプリントして細かい修正をしていくことに

それが、えーと、

なんか

土曜日おいら半日出勤になったんすけど

まあ、誰もいない静かなオフィスはストレスがなくていつもより仕事が捗っていいのだが

帰りの電車の中で漣猗さんから気になったところを聞き出し

原稿修正のために自分のパソコンの前に座ったのは

15時頃

そこでもろもろ変更して再度ネプリ登録
まあ、これでだいたい大丈夫っしょと

16時すぎ

完成したしリソグラフで印刷しよう~と呑気に外出

途中のコンビニでプリントして

……あ、

こ、これは

修正がまだ必要なやつだと気づく

脳内の想定ではいけてて、PC画面でわからなかったことが紙に出すとわかる

不測の事態に備えて(事態起こったよ!)ノートパソコンを担いでいたので

急遽コメダ珈琲に入り

漣猗さんとLINE&DMでやりとりしながら修正する

にわかにあわただしくなってきて
おらドキドキすっぞ

ひじき「今日このあとはもうネプリするの難しそうですか……?」
漣猗「いいよー何回でも出られるわよ笑笑」

こうなったら小手先ではなく腹をくくって直すことにする

直したやつをネットプリントに登録して

漣猗さんをコンビニに走らせる

プリントしてもらってそれを見て送られてきた意見によりさらに修正をかけて再度登録して出してもらって意見を言い合って変更して……

わ~リモート荒行!

これは限界ペーパーウェル!

二人で疾走してる感じが半端なかったです
これだからコラボはやめられねぇぜ

ハァハァ

心に余裕をもってとはなんだったのか

なんとか18時半には確定原稿を登録

さあ、おのおのがた告知じゃーーーー!!!

今回はファミリーマートやローソンでも出せるようにしてみた

近隣のコンビニって偏りがあったりするし間口は広い方がいいかしらんと第10回にして遅ればせながら

セブンイレブンのはQRコードも添付してみた。たくさんプリントする人も多いからプリントまでの手間はなるべくない方がいいよね

告知を終えた後は疲労困憊しながら作業場ZINE FARM TOKYOに向かい

リソグラフ起動!

モノクロ原稿だから単色印刷が映えるってもんよ

使ったインクはティールグリーン

リソグラフ、難しい使い方は全くしていないんだけど、せめて毎回違うインクに挑戦することにしていて
バーガンディーレッド、ブラウン、ブラック、パープルに続いての緑

確認したつもりでも注意散漫により上下間違えて両面印刷したりして、アアアー

今回の構成は上下間違えるとだめなやつだったので

ピンク色の紙を大量に無駄にして結局はクラフト紙に刷った

ピンク紙×ティールグリーン、かわいかったからいずれリベンジしよう

■5月21日~

同人誌頒布イベント・文学フリマ東京36に

「三日月パンと星降るふくろう」というサークル名で参加した

そう、これがあるから21日は動けなくて20日までに告知配信しておきたかったのですよ

リアルイベントが色々と復活してきたおかげで皆さん忙しくなってきたのか、今回は作品参加を断念された方もいたようだしね

積極的な無料配布として用意したわけではないが昨日刷った紙を会場で三つ折りにして、本を買ってくれた人や知り合いになんとなく配ったりした

受け取った知人「次は植物を(ジャガイモみたいに)やるの?」
ひじき「やりません」

そんなにあれこれやれねーよ!

でも、図鑑を眺めれば眺めるほどウツボカズラってかわいいなーって思えてくるので怖い
育てない、育てないけど

カインズにウツボカズラ(ネペンテス・アラタ)売ってたなあ

食虫植物は兵庫県立フラワーセンターにたくさん展示があるみたいなのでいつか行ってみたい

そんな感じで

ネットプリントの配信は

セブンイレブンが5月27日23:59まで

ローソン・ファミリーマート・ポプラ系列が5月28日18時頃まで

BOOTHのダウンロードは今のところ期限なし

でお楽しみいただけますので、

しれっとへんな食虫植物がやたら出てくるお話が読みたい人は

よろしくお願いします!

*いただいた反応

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ありがとうございます!見つけ次第、追加していきます


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